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王太子を治療して気絶してその場で一夜を過ごしたら、二人で熱い一夜を過ごしたと記事を捏造されて近隣諸国に配られました

「やったーーーー!」

私はやっとフィル様でゲームを完全制覇、クリアしたのだ。


フィル様クリアはすぐ出来たのだが、全ての画像を手に入れるのはなかなか骨が折れたのだ。


そして、完全制覇したらおまけがあるって本には書かれていたんだけど・・・・


フィル様がにこりと笑ってくれた。


私はそれを見てぼうーーーーっと見とれてしまった。


そして、フィル様は私を抱きしめてくれたのだ。


えっ?・・・・ええええ! ゲームが現実になっている!


嘘ーーーーー! もう私は天国にも上る気持ちだった。


憧れのフィル様に抱きしめられたのだ。


つぎはキスだろうか・・・・期待したのだが、


いきなりベッドに押し倒されたんだけど、


ええええ!


そして、フィル様は服を脱がそうとするんだけど、


ええええ! このゲームって18禁だったっけ?


私は混乱して何もできなかった。


ちょっと、フィル様何を!


そして、そのフィル様が私の胸をもんでくれたのだ。


ええええ! さすがの私も感情が追いつかなくて・・・・


「何すんのよ」

私は憧れのフィル様を思いっきり張っていたのだ。





私ははっとして目を覚ました。夢だったのだ。えらく現実的な夢だった・・・・


そして、目の前にフィル様の顔のドアップが見えた。


「ええええ!」


驚きであっという間に目が覚めた。


何と一つの布団の中でフィル様に抱きかかえられていたのだ。


なんで、なんで、私がフィル様と一緒の布団で寝ているの?


私はパニックになった。


「アン、酷いじゃないか。いきなりひっぱたくなんて」

少しむっとした顔でフィル様が言うんだけど。


「えっ、フィル様、私の胸を触りませんでした?」

「いや、それは・・・・」

フィル様が急に眼をそらした。


「ほらやっぱり」

私が寝巻の上から胸を押さえて睨みつけると、

「いや、起きたらアンがぐいぐい抱きしめてくるから、ちょっと慌てて止めようとしら当たってしまったんだよ」

フィル様が言い訳するんだけど、目をそらしている。


「フィル様、目を合わせて答えてください」

私がむっとして言うと


「ごめん、アンが抱きついて離してくれないから、つい・・・・」

そう言われるとあまり何も言えないではないか。


「でも、フィル様、私達は結婚もしていないんですから、そんなことしてはダメです」

「じゃあ、すぐに結婚しよう。ブルーノを倒したから良いよね」

「な、何を言われるんですか」

「アン!」

私はフィル様に思いっきり抱きつかれてしまった。

私は固まってしまって真っ赤になった。



「ちょっとあなた達、何やっているのよ。私達の前で」

「本当に最低」

何か零度以下のエルダとイングリッドの低い声に私達は飛び起きた。


そこにはエルダとイングリッド、それに真っ赤になったイリヤまでいるんだけど・・・・


「ちょっと見ていたなら止めてよ」

私が文句を言うと


「何か言う前に始めちゃったのあなた達でしょ」

「いやでも、なんで私フィル様のベッドにいるの?」

「何言っているのよ。全部あなたが悪いんじゃない」

私の疑問にエルダが答えてくれた。


「フィルは大したことないって言ったのに、慌てて転移したのあなたじゃない」

「そこで、治療してくれていたリーナを邪険に引き剥がして自分がまだ治っていないにも関わらず、ヒールをかけて、気絶したんじゃない」

イングリッドに言われて思い出した。


そうだった。


「でも、何故同じベッドに居るのよ」

「あんたがフィルに抱きついたまま気絶したからでしょ。引き剥がそうとしてもびくともしないから」

「お兄様にも相談したら面倒だからそのままにしておけって」

「えっ」

イェルド様に相談してそのままにしたって・・・・碌なことでないのでは・・・・


「あんたが悪いのよ。抱きついて離れないんだから」

イングリッドが言うんだけど。


「いや、だって、治ったって思ってほっとして」

「酷いです。アンネローゼ様。私はルーカス様に言われて治療していただけなのに、『邪魔よ』ってどかされて・・・・」

リーナが文句を言ってきた。


「ごめんリーナ、ちょっと、テンパっていたから本当に申し訳ない」

私は頭を下げて謝った。


「だからもう仕方がないわよね」

意味ありげにイングリッドが言うんだけど。


「何が仕方がないの?」

私が聞くと


「独身の男女が一夜を同じベッドで過ごすって事になったのよ。この事分かっているの」

エルダがむっとして言ってきた。


「でも、気絶してたんだから仕方がないじゃない」

「そんなの通用するわけないでしょ。あなたはもう傷物扱いよ」

「傷物扱いって何よ」

私はムッとして言うが、


「アン、気にするな。責任は取るから」

「そんな簡単なわけないでしょ」

何か無責任にフィル様が言うけれど、そんな単純な問題じゃないと思う。このまま、うまくいって私がスカンディーナの女王になったら、未来のオースティン王国の王となるフィル様と簡単に結婚なんて出来るわけ無いではないか。


「はい、これ」

イングリッドが私達二人に記事を渡してくれた。


「何よ。これ」

私は記事を見て固まってしまった。


そこにはでかいハートマークの中でひしっと抱き合う私とフィル様が書かれていたのだ。

「アンネローゼ殿下はヒールで半死半生のフィリップ殿下を治されたのだ。その後、二人はそのまま一室で熱い一夜を過ごされたのだ・・・・」

イングリツドが読まなくて良いのに記事を読んでくれたのだった。


「な、なに、これ? こんなの読んだら誰でも私とフィル様が男女の関係になったって思うじゃない」

私は真っ赤になっていた。と言うか沸騰していた。


「はい。もう色々面倒なので、これを機に既成事実を作らせていただきました」

そこには黒い笑みを浮かべたイェルド様が立っていたんだけど。


ちょっと待ってよ。ちょっと。私の純潔が・・・・。こんなのってあり・・・・私が何もしていないのに、勝手に奪われたことになるなんて・・・・。


「最近、アンネローゼ様あてに大量の釣り書が来るようになりまして、面倒なので、この記事を大量に国内並びに近隣諸国にばら撒きました」

ええええ! 私が処女で無くなったって全国にばら撒いたの・・・・


私はもう反論する気力も無かった。


な、なんで全国にばらまくかな・・・・婚姻前に処女でなくなるなんてもう淫乱王女ではないか・・・・


「これでオースティン国王もお二人のことを認めざるを得なくなり腹をくくられるでしょう」

「イェルドよくやった」

フィル様は喜んでいるんだけど、ちょっと待ってよ。私の純潔が・・・・


でも、自業自得と誰も私の言うことは聞いてくれなかったんだけど・・・・


そんなああああああ!

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
私の

この前のお話は

はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』

https://book1.adouzi.eu.org/n8311hq/

アンがこの地にアンネローゼ王国を建てる前の物語です。ぜひともお読みください。

私の

一番の

の人気小説はこちら

『悪役令嬢に転生してしまいましたが、前世で出来なかった学園生活を満喫することに忙しいので何もしません』

https://book1.adouzi.eu.org/n3651hp/

第2部

終了しました。

第一部の紹介は
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

この次のお話は

はこちら

『推しの悪役令嬢を応援していたら自分がヒロインでした』

https://book1.adouzi.eu.org/n2714ht/

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