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清廉潔白伯爵に交渉に赴くことにしました

まさか、日本がスペインに勝って決勝トーナメント進出するなんて・・・・今日は眠いです!

「ケミン伯爵は、キツネ目の腹黒伯爵と呼ばれております」

ルンド先生が教えてくれるんだけど・・・・へえええ、先生そんな事頭の中で思い描いていたんだ・・・・

そう、それからのルンド先生の礼儀作法の授業は結構大変だったのだけど、先生も私が出来ないのはよく判っているみたいで、程々にしてくれた。そして、礼儀作法以外に、スカンディーナの貴族の特徴を色々と教えてくれたのだ。ルンド先生は元々このスカンディーナの出身で貴族の人柄についてもよく知っていて、特に特徴をつかんでおられたのだ。それを惜しげもなく私に教えてくれたのだ。その話は結構私のためになった。


「この領地の隣のロヴァミエ伯爵はスラリとした体格で、黒いサラサラの髪に、吸い込まれそうな黒い瞳の容姿端麗なお方です。性格は清廉潔白で曲がったことが大嫌いな方なんです」

その中でも良く出てくるのが、隣のオスキャル・ロヴァミエ伯爵なんだけど、何か、他の貴族の時と待遇が違う。その伯爵の話をする時は何故か、キラキラした目で話してくれるんだけど。余程の親しい間柄なんだろうか。


「お親しいんですか」

と聞いたら


「いえ、そんな事はありません」

と否定されてしまったんだけど。でもそう答える前に少し間があった。




そして、今日も作戦会議なんだけど、参加者がガラリと変わった。近隣の金満国王がペコペコしていたのを見て、流石にスカンディーナの貴族連中が理解したというか、イェルド様が本領発揮したというか、参加者は伯爵以上あとは実働部隊となったのだ。

ニクラス以外は殆ど私の親しいオースティンの人間だ。それで良いのかとも思うが、まあ、全ては能力だ。大国オースティンの優秀な若手を全て引き抜いてきたというかそんな布陣だから仕方がないといえばないけど。



「それでは今後の方針を決めていきたいと思います」

議長で将来のオースティンの宰相候補のイェルド様が会議を始めた。


「スカンディーナ統一作戦ですが、現在我が国は領土に占める割合はまだ、3%です。ドクラス王国の援助が決定しましたので、現在我が国とその間の5伯爵領に手を伸ばそうとしているところです」

「隣のロヴァミエ伯爵領はどうするんだ」

イェルド様の報告にフィル様が聞かれた。

そう、未だに隣のロヴァミエ伯爵領は傘下に入っていないのだ。


「色々調略の手を伸ばしていますが、色よい返事は返ってきておりません」

「いつまでもそのままでは良くはなかろう。隣の伯爵領だし」

「軍事的圧力をかけるならいくらでもかけるが」

クリスティーン様が発言するが、

「ロヴァミエ伯爵は、清廉潔白だと聞いていますから脅しても効果はないと思いますが」

イェルド様が冷静に答えられた。


「攻めると言っても伯爵は軍もうまく把握していると聞くぞ。やるならやるがこちらの損害もある程度覚悟しなければならないだろう」

「伯爵は母とも交友があったと聞きます。ここは思い切って私が乗り込んで交渉しようと思います」

私が発言した。


「はい? アン、それは危険だろう」

フィル様が叫ばれるが

「殿下。王女殿下を呼び捨ては良くないかと」

ルンド先生が注意される。


「アンネローゼ様が直接行かれるのは危険だと思いますが」

慌ててフィル様が言い直す。フィル様もルンド先生は苦手のはずだ。


「でも、伯爵は話せば判ってくれる方だと思うのです。ここは力押しにするよりも、交渉するほうが良いと思うんです」

「しかし、いきなり王女殿下が行かれるのは」

「その方がインパクトは強いと思います」

「しかし、伯爵は今回の我々の動きをオースティンに使嗾された反逆者だと思っているという話ですが」

ルンド先生が発言された。珍しい。言葉遣いを注意する以外に発言するなんて。


「清廉潔白、大義を重んじる性格だからと言われるんでしょう。でも、じゃあ何故母がブルーノに殺された時に何も言わなかったのですか。ブルーノの行いは完全な弑逆です。大義はなかったと思います」

私がそう言うと

「それは・・・・。申し訳ありません。出過ぎたことを申しました」

先生が言葉を詰まらせて謝ってくるんだけど。でもなにか変?


「いずれにせよ、これ以上待てません。私が交渉に赴いてうまく行かなければ攻撃もやむを得ないでしょう」

私は一同を見渡した。


「アンも言う時は言うではないか。私はそれでいいと思うが」

クリスティーン様が最初に賛成してくれた。


「判った。私も同行する」

フィル様が次に頷かれるんだけど。


「しかし、危険です」

「婚約者1人を危険に晒す訳にはいかない。これが最低条件だ」


「1人で行くつもりはないのです。伯爵との交渉には知り合いのルンド先生にもついてきてもらいます」

「えっ」

ルンド先生が驚いた顔をした。


「それは構わないが私は絶対に同行するからな」

「まあ、アンを抑えるにもフィリップ殿下は適任じゃろうて」

ガーブリエル様の一言でフィル様の同行も決定してしまったんだけど。


「まあ、アン、どうしようもなかったらいつもみたいに伯爵邸を破壊しろ。あとの制圧戦は私達がやる」

クリスティーン様はもうやる気満々なんだけど。

いつもみたいにって、まだ、クイバニの時の1回しかやったこと無いわよって小声で言ったら


「何言っているのよ。この屋敷も壊したじゃない」

エルダに言われてしまった。


「あれはブルーノのせいだって」

私が必至に言うが、もう誰も聞いていないんだけど、何か解せぬ!








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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
私の

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『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』

https://book1.adouzi.eu.org/n8311hq/

アンがこの地にアンネローゼ王国を建てる前の物語です。ぜひともお読みください。

私の

一番の

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『悪役令嬢に転生してしまいましたが、前世で出来なかった学園生活を満喫することに忙しいので何もしません』

https://book1.adouzi.eu.org/n3651hp/

第2部

終了しました。

第一部の紹介は
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

この次のお話は

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『推しの悪役令嬢を応援していたら自分がヒロインでした』

https://book1.adouzi.eu.org/n2714ht/

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