領主会議へ
それから、俺たちは領主会議までの日を久しぶりにまったりと過ごした。訓練と素材集めを兼ねた塔の攻略がメインだったが、グリィンに無理矢理遠乗りに連れていかれたり、錬成したり、レイトークに泳ぎにいったり、錬成したり、裏の川に釣りにいったり、錬成したり、山に狩りにいって狩った獣を庭でバーベキューしたり、錬成したりした。
うん、こういう生活がしたかったんだよ。思えばこっちにきてから慌ただしすぎたんだ。これで領主会議さえさくっと終わってしまえば、アイテムボックスと新防具の利権でお金にも困らなくなるから、こんな生活をずっと続けていくこともできる。その生活の中でザチルの塔を上っていけばいい。現状はまだ二十階層だけど、上にいけばいくほど魔物がうなぎのぼりに強くなるというわけでもないらしいし、皆がいればもっと上にいけるはずだ。
「ソウジロウ、同行者は本当にこのメンバーでいいのか?」
「たぶん大丈夫、情報を公開する条件として事前に領主たちと【契約】する予定らしいからね。いくら欲に目がくらんでも侍祭との契約を正面から破ろうとする人はこの世界にはいないんじゃないかな」
今日の領主会議で情報を公開するにあたり、ベイス商会とディランさんたちの工房から侍祭の協力が欲しいということで俺とシスティナは出席が確定している。
ことが莫大な利益に絡むため、本来なら用心のためにボディガード的な存在が必要なのかなというところだが、今回は発案者としては紹介されず、あくまでも雇われ侍祭とその契約者という形での参加にしてもらったので俺たちふたりにはさほど危険はないと思う。
さらに情報公開後に製法をめぐっての不法な手段の行使については、【契約】でちょっと厳しめに縛るから護衛が必要な事態にはならないはずだ。
「一応、桜には一緒に来てもらおうかなとは思っているけど」
「ソウ様がご指名してくれるなら、もちろん桜はおともするけど、どうせいくなら姿を隠してついていったほうがいろいろ調べられていいかも?」
「なるほど……それならいっそ、皆でいこうか。蛍とメリスティアは俺たちの護衛、葵はディランさんとリュスティラさんについてもらって、雪はアノークさんとウィルさんについてもらおう。議場の中には入れないだろうけど、近くにいてくれれば何かあっても安心だしね。桜は周辺の警戒と情報収集をお願いするってことで」
「うむ、それなら妥当だな。今まで出会った領主は、レイトークもフレスベルクも領主の器量は悪くなかったが、権力者など基本的に腹の黒い奴らばかりだ。警戒しておくにこしたことはない」
長い時間を生きてきた蛍さんの言葉には重みがある。よほど権力者たちの汚い部分を見てきたのだろう。蛍の言葉に頷いているところを見ると、その点については葵も雪も同意見らしい。
まあ、俺たちに関してはアイテムボックスで武器も持ち込めるし、俺は魔石ボタン装着済みの学生服を着ていくし、システィナも試作段階の『防護服』(仮名)をローブの下に着こんでいくから、万が一荒事になっても十分に対処できる。
「でもソウジさん、私の契約を破棄した『破約の護符』みたいなアイテムを持っている相手がいたらどうするんですか?」
メリスティアの疑問はもっともだ。ひとつあった以上はもうひとつ同じものがないとは限らないし、同じような効果を持つ道具がないとも限らない。
「そのへんは【契約】の内容をちょっと調整しようと思ってる。【契約】が破棄されたときは、誰の【契約】が、いつ破棄されたかを、その【契約】を行使した侍祭に連絡がくるようにね」
「さすがソウジさんですね。侍祭の【契約】はある程度定型ですけど、ソウジさんの力があればそんな使い方もできるんですね」
実は侍祭契約に使う契約書にはある程度定型の書式があって、それから大きく逸脱するような契約は難しいらしい。シシオウのときのような『~するな』という条件を箇条書きで加えていく形は簡単だが、あくまでルールと罰則を決める範囲内。つまり【契約】は約束を監視して罰則を執行する以外のことをしない。例外は契約が完了したときは白く、罰則が執行されたときは赤く光りながら契約書が消滅することだけ。
だが、今回俺が考えているのは【契約】に『監視』、『執行』のほかにもっと能動的な『報告』をさせようというものだ。新しい試みのうえに、いまの俺たちには強制的に【契約】を破棄する方法がないから確認はできていないが、たぶん今までの経験上【読解】で一文を書き加えれば問題なく機能すると思っている。
「よし、じゃあそろそろいこうか。霞、陽、一狼、留守を頼むね」
「はい、旦那様」
「了解です、兄様」
『お任せください、我が主』
留守番組に声をかけて屋敷をでる。たまたまだったのか、今回の報告のことがあったからなのかは知らないが、今日行われる領主会議の会場はフレスベルクの領主館らしいので、道に悩むことはないし、時間に遅れることもない。
「葵はディランさんたちをよろしく」
「かしこまりましたわ」
葵が先行して走っていく。出発前に合流して護衛についてくれるのだろう。
「……私もいく」
「うん、ありがとう雪。今日はウィルさんもベイス商会本社にいるはずだからそっちへお願いできる?」
こくりと頷いた雪もあっという間に姿が見えなくなる。
「じゃあ、桜も先にいって潜入してようかな?」
「いいけど、見つかったりして問題にならないようにね」
「大丈夫だと思うけど……一応ルスターのおっちゃんにだけは伝えておくようにするね」
「了解、別にいまのところ敵対しているわけじゃないんだから深入りは不要だよ。気を付けて」
「は~い」
桜も見送ってしまうとこの場に残ったのは侍祭のふたりと蛍だけ。俺たちの出番は領主会議のメインの議題である政治的な話が終わったあとだ。だいたい夕方くらいになると言われていたから、俺たちは昼下がりにのんびりと屋敷を出た。
「まあ、なんにもないとは思うけどね」
「用心にこしたことはあるまい。馬鹿な奴はどこにでもいるからな」
「侍祭の【契約】も強制力は強いですが、突き詰めれば文字による契約ですから、穴がないとは言い切れません」
蛍もシスティナも、俺ほど楽観的に考えてはいないみたいだ。でも、未知の技術で作り出された、ものすごい便利グッズ。その製法を知る人をどうこうしようなんて考えるのは、渡された道具を自分たちでひとまず研究しつくしてからなんじゃないかな。だからそれまでは危険はないと思うんだけど……。
とりあえずこの会議で俺ができることは各町の領主の顔と態度を見て、どんな人なのかを確認する人間観察だけだ。さらに【簡易鑑定】も併用して『業』の値を確認しておくくらいだろう。
領主館に到着すると、いつもは門の前に門番がふたりほど立っているだけなのに、今日は館の周囲が異常に物々しかった。各領主の警護の兵と思われるいろいろな格好をした人間が館の周囲をうろついている。しかも当然これだけじゃなくて、敷地の中にもそれなりにいるとすれば……結構な人数になりそうだ。
まあ、領主と呼ばれるやつらが…………あれ? 何人だったっけ。とにかくたくさん来るわけだからそれなりに大所帯になるのは当たり前だ。
いまの領主館付近を女づれでただうろついているように見える俺は、護衛の奴らにしてみれば明らかに不審人物に見えるんだろう。近くにいる護衛が俺を胡散臭げに睨みつけてくる。別にいまさらガン付けられたくらいで喧嘩するつもりはないが、この雰囲気で中に入れてもらえるのだろうか……めんどくさいから、いっそのこと帰っちゃう?
「フジノミヤ殿」
と、思ったらちょうど雪を連れたアノークさんに声をかけられた。
「アノークさん、ご無沙汰しています。今回の件ではいろいろご面倒をおかけしてすみません」
「なにをいっているフジノミヤ殿。今回の件はベイス商会にとっても大きな商機。例のものの流通管理をベイス商会に任せてくれたこと決して後悔させませんぞ」
「はい、よろしくお願いいたします。それはそうとウィルさんは一緒じゃないんですか?」
「うむ、ウィルマークは冒険者ギルドの件で改めて領主たちに説明を求められてな。一足先に午前の会議から出席している」
なるほど、確かに冒険者ギルドという制度はこれまでの探索者の在り様を根底から覆す制度だ。塔の管理をするうえで探索者たちの力をあてにせざる得ない領主たちからすれば、ちゃんとした説明を聞きたいのだろう。フレスベルクについては立ち上げの際にかなり詳しい話を領主であるセイラとしたみたいだが、主塔を要する他の街については少しでも早く支部を作るために、ざっくりと『探索者を支援する組織を作ったので支部を置かせてもらいたい』程度の報告しかしていないらしい。
おそらく最初は各領主たちも自分たちの金を使わずに勝手に探索者を支援してくれるなら、勝手にどうぞという感じだったのだろう。だが、探索者が冒険者となり、冒険者たちがギルドの有益さに気が付き冒険者ギルドが広まると、瞬く間に冒険者が得た素材や魔石は冒険者ギルドがほぼ一括して売買するという形が定着してしまった。
そうなると領主としては焦る。自分の街が管理する塔から得られる魔石のほとんどを冒険者ギルドに握られてしまうからだ。勿論、冒険者ギルドには魔石を買い占めて高値で売りつけるような真似をするつもりはない。むしろ全ての素材や魔石を相場に基づいた値段でやりとりすることで、誰でも安定した値段で魔石や素材を入手することができるようになった。それは魔石を必要とする人たちにとっても良いことであり、困るのは今まで探索者の足元を見て魔石や素材を買いたたいていた悪徳業者くらいのもの。そして、正しい取引は数をこなせばこなすほど確実に儲かる。
「そうなってくると、領主としてはその利権に絡みたくなるようでしてな。ウィルマークに説明をさせるという名目で領主会議に召し出して、なにかしらうまい汁を吸おうというのが目的でしょう」
「それって大丈夫なんですか?」
ウィルさんの現状を説明してくれたアノークさんが笑いながら手を振る。
「問題ありませんとも。ウィルマークならうまくやるでしょう。落としどころとしては冒険者たちの税の軽減などの特典を認めさせるかわりにギルドの収益の一部を税として納めるというところだろうと思います。領主たちもこの短い期間に塔へと赴く冒険者が増えたのを実感しているでしょうから、いま冒険者ギルドに過度な干渉をして冒険者ギルドに撤退されたら自分たちの首を絞めることになるというのはわかっているでしょう」
「それなら安心しました」
俺が安堵の息を漏らすのを見て微笑んだアノークさんは、門番に身分を明かし扉を開けさせると俺を館の中へと先導してくれた。
「さて、私たちも行きましょう。今回のフジノミヤ殿の役回りはシスティナ殿の契約者としてだけですから見学だけみたいなものでしょうが」
「私みたいな若輩者が海千山千の領主たちと議論するなんてとんでもないですよ。システィナには面倒をかけますけど、見学だけでいいのでほっとしています」
「ソウジロウ様、面倒だなんてそんな。侍祭として当然のことですから」
「はははは! フジノミヤ殿らしいですな。あ、それと私どものために雪殿のような凄腕の護衛まで付けていただけるとは本当にありがたいことです」
「必要ないとは思ったのですが」
もし、本当に馬鹿なことを考えるような奴がいたとしても実行に移すのは帰り道だろう。勿論、今日は帰り道もそれぞれ護衛をしてもらう予定だが、見る者が見れば刀娘たちの強さは戦わなくてもわかる。雪や葵が近くに控えていることを見せつけておけば、変な考えを起こすのを抑制できるかもと思っただけで、実際に効果が本当にあるかどうかもわからない。でも、ウィルさんたちやリュスティラさんたちになにかあったら嫌だからできることはしておこう程度のものだ。
『ということで頼むね、雪』
『……ん、任せる』
頼もしい雪の返答。うん、これならなにかあっても大丈夫だ。リュスティラさんたちもすでに到着しているらしく、パーティリングによる葵の反応はすでに館の中だ。技師夫妻についてはディランさん自身がかなり強いと見ているし、例の魔力で防御力を上げる服も着ているはずだからめったなことはないと思うけどね。
アノークさんに連れられて中に入ると、控室として準備されていた部屋に案内される。領主会議自体は前の議題がもう少しかかるようでしばらく待機を指示された。
部屋はそれなりに広く、もともと応接室のような部屋らしい。壁には高尚そうな絵画が掛けてあり、質のいいローテーブルとソファーが中央にセットで置かれている。
さらには壁際に備え付けられたテーブルには、飲み物の入った陶器の入れ物が氷の入った器に沈められ、その隣にはピカピカに磨かれた杯がいくつか一緒に並べられている。領主たちの側近の護衛たちには別の部屋があてがわれているようで、この部屋は今回のアイテムボックスの関係者だけの専用らしい。
部屋の中には、リュスティラさん、ディランさん、葵がすでに到着していてソファーでくつろぎ、リュスティラさんがどっしりとソファーに深く腰掛け、脚を組んだ状態で飲み物の入った杯を俺に掲げて挨拶をしてくる。さすがにいつもの手足を剥き出しにした格好ではなく男装の麗人風の服を着ているが、態度まで改めるつもりはまったくないらしく、わずかな緊張もなくこの空間を楽しんでいるようだ。
俺も手をあげてリュスティラさんに挨拶を返すと空いていたソファーにアノークさんと腰を下ろす。システィナとメリスティアは俺が何も言っていないのにすっと動いて俺とアノークさんの分の飲み物を用意してテーブルに運んでくれた。
「ありがとうシスティナ、メリスティア。呼ばれるまでは自由にしてていいよ、蛍、雪、葵もね」
「「はい、承知しました」」
「私の出番はなさそうだしな、そうさせてもらおう。気配を探るとなかなかの強者もそこかしこにいるようで、腕がうずくのが困ったものだが」
「……ん、手合わせしたい」
物騒な笑みを浮かべながら壁際のソファーに腰を下ろした蛍と雪は、蛍がアイテムボックスから取り出した酒をふたりで飲み始める。飲んでてもいいけど、領主の護衛たち相手に喧嘩の売買だけはくれぐれもやめて欲しい。
「主殿、わたくしはディランさんたちと作成者のひとりとして会議に出席しようと思いますわ」
「え?」
思いがけない申し出に大丈夫なのかとディランさんに視線を送るが、ディランさんは問題ないとばかりに頷くだけだった。
「まあ、いまとなっちゃ葵もうちの準職員みたいなもんだしね。アイテムボックスだって彼女がいなかったら、さすがの旦那でも完成にはもっと時間がかかったはずさ」
「それもありますが、職人のひとりとして会議に出席すれば主殿の近くにいられますわ」
……ただ待っているよりは暇つぶしになるか。蛍と葵を同じ部屋に閉じ込めておくのも怖いしな。
「同席するのはいいけど、大人しくしててよ」
「勿論ですわ、どこぞの山猿とは育ちが違いますから」
「ふん! ただ無駄にほこりをかぶっていただけの年増がなにを偉そうに」
「なんですって!」
「ふん! やるか?」
「あぁもう! はいはい! ふたりともそこまで。こんなところで騒いで周囲を刺激されると困る。帰るまでは口喧嘩も禁止!」
いつものやりとりが始まりそうになったところで強引に仲裁に入る。意味もなく騒いで、それを変に誤解されたら追い出されてしまう可能性だってある。
その後は特に問題もなく、アノークさんやディランさんたちと報告の進め方や、各領主たちがどんな人なのかという話を聞いて時間を潰していると、システィナたちに入れてもらった飲み物が空になるころドアがノックされた。
「いよいよですな。領主たちの驚く顔が楽しみですね、ディラン殿」
「ふん」
微笑みを浮かべるアノークさんに、鼻を鳴らして応えるディランさんだが、その表情は自信に満ちていてアノークさんと同じ気持ちだということがわかる。間違いなく後世に残るアイテムを自分たちが作った。そしてそれをやっと世間に知らしめることができる。それはまさに職人冥利に尽きるといっていい、いまのアイテムボックスに満足しているわけではないみたいだけど、やはり嬉しいんだろう。
「それでは会議室にお願いいたします」
ドアを開けた執事風の老紳士が俺たちを先導してくれる。アノークさんと俺を先頭に、葵、システィナ、ディランさん、リュスティラさんの順だ。
執事は俺たちを両開きの大きな扉の前へと案内すると、丁寧に頭を下げて道を譲る。それを引き継いだのはなんと、扉の前で警護についていた遊撃隊隊長ルスターと、強襲隊隊長ガストンだ。ふたりは俺たちを一瞥すると、それぞれがノブを掴んで扉を開けてくれた。隊長ふたりが扉を開けてくれて、そこを通っていくなんてどこの貴族様だと思わなくもないが……気にしたら緊張してしまうので、なるべく平静を装って心もちゆっくりと歩くようにする。俺は緊張すると早足になりがちだから、あたふたしたみっともない姿を領主たちには見せたくない。
『あれ? 葵、リュスティラさんたちは?』
『わたくしたちはもう少しあとの入場ですわ』
どうやら技師組は後から入ってくるらしく、扉の外でしばらく待機するようだ。
通された部屋はとても広く、中心部に部屋の三分の二を占めそうな大きな四角いテーブルがある。そのテーブル一辺に、大きめの椅子がゆったりと三つずつ並んでいる。奥の壁側の三席が空席で残りの椅子には老若男女、様々な人たちが座っているようだ。
奥の壁にはこの世界での黒板のようなものがあり、さっきまでウィルさんが説明していたと思われる冒険者ギルドについての内容が記載されていた。ざっと内容を確認する限り、さっきアノークさんが予想していた通りの流れで話がまとまったらしい。今の段階なら、領主と協力関係にあるとという事実だけで十分。あとは冒険者ギルドの有益性が一般的になっていけば、さらに強気の交渉ができるようになるだろう。
俺たちは中にいた侍女兼ウェイトレスな感じの女の子に奥の席へと誘導され、真ん中にアノークさん、左隣に俺が座る。そして、俺の後ろにシスティナが立つ。そこで初めて各領主たちの顔を見る。だが、領主たちは俺たちが入ってきて席に着くまでの間、俺たちにまったく注意を向けることなはなかった。思い思いに寛ぎ、近くの領主と談笑したりしている。おそらく前の議題が終わって、いまは休憩中ってところか。
それに……たぶんだけど、この最後の議題について領主たちはまったく重要視していない気がする。今回の発議はフレスベルク領主のセイラからということになっている。セイラはまだ若い上に女で経験も少ない。だから領主たちの中では軽く見られがちだとさっきアノークさんも言っていた。だから、この最後の議題もおまけの余興みたいに感じているんじゃないかな?
まあ、いいさ。俺たちが作り上げたアイテムボックスを見てもその態度が続けられるかどうか見てやろうじゃないか。思わずこぼれる悪い笑みを見ていたセイラが、俺の心情を察したのかくすくすと笑っている。そんなセイラに視線を送って会議の開始を促すと、セイラが小さく頷いて立ち上がる。
さあ、開戦だ!




