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悪役令嬢?何それ美味しいの? 溺愛公爵令嬢は我が道を行く  作者: ひよこ1号


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ステラの成長

翌朝、ステラはやや目を腫らしながらも、すっきりとした笑顔でマリアローゼに挨拶に来た。


「お嬢様、昨晩は申し訳有りませんでした。今日からまたお屋敷で見習いとして頑張って参ります」


「ええ、ステラ。期待しておりますわね」


ステラの挙動に、ルーナとオリーヴェも少し驚いた表情を見せたが、シスネは力強く頷いている。

そして、シスネが申し出た。


「ステラをお屋敷までお送りして来ます」

「シスネさん、ありがとうございます」


早速実践している…!


マリアローゼは笑顔でステラに頷き、ステラも照れ臭そうに小さく頷き返した。



日課も朝食も終えて、ステラとの穏やかな別れの後で、マリアローゼは本と資料を読み漁っていた。

本は魔物に関する書籍で、資料は領地の歴史だ。

部屋からは出られないので、運んでもらって応接間で紅茶とお菓子に囲まれつつ、穏やかな時間を過ごしている。


だが、突然、ドンンッッ という爆発音の様な音と、軽い地響きがした。


「え?何ですの?今のは……?」


驚いたマリアローゼの周囲を固めるように、グランスとウルスス、カンナとユリアが武器に手をかけて側に寄る。


「調べて参ります」


パーウェルがラディアータを伴なって部屋を出て行った。

その後も断続的に、地響きと衝撃音が響いていて、マリアローゼは紅茶を飲みながら周囲に目を配った。


もし襲撃なら、何かしらの報せはありそうなものですけれど。


出て行ったパーウェルは思ったより早く戻って来た。


「問題ありません。ジェレイド様達が闘技場で模擬戦をしているだけのようです」


「えっ?こ、この音が闘技場から??」


模擬戦をしているだけ、て。

だけって言われるような可愛いものではないと思うのだが、同じくそう感じたらしいユリアがしゅばばっと手を上げた。


「ユリア見て来てもいいですか?」

「私も是非見てみたいです」


二人の戦乙女が早くも浮き足立っている。

恋する乙女かと言いたくなるくらいに、頬を染めて興奮気味なのが何だか嘆かわしい。

カンナとユリアに向けて、マリアローゼも頷いた。

大体あんな衝撃音と地響きを轟かせる方が悪いのである。


「是非!わたくしも見てみたいです!!ちょっと行ってちょっと帰るだけですし!敷地内ですから!ね?ね?」


可愛くお願いされて、ユリアとカンナは骨抜きになり、グランスとウルススは困った様にルーナを見た。


「少しだけでございますよ」


結局ルーナもマリアローゼの罠にかかり、一同は急いで闘技場へ向かう。

途中で、執事長のノウェムも合流して、小言を言われるかと思ったが、案内をされて足を運ぶと、剣を手にしたジェレイドが誰かと激戦を繰り広げている。

周囲には魔導師と思しき人々が、結界の強化の為に呪文を行使しているようだった。


ジェレイドは騎士鎧ではなく、身体にピッタリとした黒い装束と片手剣と小盾を装備している。

所々金属と革の鎧が見えるので、分類的には革鎧だろうか?軽鎧だろうか?

魔法剣士に適した装備なのだろうと、マリアローゼは推察した。

剣も盾も良質な銀色の煌きと、所々に嵌った宝石の様な石が光を帯びていた。

アイスブルーの瞳も、少し癖のある銀の髪も、遠目から見るとやはり実の兄であるジェラルドによく似ている。

だが、盛り上がった筋肉は、ジェラルドよりも逞しい。


(お父様よりもすごい筋肉ですわ!)


マリアローゼは大きくあんぐりと口を開けた。


大不人気のジェラルドは意外にマッチョです。

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