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0の庭  作者: 七星ドミノ
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*-6

 隣の部屋の佐村さんがノックをしに来た。ドアスコープから確認して、合図のノックをする。


 休む努力はしたけれど、どうしても眠れなくて人恋しく思っていたから、佐村さんの顔を見て安心した。


 もしかしたら佐村さんが犯人かもしれないのに、おかしな話だ。別に佐村さんのことが好きだとかそういうのではない。彼に恋愛感情がないことくらい自分で分かる。相手が誰であっても今の私は顔を見ただけで安心しただろう。


 佐村さんが少し乱暴にドアを閉める音を確認して、私は部屋を出て和泉さんのいる十の間へと向かった。


 誰かが潜んでいるといけないので未歩さんの部屋から距離を取って廊下を歩き、背後や前方に注意を払いながら十の間の前に来た。ノックをするとすぐに和泉さんの「はい」という低い声が聞こえ、続いてノックの音が返って来た。


 私は急ぎ足で自分の部屋に戻った。


 また三時間、心細い時間が続くんだ。

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