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安来さんが来たのを確認してドアを内側からノックする。ドアスコープ越しに見る彼女はとても不安そうで、こちらが返事をする間も、きょろきょろと左右を確認していた。
九の間が空き室となった今、このルールは彼女には少し酷なのではないか。佐村君と彼女の部屋の位置が交換出来るのなら、そうした方がいいように思う。その方が彼女も安心だろう。佐村君が同意しなさそうだが。
自分の順番が回って来たので、部屋を出て二の間へと向かう。扉をノックすると中からノックの音が返って来た。すぐに十の間へと引き換えし、扉にしっかりと鍵を掛ける。
さて、三時間の間眠らせてもらうことにしよう。隣の部屋に死体が二体も転がっているというのに、睡眠をとれる自分の神経の図太さには我ながら恐れ入る。
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