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魔剣師の魔剣による魔剣のためのハーレムライフ  作者: 伏(龍)
第3章

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休養と訓練

 5階層の主を倒すことはせずに盗賊達の武器と所持金や使えそうな所持品を回収すると5階層の窓から塔を脱出してギルドへと戻った。

 そこでウィルさんに盗賊の一部が塔にいたことを説明し、兇賊が持っていた武器以外を討伐証明としてギルドに預けた。結果として雑魚の武器ばかりになってしまったので懸賞金としては大した額にはならないだろうがそれはそれで仕方がない。

 兇賊の武器は調べてみたら


『風剣 

ランク: D+

錬成値: MAX  

技能 : 軽量』


 ランクはそこそこだったが軽量化の効果があるらしく同程度の武器と比べても遥かに軽いということが分かった。身体強化で高速で動きまわる兇賊の戦い方にはこの剣が合っていたのだろう。


 俺が使うには少々軽すぎる上に俺には葵と閃斬があるので使い道は無いがトォル辺りが使うにはちょうどいい武器だろうと蛍さんが言うので渋々だが譲ってやることにして持っておく。


 正直シシオウと交換した獅子哮も防御面はともかく気弾は両手に武器を持っている俺には両手を使って放つのはしんどい。もっともリアルかめは○波には興味があるのでいろいろ試してみるつもりである。


 本当なら獅子哮はフレイの戦闘スタイルに合いそうだけど、結局フレイも小剣二本を手に持ちつつ格闘する獣闘剣術でしかも爪が飛び出る独特の手甲を使っているので無理に使わせる必要もないという結論になった。


 ちなみにシシオウはしっかりとギルドに登録していったらしい。まだギルドがここにしかないため機能はしないが各街にギルドが出来ればギルド独自の連絡網を構築して冒険者同士でギルドを介した伝言システムなんかも出来ればいいと考えている。


 例えばフレスベルクで俺がシシオウに連絡が取りたいという伝言を預け、ギルド支部全部でその情報を共有しておいてシシオウがどっかのギルドでカウンターに来た時に俺からの伝言がありますと伝える。みたいな感じである。


 いずれそういった機能が実装されればシシオウをうまく扱き使うことだって出来るかもしれない。


 おっと忘れちゃまずい。シシオウが言っていたフレスベルク強襲計画についても報告しておいた。ウィルさんは驚いていたがすぐに領主へ知らせますと言って職員を走らせていた。この辺も冒険者ギルドのいいところだろう。


 なにか情報を掴んでもいきなり領主の館に駆け込むような探索者はいない。行ってもどうせ信じて貰えないだろうし門前払いが関の山だろう。また探索者達もそう考えているから余計に情報格差が広がる。


 だが、間に冒険者ギルドが入ることで一旦情報をギルドに集めることが出来る。情報の取捨選択はギルドですればいいし緊急時にはすぐに人を集めることも出来る。


 今回の件が塔にいた戦力が減ったことでどうなるかは分からないということもきちんと伝えておいたのでどの程度警戒するかは領主の裁量次第だろう。



 結局俺たちは盗賊の武器は査定の為に預け、魔石だけを売り払って屋敷へと帰った。今日はシスティナの負担が大きかったため夕食は自炊せずに帰りにパン屋や屋台などですぐに食べられるものを買い込んだ。


 システィナは恐縮していたが、傷こそなくても結構な出血があったし魔力もほとんど使い切っているはずなので無理はさせられない。


 皆で食事を摂った後、今日は塔の戦いで鬱屈していたため露天風呂で疲れを癒して早めに寝室へ移動するが今日はシスティナはお休みにして私室の方で休ませた。夜間の見張りも当然免除である。


 システィナは大丈夫だと言い張っていたし、寂しそうだったが私室のベッドに寝かせて眠るまで傍にいるからと説得したら納得してくれた。と言っても付き添っていたのは5分にも満たなかったのでやはりいろいろ限界だったのだろう。


 という訳で今日は蛍さんと桜と3人。2人共刀娘でタフなので錬成のためにも遠慮なく魔精変換を使って楽しむ。


 特に蛍さんは念入りに錬成した。桜がにやにやしながら『ソウ様、あせっちゃってかわいい~』とからかわれてしまったが今まで誰かが俺の下を離れると言う可能性を全く考えていなかったので想像以上に動揺してしまったらしい。


 もし誰かが俺よりも大切な人を見つけてしまったら俺は彼女たちを手放せるのか……そんなことをポツリと漏らしたら蛍さんと桜に拳骨を貰った上に葵が『重結の腕輪』にとんでもない程の加重を掛けてきた。そんなことはあり得ないということらしい。


 俺は素直に3人に謝罪して心地良い疲労感の中眠りに落ちていく。




『蛍ねぇがあんなやつ見逃すからソウ様があんな不安になるんだよ』

『そうですわ!主殿の刀としての自覚が足りませんのじゃないこと!』

『そうだな…済まなかった。確かに軽率だったかもしれんな。まさかソウジロウがそんなに動揺するとは思っていなかった。我らは想像以上にソウジロウに大切にされていたのだな』

『蛍ねぇらしくないなぁ。ソウ様のことは私達より知ってるはずなのに』

『うむ…そうだ。そうだったな。これからも我らでソウジロウを支えて行かなくてはな』

『当り前ですわ!』

『うん!任せといて!』


 まどろみの中聞こえた声、髪を撫でる暖かい手を感じながら満たされた気分で完全に意識を手放した。






 それから3日間は基本は休養と訓練。ギルドへは毎日行って情報収集をする。剣聖の弟子に伝言を残し屋敷を訪れたトォルに風剣を嫌々渡してやったら狂喜乱舞していたのが気持ち悪かった。


 装備重量が大幅に軽減されたため軽装剣士としてのスペックが底上げされたらしいが別にどうでもいい。まあフレイとアーリの負担と危険が減るならそれはそれでいいことだが。 


 訓練は中庭で蛍さんと桜を相手に2対1でひたすら模擬戦闘を繰り返した。おかげで1剣1刀の戦い方も大分様になってきた気がする。

 中でも獅子哮の防御力がかなり高いのが有難かった。普通に盾を持っているかのような安定感がある。物理防護+にもなると武器受けした時の衝撃すら大分軽減されるらしく対人戦では特に有効だと思われた。

 

 例の気弾に関してはやはり獅子の上顎を意匠した右手の手甲と下顎を意匠した左の手甲を口の形に合わせることが必須なので両手に武器を掴んだままでは使いづらいという結論になった。


 ただ打ち合いの最中などに使うのは無理だが間合いが空いたとき時に奇襲で使うことも出来るし、武器を一本鞘に戻せば使いやすさは格段に上がるので戦闘の幅が広がることは間違いない。


 一応リュスティラさんに事の経過を報告に行ったが気にするなと笑って言ってくれた上に俺の手にぴったり合うように調整もしてくれた。ドロップ品の装備にはいろいろ謎が多いらしい。直に調べられるだけでもかなり貴重なことのようで今後も機会があれば見せて欲しいと頼まれた。


 感謝の気持ちを込めて落ち着いたら我が家に泊まりに来てくれるように招待しておいた。システィナの美味しい食事と夜の露天風呂を是非2人に味わってほしい。ただしばらくは赤い流星の襲撃を警戒しなくてはならないのでこちらが落ち着いたらまた声を掛けることにした。


 フレスベルクの方はウィルさんから報告を受けた領主がさっそく対応を始めていた。コロニ村に向かった部隊は既に戻っており、コロニ村には復興用の人員が代わりに向かっている。


 警備隊が完全に戻ったので街の中や周囲を複数人で組んで巡回させている。実際の効果は分からないがもともと人数的には無謀な計画だから偵察にきた盗賊に街が警戒態勢にあるということを見せておくだけである程度意味があるということらしい。


 となると赤い流星としては収入が確保出来なくなり、今まで強奪したものが尽きる前にまた移動するなりしなければならないのではないのだろうか。ただ、その気になればパクリット山には獣も食べれる食材もたくさんあるので生きていくだけなら困らない。フレスベルク近辺はあまり寒くなるような日も無いようでこのまま山に居つかれる可能性もある。


 だが、向こうにしてみればディアゴが消息を絶ってから3日。そろそろ何かあったと見切りをつける頃でなんらかの動きがあるかもしれない。


 桜に度々山中を索敵して貰っているが、そんなに遠くに行く訳にもいかない上に範囲が広すぎて盗賊達を見つけ出すのは難航している。


 あっ、桜と言えば毎日の精気錬成が実を結びランクがB+に上がった。隠形と火魔法が+になって桜曰く斬れ味も増した気がするらしい。


桜  ランク:B+

錬成値 31

吸精値 2


技能:

共感

意思疎通

擬人化

気配察知

隠形+

敏捷補正+

命中補正

魔力補正

火魔法+


 何があるか分からないこの時期に少しでも戦力が上がるのは心強い。


 そして状況に変化があったのは思ったよりも早く塔でディアゴを倒してから4日目の夜だった。

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