決戦3 ブルーノに距離ゼロで火の玉を射出しました
げっ、これは、ブルーノの足だ。
馬車から弾き飛ばされて転がった先で目の前にブルーノの足が見えたのだ。
もはや絶体絶命のピンチだった。
これは詰んだ・・・・そう思った。
そして、どのみち詰むならば、絶対距離ゼロでの火の玉攻撃だ。
これなら自爆攻撃と同じでブルーノを倒せる。
この距離ゼロならばミラーも出来まい。最も私の火の玉はブルーノのミラーは効かないが。
それを瞬時に考えて、私は火の玉を無詠唱でぶっ放したのだ。
私から火の玉が出てきて、ブルーノがぎょっとするのが目に入った。
ポヨンポヨンポヨンポヨン
しかし、火の玉は遅いのだ。そして、発射点からブルーノまでは数センチ離れていたのだ!
ブルーノは慌てて飛び退ったのだ。
私はその間に、立上がれたんだけど・・・・火の玉はブルーノに避けられてお空に飛んでいったのだ・・・・・。遥か彼方の宇宙へ・・・・
やむを得ない。私は更に火の玉を発射した。
ブルーノは私の火の玉には触れずに避けた。
虚空を火の玉が飛んでいった。
これは平行に飛ばしたので、敵軍の真ん中に突っ込んでいった。
ピカ
ズドーーーーーン
大分先に敵兵団の側面に命中して大爆発が起こるのだが、大分先に・・・・
しかしその前に、ブルーノは私の火の玉を避けると同時に、爆裂魔術を私に仕掛けてきた。
一撃目は障壁で防ぐ。
ブルーノの2撃目は、私の障壁が吹っ飛んでいた。
そして、3発目は来なかった。
「喰らえ!」
後ろからクリステイーン様が斬りつけたのだ。
それをブルーノは障壁で防ぐ。
クリスティーン様をブルーノが攻撃しようとした時に、その後ろからガーブリエル様が、爆裂魔術で攻撃した。
それをブルーノはミラーで反射する。ガーブリエル様はそれを避ける。
その間に私は火の玉を出していた。
ポヨンポヨンポヨンポヨン
本当にゆっくりと飛んでいく。
「遅すぎ!」
焦った私は次々に火の玉を出した。
1つはホーミング付きだ。本来ならば全弾そうしたいのだが、そうすると混線するみたいで、うまくいかないのだ。1つならばうまくいくみたい。「まあ、アンの頭なら1つしか無理よね」ってイングリッドに言われたんだけど、あなたには言われたくないと言い返したかった・・・・倍になって返ってきそうだから言わなかったけれど。
でも、せっかくたくさん飛ばした私の火の玉もゆっくりだ。
ブルーノはちらっと一瞥して無視するんだけど。
無視するなよ。無視・・・・
そして、ブルーノはクリスティーン様とガーブリエル様に爆裂魔術を放つ。
ガーブリエル様はそれを避けようとして、まだ、生き残っていた魔術師の攻撃を受ける。
それを避けきれずに、態勢を崩す。
そこにブルーノが爆裂魔術を連射してきたのだ。
ガーブリエル様はブルーノの攻撃をモロに喰らって吹っ飛んでいた。えっ1人早速欠けた。
でも、私の火の玉はブルーノには躱されたが、周りをちょこまか飛ぶ魔術師に直撃したのだ。
また一騎、馬に乗った魔術師が消える。
20騎の魔術師はいつの間にかブルーノだけになっていたのだ。
しかし、こちらもクリステイーン様と二人だ。
3対1が2対1ではやばい。
「ブルーノ、覚悟」
クリステイーン様が剣を上段に構えて、ブルーノに斬りかかる。
しかし、ブルーノは障壁で弾く。
そして、そのまま爆裂魔術で、剣ごとクリスティーン様を弾いていた。
そして、2射、3射。
クリスティーン様は跳ね飛ばされて、着陸する前にブルーノの爆裂魔術が襲う。
2射目は剣に魔術を纏わせてなんとか弾き飛ばしたが、流石に3射目は無理だった。
そのまま、クリスティーン様は弾き飛ばされていた。そして地面に叩きつけられた。
やばい、私が最後の1人だ。
私はその前から次々に火の玉を放っているが、ポヨンポヨンポヨンポヨンだ。
間に合わない。
ブルーノが爆裂魔術を連射して来た。
1射目は障壁で何とか弾く。
2射目で障壁が消滅した。
爆風をなんとかやり過ごすが、3射目はモロに爆裂魔術を喰らっていたのだ。
ドカーーーーン
凄まじい爆発とともに、私はボロ雑巾のように弾き飛ばされて地面に叩きつけられていた。
私の火の玉は全て虚空に飛んでいく。
火の玉ホーミングは馬鹿なブルーノの配下の魔術師が、ぶつかって壊してしまった。
「ふんっ、愚かなやつだな。アンネローゼ」
私の前にブルーノが立った。
もう、私は血だらけで、立上がるのも難しかった。
もはやこれまでか。
私が諦めた時だ。
ブルーノが私のお腹を蹴り飛ばしてきたのだ。
絶対距離0センチだ。
ブルーノは馬鹿だ。チャンス到来だ。
私はその足を掴んで、手から火の玉を発射したのだった。
アンの起死回生の一発
ブルーノに通用するのか?
結果は明朝




