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王都攻防戦1 淫婦が魅了を発動しました

国際エスカール征伐軍の派遣がイェルド様の策で決定した翌日、集まった我軍ムホス郊外に集合していた。その数は8万を数えた。各領主達の目が壇上に向かう。


そして、その壇上には大将軍である、クリスティーン様が立っていた。


「者共良いか。元々15年前の女王陛下のご両親弑逆事件は、エスカール王に使嗾された淫婦ドロテーアがブルーノを使って起こしたということが判明した。それを証明するように今回の女王陛下襲撃事件では、多くのエスカールの魔術師が含まれていたことでも実証された。この15年間、多くの貴族たちが殺されたが、全てはエスカール王国の陰謀だったのだ」

一同をクリスティーン様が見渡した。


「この15年間の混乱のすべての元凶は淫婦ドロテーア並びにエスカール国王にある。この15年間のこの国の民の苦しみの全ての元凶は淫婦ドロテーアとエスカール国王にあるのだ。我軍はこれから王都を奪回、淫婦ドロテーアを血祭りにあげた後、一気にエスカール王国の王都を落とす。今までの我らの恨みつらみ全て晴らしてやろうぞ」

クリスティーン様が拳を振り上げた。


「おおおおおおお!」

全軍が雄叫びを上げた。


流石、クリスティーン様だ。


『15年前の弑逆事件の真実 全ての元凶は淫婦ドロテーアとエスカール国王だった』

イェルド様の渾身の記事が配られてまだ1日いか経っていないのに、全軍に文句を言わせず、雄叫びを上げさせたのだから。


イェルド様はいかにドロテーアがひどい女であるか、これでもかと記事に書かせていた。なんでも、魅了の力を使って、あのブルーノでさえも篭絡して顎で使っていたとか。ブルーノは地上最強の魔術師で最初は通じなかったが、それでも、淫婦ドロテーアは自らの豊満な体を使って誘惑、魅了したのだとか。


その記事を見て、アルフ達が残念そうに私を見ていたんだけど、なんでだ?


「うーん、アンは魅了は使えそうにないわね」

イングリッドが言わなくてもいいのに私の胸を見て残念そうに言うんだけど。何よ! それ!


私にも少しはあるわよ。少しは・・・・。


「アン、私が君を好きになったのは君が魅力的だからだよ。余計なところは気にしなくていいから」

ふいる様が言ってくれるんだけど、それって私が胸がないって言っているのと同じよね。


「それ言うまでもないでしょ」

イングリッドが呆れたように言ってくれるんだけと、それはそうだけど、何か納得いかない!


イェルド様は皆には魅了除けのおまじないまで配る力の入れようなんだけど。


ドロテーアには更に恨みが一つ増えた。


まあ、女として全く父に相手にされずに、母を恨んで犯行に及んだと書かれていたけれど、殺された母としてはたまったものではなかっただろう。そんなドロテーアを側妃においた、父にも問題があったと思うけど。


「まあ、その当時のエスカールは大国でスカンディーナとしては逆らえなかったのです」

ルンド先生が話してくれたけれど、側妃をいれられた母としてはたまったものではなかっただろう。


私の兄がいるそうだが、記事によるとブルーノと側妃の子供だそうだ。まあ、真実はどうかは判らないけれど。

私の兄弟でなければ関係ないよねと私は深くも考えずに思ってしまったのだ。


何しろブルーノの娘のテレーサ王女も大した魔力はなかったし、クリステイーン様に不能にされたドグラス王子も大したことはなかったと聞いていたから。ブルーノが世紀の魔術師だったという事が頭の中から抜けていたのだ。私達は子供がその遺伝を引き継いでいる可能性を考えていなかった。



我軍は破竹の勢いだった。我軍を見た途端に次々と貴族たちは降伏してきたのだ。それを次々に我軍に加えて、我軍は膨らんだ。


10万に膨らんだ我軍は2日後には王都を取り囲んだのだった。


我軍は勢いがあり、このまま攻め込んでも余裕で勝てると思っていた。


我軍は少し慢心していたのかもしれない。


その時だ。


城門が大きく開かれたのだ。


そして、そこから真っ白な衣装を着たドロテーアが1人で出てきたのだ。その両手は前で縛られていた。


「おおおお、淫婦ドロテーアが降伏してきたぞ」

皆の目の前でドロテーアが出てきて、そのまま私達の前に引きずり出されたのだ。


ドロテーアは私達の前で跪いていた。



「女王陛下並びに家臣の皆様。我々は降伏いたします。でも、何卒、何卒息子の命だけはお助けください」

そう言うと顔を上げたのだ。


その顔は妖艶な笑みを浮かべていた。


目が赤くランランと輝いていたのだ。


私はそれをみて、思わず可哀想だと思ってしまったのだ。


そう、皆、それが当然だと。


そして、男どもが思わず2、3歩前によろよろと出だしたのだ。


その顔はどれも呆けていた。魂を抜かれたように。


その中の1人にフィル様がいたのだ。


「さあ、皆様。私のもとにいらして」

腕の縄を勝手に解いたドロテーアが手を広げた。その目は益々光り輝き、周りを魅了し尽くしたのだ。


魅了の行方は如何に? 今夜更新予定です

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
私の

この前のお話は

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『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』

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私の

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第2部

終了しました。

第一部の紹介は
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

この次のお話は

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『推しの悪役令嬢を応援していたら自分がヒロインでした』

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