表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢?何それ美味しいの? 溺愛公爵令嬢は我が道を行く  作者: ひよこ1号


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

316/377

料理本とケチャップ

部屋に辿り着き、普段着用のドレスに着替えると、ふと気になった事があり、マリアローゼはルーナに問いかけた。


「今日はウルススと、グランスは午後まで練兵場かしら?」

「はい、その様に伺っております。お嬢様がお休みになられた後、カンナさんとユリアさんとパーウェルさんが修練に参られる予定ですね」

「そう…では、折角だからお母様との昼食後に修練を見に行きたいですわ。お食事の間に、修練に参加される方々の為のレモーヌ・ソーダとアクアをお願いしたいのだけれど…」


昨日彼らと話したように、グランスとウルススが修練中に、是非とも練兵場を見てみたかったし、修練の合間に飲むレモーヌ・ソーダとレモーヌ・アクアは美味だろう。

側で控えていた、シスネがルーナの代わりに答えた。


「食事の用意の様子も見て参りますので、用意をするようお伝えして参ります」

「まあ、お願いしますね、シスネ」


にっこりと微笑まれて、シスネはやはり何処かぎこちない雰囲気を漂わせつつ、静かに頭を下げた。


「畏まりました。行って参ります」


この世界には、料理の本がある。

銅版か木版で印刷したであろう本である。

機械化は進んではいないし、貴重な本はまだ手書きによる写本だ。

神聖教の教本が多く普及しているのは、まさにその人力によるものなのだ。

多くの信者や神官が、修行としてまたは奉仕として、写本をするからである。

料理本は目を通したところ、所謂レシピ集であり、世界の菓子や料理だったり、一地方の伝統料理だったり、現代とそんなには変わらない。


変わるとすれば、栄養素や味について触れていないところだ。

こうすれば、これが出来上がります、で終了。

体系的にまとまっていないので、個々の情報でしかない。

つまり、料理人による応用については、その料理人が弟子や子供に伝えない限り立ち消えてしまう。

故に、進化が遅いのだろう。


神聖教が便利な道具や魔法以外の力を封じてきた弊害なのだが、それもまた世界を守っているという一見矛盾している構造なのだ。


ふむぅ、とマリアローゼが考え込み、黙り込んだのを見て、オリーヴェとルーナは目配せをし合って、

部屋の掃除や細々とした用事を片付けていた。


(印刷技術が向上すれば、本になる情報も増えるのでしょうけれど、印刷技術には詳しくないのですわよね…)


とりあえず、どうにもならない事柄には、マリアローゼは蓋をする事にした。

丸投げが出来ない時には、倉庫に放り込むのである。

いずれその魔窟を掃除しなければいけないとしても、今ではない、と堂々と目を逸らした。


(でも、ケチャップはほしいですわね…)


食物に関しては少しばかりこだわりがある幼女なのである。


「そうですわ!ルーナ、わたくし明日にでも朝市に参りますわ!」


黙り込んでいたかと思えば、急にはしゃいだような声を上げるマリアローゼに、ルーナは微笑み返した。


「畏まりました。その様にお手配致します」

「ええ、そうして貰えると嬉しいわ。明日は新しい調味料を作りましょう」

「では、ジェレイド様にお伝えして参ります」


いつの間にか扉の近くで待機していたノクスが、一礼して部屋を出て行く。

続いて、ラディアータもその後に続いた。


「私は執務室まで案内して参ります」

「ええ、お願いね、ラディ」


「あ、……いえ、はい、畏まりました」


突然短く名を呼ばれて、ラディアータは戸惑ったが、体勢を立て直してぺこりと一礼して立ち去った。


「お嬢様、突然愛称で呼ばれるのは…」


とルーナが思わず苦言を呈すると、マリアローゼはふふっと悪戯っぽく微笑んだ。

ルーナはそんな可愛らしい主人の笑顔を見て、自然と笑み返してしまう。


「だってその方が呼びやすいのですもの」

「お嬢様には敵いません。そろそろ、奥様の部屋に移動致しますか?」


マリアローゼはルーナの言葉にきょとんとして、小首を傾げる。

ルーナとマリアローゼは今日城に来たばかりだ。

オリーヴェも屋敷の使用人なので、城の造りまでは把握していないだろう。

疑問に思った事をマリアローゼは口にした。


「でも案内がないと、分からないのではなくて?」

「地図は頭に入っておりますので、今日の移動で少しは把握できたと存じます。奥様の部屋に行くくらいならば問題はないかと」


(い、いつの間に!

スーパーメイド!!)


「素晴らしいわ、ルーナ。それでは参りましょう」

読んでくださり、ありがとうございます。

誤字報告も感謝です。

少しでも、楽しんで頂けたら嬉しいです。

ブクマ・いいね・★もとても嬉しいです。励みになっております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ