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王楽記―おうがくきー  作者: 上平英
幼少期
17/21

第16話 お見舞いと王様のお話 

新展開の予感が・・・。

「トール様!!」


・・・ん?


あっ、気絶しているフリしてたら、そのまま寝てしまってた。腕の治療も終わってるし、体に痛みはないな。


うーん。俺を呼んだのは・・・声からして女騎士の誰かだな。


「ん・・・あ・・・」


単なる寝起きなんだけど、苦しそうな声を出しながら起き上がる。


そして、ゆっくりと目を開けて周りを見る。


白いベッドに、そのベッドを取り囲むように集まる女騎士達を見てから一言。


「ここは・・・どこ?」


セオリーだよねっ! あとやっぱり女騎士だったな。


「トール様! よかった気がついたんですね・・・! ここは、医務室ですよ」


女騎士の一人が答えてくれけど、知ってるよ。ここに運ばれるまで起きてたし。


「何が・・・あったの・・・?」


「覚えていないんですか・・・!? トール様は倒れたんですよ・・・」


さっきとは違う女騎士が答えたけど、それも知ってる。


「・・・あっ! そうだった!!」


そこで、俺は大声を出して、ポニーテールの女騎士を探す。


よしっ! 射程範囲内だ!


俺は、ベッドの上を赤ん坊がはいはいするように移動し、ポニーテールの女騎士の目の前まで近づいて、思いっきり抱きしめる。


そして、顔を胸に埋めて泣き始める。


「よかった・・・よかった無事で・・・」


「トール様・・・」


王子である俺が、女騎士の一人の無事に涙を流すという、慈悲深じひぶかい行動に医務室は感動に包まれる。


でも王子の俺が考えていたことは・・・。


ああっ、鎧外してくれてマジでよかった!


鎧越しに抱きしめても、面白くねぇんだよなぁ・・・ああ、マジで柔らかいし女性特有のいい匂いがする・・・だったんだな!


女騎士達も、俺が戦った相手は本当では敵ではない。という、説明を忘れている。









ああ、マジで最高!


ポニーテールの女騎士は俺が落ち着くまで抱きしめさせてくれるようで、離そうとしない。


俺はワザと大泣きする少年になり、胸に顔をこするように動かす。


「トールさまぁ・・・・はぁっ、はぁ、はぁ・・・」


よしっ! 


最初は、ただ俺を落ち着かせようと母のような抱擁だったが、俺の泣き姿に、しだいに荒く発情したような吐息が漏れ始めた。


ああっ! 必死に欲情するのを抑えようとするポニーテールの女騎士の表情は、マジ色っぽいです!


周りの女騎士達まで、発情してきたのか熱い視線が俺の背中に注がれてるし。









「トール様。国王様がお呼びです」


・・・・っ!? 誰だ!!?


俺の楽しみを邪魔するKYは!?


俺は仕方なしに顔を胸から離して声の方を見る。


「トール様が起きたらすぐに国王様の下へ向うようにとおおせつかりましたので」


クソっ! やっぱり老婆だったか!!


こいつ俺のことが嫌いなのか!?


父上も父上だ! 俺が倒れたことはすでに知ってるだろうに・・・呼び出すならもう少し後にしろよ!


心の中で散々父上を罵倒ばとうする。


「ちっ・・・父上が?」


ヒクッ、ヒクッとのどを鳴らしながら老婆に聞く。


泣いている設定だし、普通に返事を返すのもおかしいからね。


「はい。起きたらすぐに、とのことでしたから・・・」


クソッ! マジで何の用だよ!? 俺は充分に楽しんでないんだけど!?


まだ、女騎士達の輪の後ろに控えている眼鏡メイドさんとの熱い抱擁もしてないんだけど!?


ああっ、でもやっぱり今行かないといけないんだろうなーー!!


「・・・わかった。父上のところだね・・・」


仕方ないから、大人しくベッドから立ち上がり、父上のところまで老婆に連れて行かれる。


結局、あの不審者のことを教えてもらってない・・・。


国王自身が俺に教えるのか?


あと、部屋を出るときに女騎士に向って「君達が無事で本当によかった・・・」と泣き笑いで言ってから医務室から出る。


よしっ! 女騎士の好感度さらにアップ!!









それから、老婆に連れて行かれた場所は父上がいつも仕事をしている執務室だった。


老婆がドアをノックして「トール様を連れてきました」と言い部屋に入る。


執務室は、10畳ぐらいの部屋の奥に大きな机が置いてあるだけの部屋だ。


まあ、机が置いてあるだけといっても、部屋の所々に豪華ごうか装飾そうしょくほどこされているけどね。


今、その部屋には机に渋い顔で座る国王である父上・・・そして、その机の近くに立っている不審者が3人(・・)


なんか不審者が増えてる? というか何でここにいるんだ?


・・・・落ち着け・・・うまく立ちまわるんだ・・・!


「なっ、なんでお前達がいるんだ!?」


俺は驚きながら、敵意を向ける・・・・まだ、敵じゃないって教えられてないし。


「待つんだ。トールよ。この方々は、敵ではないんだ」


国王様が頭に手をおいて、ゆっくりと言った。


「敵ではない?・・・では、なぜ騎士達を襲っていたのですか!?」


しらじらしく父上に向って大声を出す。


「あれは、ただの訓練だ」


父上は、呆れたように俺に言う。・・・・なんかムカツクな?


「くん・・れん・・・?」


意外そうに、驚いたような表情で不審者の方を見る。


「ああ、訓練だ・・・・ふぅ・・・お前にも教えておけばよかったな」


父上マジでムカツク・・・。


つまり全面的にお前のせいだろう? あんな格好してるんだから、襲撃者に女騎士が襲われているようにしか見えないだろう!? もう少し申し訳なさそうにしろよな!!


「トール・・・そんなことよりも、お前に大事な話がある・・・」


父上が表情と声が急に暗く険しいものになった・・・?


何だよ大事な話って? 早く話せよ!


「・・・・・・・・・・・・」


溜めすぎだろう!? 早く話せって!!









何度か言いそうにながらパクパクと口を動かすだけで俺をイライラさせていたが、ついに父上は言葉を話し始めた。


さて・・・なんて言ってくるのかな?


ここまで、溜めたんだから期待させろよ?










「・・・・・・トール。城から出る気はないか?」









・・・。


・・・・・。


・・・・・・・・。


「えええぇぇぇぇーーーーー!!!」


はあっ!!? 俺が・・・城から・・・・で・・る・・・・? 

国王の大事な話は城から出るという、トールにとって最悪なものだった・・・。


次回! トールは大人しく城から出るのか!?


なぜそんな話になったのかが明らかに・・・。


ぎりぎりもう1話更新できるかな? 


ここで今日更新やめたらキリが悪いし・・・。


頑張って書き始めます! 12時越えるかも知れませんが頑張ります!



評価や感想をいただけると嬉しいです!

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