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魔剣師の魔剣による魔剣のためのハーレムライフ  作者: 伏(龍)
第4.5章

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記念SS 我が友に捧ぐ

「バクゥ! 俺は探索者になる!」


「……ちょっと待て、トォル。探索者はそんな簡単なものじゃない」


 俺が村で探索者になることを宣言した時、バクゥは眉1つ動かさずに低い声でそう言った。村でも断トツに身体が大きく武骨な顔立ちのバクゥがそんな声を出したらよく知らない奴はびびって腰が引けるレベルだが幼馴染の俺には関係ない。


 だが、その時の俺はバクゥが言っていることの本当の意味が分かっていなかった。


「アーリも一緒だぜ! なんか気持ち悪いやつと結婚させられそうなんだってさ。じゃあ一緒に行こうぜって言ったら、即答で行くってよ」


「なんだと? …………はぁ、分かった。じゃあ俺も行く、お前たちだけじゃ不安しかないからな」


「へへ……そう言ってくれると思ったぜバクゥ!」


 俺とバクゥはもう随分前に近くの森から魔物が溢れた時に両親を失っていたから特に引き止められることは無い。っていうか別に出発を告げる相手もいなかったから、村に帰ってくるつもりはなかった。身の回りの物の整理をして、アーリが家を抜け出せたタイミングですぐに旅立った。


 旅立ってみてバクゥの言っていたことがほんの少し理解出来た。なんの心得もない田舎の出の俺達が簡単に一攫千金なんか狙えるはずもなかった。


 持っていたのは僅かな金と、粗末な装備のみ。


 野営の仕方や周囲の警戒などのやり方はなぜかバクゥが知っていた。それでもたまに出てくる魔物と戦ったり、盗賊の噂を聞いて道を変更したり、食糧がなくなり野草だけで飢えを凌いだり……大変な思いをしながらやっと小さな副塔のあるダマというちょっと大きめの村みたいな町に着くことが出来た。


 しかし、そこでも俺達を待っていたのは、俺たちの未熟さと現実の厳しさだった。


 まず、戦闘はほぼバクゥに頼りきりだった。俺やアーリも訓練はしていたが、当時の俺は奮発した鉄の胸当てと手甲を装備していたから動きは鈍重だったし、アーリも基本的な筋力が足りていなかったから牽制以上の働きが出来なかった。

 

 副塔の魔物は俺達でもなんとか勝てる程度の強さだったが、しょせんはそれなり。そんな魔物から得られる魔石の売却額では俺達3人の日々の暮らしで精一杯だった。


 それでも、俺は幼馴染のバクゥとアーリと一緒に探索者を出来ることが楽しかったんだ。うまいものも食えず、宿だって汚い部屋ばかりの安宿だったけどな。

 そんな俺を基本的に感情をあまり表に出さないアーリは静かに見ていたし、バクゥも苦笑はしつつも何も言うことはなかった。だから、俺は2人も同じ気持ちだと思ってたんだ。


 バクゥが俺達3人での探索に限界を感じていたことも、アーリがバクゥと共にいれさえすれば危険な戦闘を望んでいないことにも全く気が付かなかった。


 その後、俺たちはダマでの探索に限界を感じて商隊の護衛を引き受ける形でダマを出た。と言っても報酬は朝晩の食事だけ、本来の護衛達の雑用をするだけの護衛だ。

 夜間の見張りは一番きつい時間帯を割り振られたし、水場での水汲み、薪拾いから護衛達の装備の手入れまでやらされた。

 それでも俺たちの実力で安全に街道を移動するにはこいつらについていくのが一番確実だったんだ。悔しいが言われるがままに働いたっけな……そして、この話をいつの間にかまとめてきたのもバクゥだった。


 そうやって辿り着いたレイトークで俺達は主塔に入るようになった。だが、主塔はさすがに広かった。ただなんとなく歩き回っても1階層は人も多く、魔物となかなか出会えない日も多かった。


 それでも魔物と戦わなくては宿にも泊まれない。1日歩きつめて出会った魔物を疲れた体でなんとか倒す。落とした魔石を売った金で回復薬を補い、残った金で一番の安宿に泊まる。儲けの少ない日は2食付で泊まれずに夕食だけの日も多かった。


 いつも狭い部屋に3人で泊まっていたから、女1人のアーリはきっと気を抜けない日々だったろうな……今ならそんな簡単なことに当たり前のように気が付けるんだが、当時は余裕がなさ過ぎて気が付かなかった。

 バクゥがたまには2部屋とろうと言っていたのを金がもったいねぇと一蹴していたあの時の俺を力いっぱい殴ってやりたい。


 そんな綱渡りの日々の中でも、バクゥとアーリのおかげで本当に少しずつ俺達は成長していった。今までは安全重視で1階層だけと決めて戦って来たがそろそろ2階層を目指してもいいんじゃないか……そんなことを話しあえるくらいになっていた。


 そして……あの日が来たんだ。



 俺達はいつものようになるべく人の少ない朝の時間を利用して塔に向かった。すると塔のロビーで俺達と同じように人の少ない時間帯を狙っているような探索者達が沸いていた。


 近くにいた奴に話を聞いてみると、どうやら1階層の難易度が下がっているらしいとのことだった。魔物との遭遇率がかなり下がっていて、階層主も比較的ランクの低い魔物が出てきているらしく1階層で燻っていた探索者達がどんどんと2階層へと上がっているらしい。


「バクゥ! これは俺達もいい機会なんじゃねぇか! ちょうど2階層を目指そうかとしていた時だしよ」


 その話を聞いた俺はいきりたった。最近は1階層でうまく戦えているという感触もあった。なにより、自分達で1つの階層を突破するという実績が欲しかったんだ。村を出てから日々の生活に精一杯で何一つ探索者らしい成果を上げてなかったからな。


「…………なんとなく嫌な予感がする。もう少し様子を見るべきだ」


 だが、バクゥは腕を組んで考え込んだ後、首を横に振ったんだ。


「なんでだ! こんな機会もうないかもしれないぜ! 魔物に遭わないってことは無駄な戦闘をしなくてすむし、怪我もしないから回復薬も使わずに済む。階層主との戦いに全力を尽くせるじゃねぇか!」


「…………」


「それに、階層主の情報もちゃんと集めてある。可能性がありそうな魔物についてはどれも戦い方は検討済みだろう? 行こうぜバクゥ!」


 結局、俺はバクゥの予感を勢いで押し切ってしまった。だが、塔に入ってみると確かに魔物はいなかった。主の間までの道順も既に調査済みだったし、一度の戦闘もせずになんの問題もなく主の間まで到達することが出来たんだ。


「見ろよバクゥ! 前の奴らが戦ってるのはタワーウルフの上位種のタワーファングだ。俺達が想定していた主の中で一番楽勝だと思ってた階層主だぜ」


 階層主と戦っているパーティが助けを求めない限り横やりを入れないというのは探索者同士での暗黙の了解だ。俺達は静かに戦いが終わるのを待った。

 俺達の前に戦っていた奴らは、自惚れじゃなく俺達よりも未熟な感じのする探索者だったから俺はすっかり安心して塔に入る前にバクゥが感じていた嫌な予感の話をすっかり忘れていたんだ。


 やがて、前のパーティはタワーファングをなんとか倒して歓喜しながら揚々と2階層へと上がっていった。


「よっしゃ! 次は俺達の番だ! バクゥ! 予定通り、湧いた直後を狙って先制攻撃をする作戦でいいんだよな」


「……ああ」


 どこか煮え切らないバクゥの背中を俺は苦笑しながら叩き、静かに成り行きを見守っているアーリに微笑みかけると主の間へと踏み込んだんだ。


 初めて入る主の間はがらんとした空間に見えた。柱もない大きな円形状の広間はどこか寒々としていて思わず鳥肌が立つ。


 中央付近まで辿りつき、主が湧くまでの間を装備の確認や身体をほぐすのに使う。落ち着いて戦えば問題なく勝てる。最悪、主の間から逃げれば階層主は追って来ないというのも常識だ。なんの問題もない……はずだった。




「来たぜ!」


 天井(・・)から滲み出るように姿を見せつつある階層主に俺達は武器を抜いて先制の攻撃を与えるべく構える。


「……待て。なんかおかしい。階層主は床から現れるはずだ!」


 へ? そうだったっけ? だけど上から出ようが下から出ようが特に問題はない。出て来たと同時に……ど、同時……に……


 天井から出て来た階層主の全身を見た俺は……そのあまりの大きさと威圧感に気圧され恐怖の為に腰を抜かしていた。


 隣を見ればアーリも歯をカチカチと鳴らしながらへたり込んでいる。俺達は一目で分かってしまった……俺達には絶対に勝てない魔物だと。


 その緑色の鱗に覆われた巨体と大きな2本の鎌……無機質な光を放つかのような眼。俺は死を覚悟し頭の中が恐怖を通り越して白一色になっていた。情けないことに涙目で震えながら無意識の防衛本能で後ずさるだけ……


 そんな俺の視界にいた鎌のような手を持った竜はその右鎌をゆっくりと振り上げようとしていた。


「馬鹿野郎! 走れ! 逃げるんだ!」


「いてぇ!」

「きゃぁ!」


 思考停止していた俺とアーリを正気に戻したのはバクゥの怒鳴り声と蹴られた尻の痛みだった。


「早く後ろに走るんだ! 部屋を出ればこいつは追って来れない! 打ち合わせたとおりだ!」

 

 俺達の前で両手剣を構えたバクゥが叫ぶ。


「わわわ、わかった! アーリ! 行くぞ!」


 なんとか正気を取り戻した俺は、すぐに起き上がりアーリに手を貸すと振り向いて走り出す。だが、未だに震えの止まらない俺とアーリの足は全然思うように動いてくれない。


「バクゥ! お前も!」


「すぐ行く! ぐあぁ!」


「バクゥ!」


 叫び返してきたバクゥの声に呻きが混じるのを聞き、僅かに振り返ると鎌の一撃を受け止めた両手剣が弾き飛ばされたところだった。


「構うな! 行け! 後ろを振り返るなよ!」


 バクゥは武器を失いながらも小刻みに動きながら竜を牽制しつつ腰の袋から何かを取り出そうとしていた。確かバクゥには野営用の小さな属性魔石をいくつか預けてあった。


 そんなことを思い出した途端、強烈な光が目を灼いた。


 グギャァァァァ


「トォル! こっち」


 だから、バクゥは振り返るなって言ったのか。視界を奪われた俺はアーリの先導に従って足を進める。バクゥは魔法こそ使えないが、魔力量と魔力の扱いについては才能があるかもしれないと護衛に同行した探索者に言われていた。

 

 おそらくその魔力で光属性の魔石を過剰反応させたんだ。それで一度野営の時に魔石をダメにしていた。あの時は魔力の扱いに慣れてなくて偶然だったけど、今回は狙ってやったんだろう。あいつはスゲェやつだ! あの状況で怯えもせず、咄嗟の機転でそんなことまでやれちまう。


「バクゥ! お前も早く逃げろ!」


 まだ視力が戻り切らない目を薄く開けて叫びながら必死に脚を動かす。だが、中央付近に陣取っていた俺達が主の間から出るまでの距離はようやく半分だった。


 くそ! くそ! 俺が、俺がもっと慎重だったなら! バクゥの言うことをちゃんと聞いていれば! 俺は……俺は何でもできるバクゥに嫉妬していたんだ! そして……


「バクゥ! 早く! 早く逃げて!」


 いつも冷静で声を荒げることのないアーリ。知らぬ相手との結婚を拒否したアーリ。バクゥも一緒だからと騙して家から逃げ出すことを決心させた。

 俺は……俺は、最低だ! 結局アーリを危険に晒している!


 とにかく今は足手まといの俺達が一度安全圏へ出ることがバクゥを助けることになる。


 ようやく震えの治まった足を動かす。同時に背後で爆音、次いで爆風、その音に混じるように竜の咆哮。


「あの馬鹿! 火魔石まで……」


 爆風に煽られるように吹き飛ばされた俺達の着地した場所……


「いててて……こ、ここは! やった! 主の間から出た!」


「バクゥ!」


 自分が助かったことに安堵する俺とは違い、主の間に戻らんばかりに身を乗り出して叫ぶアーリ…………く、本当に俺って奴は情けねぇ。


「バクゥ! 来い!」


 俺は握ったままだったロングソードを持って主の間に向かう。場合によってはバクゥを助けに行く。


 バクゥは走っていた。だが、さっきの爆発でいろいろダメージを受けたのか右腕を押さえ、若干左足の動きがおかしい。そのバクゥを追ってくる竜は2度のバクゥの奇策に怒りを感じているらしくその眼は血走っているように見える。


「間に合わねぇ! アーリはここにいろ! 俺が行く!」


「トォル! 駄目!」


 駆けだそうとする俺を縋りつくようにして止めるアーリ。だが、ここで行かなきゃバクゥが死ぬ。俺の我儘で村から連れ出したあいつを俺より先に死なせる訳にはいかないだろうが!


 アーリを振り払おうと力を込め……


「来るな! トォル! 俺は大丈夫だ!」


「だけどバクゥ!」


 無理だ! 間に合わない! そう叫ぼうとした瞬間、竜の鎌の一撃がバクゥの背中を捉えていた。


「バクゥ!!」


 幸い着ていた革鎧が刃先を滑らせてくれたらしく、致命的な傷は受けていないようだが足元には血が飛び散っている。そして、バクゥの動きはさらに鈍くなる。


 あと20歩が遠い。


 俺の命を賭ければあと20歩くらいはなんとかなるだろ! なんとかなるって言ってくれよ神様! い、いくぞ! 助けに行く!


 だが、そんな意味のない逡巡の合間にバクゥは竜の追撃を受けて宙を飛んでいた。


 ぐしゃ ……という不吉な音に血の気が引くのを感じながら無意識に叫びつつ走っていた。竜の追撃で最後の20歩が半分になっていた……バクゥに駆け寄った俺は意識が朦朧としているバクゥに肩を貸し、死にもの狂いで走った。


 無我夢中で走って走って、足がもつれて転んだ。半狂乱になりながらバクゥの手を引っ張る俺の手をそっと抑えてくれたのはアーリの白い手だった。


「ありがとうトォル……ここはもう主の間の外」


 その言葉に放心しながら視線を巡らせた先で、あの竜がどすんどすんと階段の方へと去っていく後姿が見えた。へなへなと崩れ落ちる俺の目の前では意識がないバクゥをアーリが必死で治療していた。


「くそ! 本当に俺ってやつは! アーリ! 俺の持っている薬も全部使ってくれ」


 再び体に力を入れバクゥを楽な姿勢にさせると腰の袋を丸ごとアーリへと渡す。俺達が準備出来た薬なんて気休め程度の安い薬が各人数個ずつ。それでも無いよりはましだ。


 俺とアーリの必死の治療はかろうじてバクゥの命を繋ぎ止めていた。だが、失った血も多く、最後に蹴飛ばされたらしい身体の内部にもかなりのダメージを受けているようで、既に薬も使い果たした今バクゥの命は風前の(ともしび)だった。


「くそ! このままじゃもたねぇ! 急いでバクゥを塔の外へ連れて行かねぇと」


「魔物は私がなんとかする。バクゥをお願い」


 アーリもバクゥがこのままじゃやばいことはわかっている。決意に満ちた表情で細剣(レイピア)を抜き放つ。あのアーリにそんな表情をさせるなんて……僅かに感じる胸の痛み。…………いや、なんでもねぇ! さっき転んだ時に脇腹を打っただけだ。


「まかせておけ。バクゥ死ぬんじゃねぇぞ!」


「……待て……トォル」


 俺より身体の大きなバクゥを担ぎ上げようと屈んだ俺の足首をバクゥが掴む。


「気が付いたのかバクゥ! しっかりしろよ、すぐに外まで連れて行って治療師に診せてやるからな」


「駄目だ……今……この階層は何かがおかしい。俺を抱えて動けば……きっと3人とも死ぬ。俺はまだ大丈夫だ……だから動くな」


「バクゥ! でも……」


 眼に涙を溜めたアーリが悲痛な声をあげるがバクゥは頑として動こうとしなかった。



 結局俺達は、バクゥの言うとおりその場での待機を選択した。バクゥがこの場所がちょうど緩衝地帯だという言葉を信じて。


 そしてその言葉の通り、俺達が待機している間に魔物が現れることはなかった。だが俺たちの必死の看病も空しく時間と共にバクゥの命は確実に削られていた。


「……トォル。アーリはどうした?」


「今は無理やり仮眠を取らしてる」


 バクゥが目を閉じたままかすれた声を出した時、見張りは俺の順番でアーリには無理矢理仮眠を取らせていた。こんな時に寝ている場合じゃないとアーリは抵抗していたが、やはり消耗していたのだろう、座らせて目を閉じさせたらすぐに眠りに落ちていた…………まあ、眠りとしては著しく浅いものだろうが。


「そうか……トォル……それならちょうどいい、聞け……お前は……まっすぐでいい男だ」


「おい? ……なに言い出すんだバクゥ」


「俺は……いつも考えすぎて動けなくなってしまう……アーリの結婚の件もそうだ。俺はアーリの実家の事情やこの先のアーリの未来を考えて結局は動けなかった。だが、お前は違った。お前は自分の気持ちに正直にまっすぐで迷いなくアーリを連れ出した……そんなまっすぐなお前が俺は好きだった」


「だから待てって言ってんだろ……なに最期の言葉みてぇなこと言ってんだよ……お前がいなきゃ……俺なんて……」


「……大丈夫だ……お前ならアーリを守れる立派な男になれる……さ」


「……バクゥ……違う、違うんだよ。俺は……別にアーリを……」


「ふ……それならそれでもいいさ。お前はお前らしくあってくれればいい……トォル、済まないがアーリを起こしてきてくれないか……そろそろ時間がない……」


 言いたいことはたくさんあった。聞いておきたいことも山ほどあった……だが、俺だけがバクゥの最期の時間を独占するわけにはいかなかった。


 アーリをそっと揺り起こしバクゥの隣の位置を変わる。話を盗み聞くような真似はしない……ただ、漏れ聞こえてくるアーリの啜り泣く声がとても辛かった。


 

 その後、俺達を助けに来たソウジ達に助けられた俺達は新しい仲間と、厳しい師匠に恵まれなんとか自分たちの力だけで生きていけるだけの力を身に着けた。


 バクゥ、ここにお前がいたらきっと俺達はもっともっといいパーティになっていたのによぉ。勝手に俺達を助けて1人で逝っちまいやがって……


 だが、お前がくれた命は絶対に無駄にはしない。まだまだ未熟な俺だが、お前のことは忘れない。お前が出来たことは俺も全部覚えてやる。その上で俺自身の力でお前を超えてやる! そうしたら……そのときこそは、アーリをもらうぜ。…………いいよな、バクゥ。


 まあ、アーリが俺にデレるかどうかは分の悪い勝負だけどな。駄目だった時はあの世で笑ってくれよ……なぁバクゥ。


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