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王楽記―おうがくきー  作者: 上平英
幼少期
14/21

第13話 女騎士と純真無垢な少年?

おっしゃーー!!


昼食も摂ったし、鎧も着たし、訓練場に向かいますかーーー!!


「トール様。楽しそうですねっ!」


眼鏡メイドさんが、嬉しそうに声をかけてきた。


眼鏡メイドさんには、久々に体が動かせることが嬉しいだけの純粋な少年に見えるんだろうな。


「うんっ! ずっとベッドで寝てるだけだったからねっ!」


「トール様、嬉しいのは分かりますが程ほどにしてくださいね」


完治はしているのだが一応、眼鏡メイドさんが注意してくる。


まあ、病み上がりで9ヶ月も運動しなかったんだから当然だよねっ!







訓練場に着くと、城の騎士が集合していた。


女騎士以外の男の騎士も整列している。


えーーと? これはなんですか?


隊長のムサ男・・・なんかにやけていて気持ち悪い・・・が一歩前に出て大声を張り上げた。


「トール様! 我々はっ、身を挺して姫様を・・・女性を守るあなた様のお姿に感銘を受けましたっ!!」


・・・・えーとっ、つまり見直しましたってこと?


まあ、男達の中での俺の評価は、甘えん坊の坊ちゃんとかだったからね。


今回、その甘えん坊の坊ちゃんが、姉を守るために、一人で悪魔に立ち向かったんだから、騎士達からの評価がただの甘えん坊の坊ちゃんから、勇気ある少年にクラスアップしたんだろう。


うーん・・・男から見直されてもなーー・・・。


だって、騎士ってほとんどがムサ男みたいな筋肉野郎ばかりでさぁ、あんなんに囲まれてたんじゃ、女の子達が俺に近づけないじゃん。


「是非とも、我々の稽古けいこを受けてくださいっ! 必ず! 必ずや国一番の騎士に育てあげてみせます!」


ムサ男がとんでもないことを言いながら俺の手を掴んできた。


てめぇら、野郎共と稽古なんてするわけねぇだろう!!


誰が、ムサ男達と汗臭い稽古するか! お前らと、女騎士の汗は同じモノのようで、まったくの別モノなんだよ!!


それに、ムサ男なんかと水浴びしたら、俺までムサくなりそうじゃんっ!


ていうか、俺様は王子だから騎士なんかになるはずがねぇだろうが!!







心を・・・心を静めろ・・・不機嫌を顔に出さずに、この場を乗り切れぇ!!


「それはできないよ」


出来るだけ申し訳なさそうにムサ男に告げる。


「なぜですかっ!?」


っ! だから顔を近づけるなっ!!


「僕が剣を初めて教えられた相手はあなたじゃないからだよ」


「えっ・・・?」


ムサ男だけじゃなく、周りまで困惑する。


少し場を・・・タメをつくって、注目を集めた後。ムサ男以外の騎士達にも伝わるように声を発する。


「僕に剣の事を教えてくれたのは、女騎士のみんなだからね。今さら、他の人に教わるわけにはいかないよ」


「「「・・・・トール様・・・」」」


よしっ! これで、ムサ男連中は俺のことを諦めないといけなくなった。


女騎士のお姉さま方も、俺の言葉を聴いて言葉も出ないほど感動してるっ!


今度、ムサ男が俺を勧誘しようとしたら、女騎士達が守ってくれることだろう「無理やり教えなくてもいいじゃないですか」とか「私達が教えるので口出ししないでください」的なことを言ってさっ!


「じゃあ、この話は終わりっ! 稽古けいこをはじめよう! やっと、運動できるようになったんだからね」


ムサ男を華麗にスルーして、女騎士達が整列している場所まで走り、一番前で近くにいたムサ男の娘であるポニーテールの女騎士の手をとって、いつも稽古している場所に行こうと引っ張る。


「わっわっ! トール様っ・・・」


いきなり手を握られたことにビックリしている女騎士を無視して引っ張って歩いていく。


他の女騎士は、そんな俺の行動に温かい視線を送り微笑みながら、いつもの場所へ向う。


残りの騎士・・・つまりムサ男達は、女騎士達を引き連れて歩く俺をうらやましそうに見ながら、立ち尽くしている。







稽古けいこが始まり、まずは、木剣を持たされ軽く素振りをさせられた。


「うーん。やっぱり少し体力が落ちてますね。それに体の軸や筋力も低下しているようです」


ポニーテールの騎士が俺の素振りを見て、そのように評価した。


「ごめんなさい・・・はぁ、はぁ・・・」


息切れし、汗だくになって、芝生に仰向けで寝転がる。


「あっ! トール様は気にしないでいいんですよっ! 病人だったんですから当然(・・)ですよ」


「うん・・・ありがとう」


目の前に立っているポニーテエルの女騎士のスカートが気になるが、きちんと目を合わせて話す。







俺の健気な姿に、ポニーテールの女騎士が胸を抑えて、獣のような視線を向ける。


「どうしたの?」


俺の貞操が狙われているのを知っていながら、不思議そうに尋ねる。


「えっ・・・いえっ! あっ・・・なっ、なんでもありませんよっ!」


激しく狼狽ろうばいするが、コホンっと一息ついて、俺の隣に腰を下ろして、頭を撫でてくれる。


俺は気持ちよさそうにしながら、ポニーテールの女騎士との距離を詰める。


ポジション取りは完璧なので顔を横に向けるだけで、スカートの中が覗ける。


おおっ!


ポニーテールの女騎士では、珍しい色の赤! しかも、かなり生地が薄くてスケスケだ!


俺が、今日から訓練に復帰するから、わざわざ勝負下着で来たんだろう。


まったく、大胆に成長したものだ。


初めてあった頃は、厚手の無個性むこせい白パンツだったのに、他の女騎士達から影響を受けたんだろうな。


マジで眼福です!







稽古けいこが終わると、一大イベントの水浴びだ!!


女騎士は、稽古が終わると汗を流しに王宮に設けられている風呂場に向う。


俺は、女騎士が水浴びすることを知ってから、訓練が終わっても、すぐに部屋に戻らずに女騎士と会話を楽しんだ。


それを数回繰り返すと、女騎士の顔役というかまとめ役のグラマーな・・・あの俺に下着を着ないでスカートの中を見せ付けたあの人が、からかうように「これから、私達は水浴びに向うんですけど、トール様もご一緒しますか?」と聞いてきたのだ。


もちろん、グラマー女騎士も本気ではない。


ただ、からかっただけだが、俺はグラマー女騎士に抱きついて顔を見上げて一言「うんっ!」と笑顔で答えた。


そして、グラマー女騎士や他の女騎士が何か言いだす前に「じゃあ、早く行こうっ!」とグラマー女騎士の手を引いて歩き出す。


このコンボにグラマー女騎士も女騎士達も参ったようで、すんなり水浴びを一緒に行うことが許可された。


まあ、子供だしね。


それから、稽古が終わると毎回一緒に水浴びをしている。


始めは、俺に普通の女性より筋肉のついたり、訓練で作った生傷や古傷の目立つ体を見せることに嫌がっていたが、俺は彼女達に抱きつき、傷跡や体を隠す素振りをした女騎士に笑顔で「綺麗だね」とか言って褒める。


女騎士の中には、その言葉だけでは足りないっていうお姉さんもいた。


俺は、そんな女騎士には抱きしめたり嬉しそうに胸を撫でたりして、心から褒めていることをアピールし、彼女達の容姿に自信を持たせた。


まあ、実際に傷や筋肉が多いだけで、みなさん女性らしい体つきをしていて、顔も整っていて美人だからね。


グラマー女騎士も、剣ダコだらけで固くなった手を褒めれば、少女のように顔を赤らめて動揺するしね。


いつもは妖艶ようえんなお姉さんが子供なんかに手玉に取られてるんだから、面白いよね!







ああ、もうすぐだ・・・もうすぐ水浴び場に着く。


水浴び場は銭湯のような造りになっていて入り口で男女に別れていて、入ってすぐに脱衣所があり、その奥に大きな湯船がある。


まあ、湯船と言っても、入っているのはお湯ではなく水だけどね。


とりあえず、いつものように脱衣所で鎧と洋服を眼鏡メイドさん(・・・・・・・)に脱がしてもらう。


そう、眼鏡メイドさんも一緒に水浴びをするのだ。


俺は服を着るのも脱ぐのもメイドさんだよりだから当然だろう?


俺が最初に裸にされて、その場で女騎士達と眼鏡メイドが裸になるのを観察しながら待つ。


みんな、脱いでいるところは見られたくないのか、毎回「先に入っていていいですよ」と促すけど「みんな一緒に入りたい」と毎回、拒否する。


だって、そうしないと、どんな下着はいてるか分からないじゃん! という気持ちは隠して。


今日は、俺の稽古復帰のためかみんな大胆な下着をつけていた。


眼鏡メイドさんまで普段はあまりつけない紫のスケスケ下着。


何で知っているかって?


そりゃあ、たまに添い寝を頼んでるからだよ。


眼鏡メイドさんの寝巻きは、ナイトガウンで下着が簡単に覗けるんだもん・・・決して寝返りを装って触っているからじゃないよ?


まあ、それよりも・・・マジでみんな成長してるなーーー。


なんていうの? くびれとか、お尻とかマジで破壊力が増している。


鎧が取り外されたことで、その下に隠されていた女性らしさが全て解放され、俺の性欲を駆り立てる。


とりあえず、今日の気分的にポニーテールの女騎士なので、湯船に浸かり抱きつく。


そして、すぐに久々の稽古で疲れたように見せ、すぐに狸ね入りをする。


「トール様・・・起きてください・・・」


ゆさゆさと女騎士が起こそうと体を動かす。


ああ、胸が擦れて気持ちいい・・・。


「うーん・・・」


俺は、寝ぼけたように彼女の首に手を回し、正面から抱きつく。


ああっ、彼女の体温が上昇するのが目を瞑っていても分かる。


少し身動きするだけで、彼女の口からは甘いと息が漏れる。


「「「いいなぁ・・・」」」


周りの女騎士達の視線が背中にささる。


まるで、獲物を前にした獰猛どうもうな獣のような鋭い視線だ。


ジャバっと誰かが湯船から立ち上がる音がした。


ザバッ、ザバッと水を切りながら俺に近づいてくる。


音が止んだその瞬間俺の背中に暖かくて柔らかいものが押し付けられた。


「ちょ、エレナさんっ」


ポニーテールの女騎士が慌てて俺の腰を抱く。


確か、エレナと言う名前はグラマー女騎士の名前だったはずだし、この沈みこんでしまいそうな弾力も、グラマー女騎士しか出せない感触だ。


「いいじゃないの、リース。いくらなんでも、ひとりじめはズルイんじゃない。久々なんだから私にも味あわせてもいいじゃない?」


ちなみにリースというのはポニーテール女騎士の名前だ。


まあ、今は別に個人個人の名を知る必要はあまりないんだけどね。


まだ本格的に手を出せないし。


・・・うひゃっ!? グラマー女騎士が太ももを揉んできた!


「ねえ、リース? トール様は、久々の運動で筋肉が固まってしまっているわよ? 私達は、王族の騎士なんだから、主君であるトール様の体をいやすことも、仕事に入るんじゃないかしら? ねえ?」


グラマー女騎士は、はぁはぁと犬のように荒い呼吸を俺の耳に吹きかける。


「そっ・・・それもそうですねっ・・・」


いつもは、真面目なポニーテールの女騎士も久々の俺との触れ合いで、理性を保てないのか、腰からだんだん下に手が下りてゆく。


「「「ちょっ! わっ私も混ぜてくださいっ」」」


俺を起こさないように小声で言い、残りの女騎士と眼鏡メイドさんまでもがマッサージという性的イタズラを仕掛けてきた・・・・。


ああっ! ・・・体中に女騎士達の柔肌があたり、大勢の手で優しく揉まれる。


ときどき、ヤバイ所も触られるが、俺は体をひねるだけで起きる素振そぶりを見せずに、女騎士達が満足のいくまで触らせた。


この場で童貞を奪われるかと期待したが、そこまではされなかった・・・マジ残念・・・。


やっぱり王子という身分が、彼女達の最後の一歩を踏み留めさせたようだ・・・。


まったく! 気にしないでいいのにっ!






そうそう、剣術の稽古けいこで、俺が息切れしたり弱くなっていたのは、全部演技だからね。


9ヶ月も体を動かしていない少年設定だから、そういう風に、武術の才能を悪用して、調子悪く見せただけだから。


実際には、息切れなんて絶対にしないし、城の騎士達以上の剣術の腕もすでに持っている。


ただ見ているだけで、剣の有効な使い方が頭の中に入ってくるし、イメージトレーニングだけで充分強くなれる。


身体能力もずば抜けて高いから、単純な話、騎士達の動きを倍速(・・)で行うだけで、俺にかなう騎士はいなくなる。


だからマジで、このチート能力は最高だ。


武術の才能と最強の身体能力がお互いを引き出しあい、隠れ効果みたいなもの生まれてるようだし。


これに、魔法の才能と膨大な魔力まで加われば、俺はどこまでも強くなる。


ふっはっはっはっはっーーーー!!


マジで最高!


日常生活に何の苦労も不安も無く、演技しながら生活するだけで、女性の方から集まってくる!!


ああ、神の美人さんにマジ感謝!


この人生が終わったら、思いっきり! 可愛がってやるよ!!



6/23日誤字直しました。

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