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小さな妖精に転生しました  作者: fe
七章 勇者と魔王
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306. これからも

 今年は結婚式に始まり結婚式で終わる。

 冬目前の今日、お酒マンと事務員(しょう)さんの結婚式があるのだ。すでにみんな教会にスタンバってる。準備ばっちりってね。


 今日に向けて私とムニムニたちはお酒マンを監視し続けた。そしてお酒を飲もうとした瞬間に妨害してたのだ。

 新婚生活にお酒は不要! アルコール依存で離婚なんて許さないんだから。お酒マンはお酒じゃないマンに進化するべきときがきたのだ。


 他にもいろいろやってきた。

 お酒マンと事務員(しょう)さんは歳の差カップルだからね。しかもお酒マンはヨレヨレだった。だから見た目だけでも釣り合うように、お酒マンをお城のお風呂に入れたのだ。


 ドアップ様が若々しいのはどうやら私のエキスが染み出たお風呂に入っているからだって聞いた。だから試してみたんだけど、思惑通りお酒マンもちょっと若返った気がする。お肌がぴちぴちだ。



 広場ではガキンチョたちが木の棒を振り回して勇者ごっこをして遊んでいる。ふにゃ剣は魔力が強すぎてガキンチョたちから没収されてしまったけど、木の棒なら問題ないでしょってことで私が量産してガキンチョたちに配ったのだ。

 なぜならこの木の棒は今退魔グッズとして大流行中だからね。吟遊詩人が魔王戦を詩にしたから一般庶民にも木の棒(ジュワッ)が伝わってるんだよ。


 魔王と言えば、ドアップ様たちから色々と聞き取りされたなぁ。

 でも魔王(ポチ)が元勇者で日本(私と同じ)出身ってことは黙っておいた。だって説明しようとするとすごく長い話になりそうだし、そんな長文、こっちの言葉じゃ私にはまだ話せないって。


 それにそこを話すと前世とかにも触れなきゃだし、そうなると私が元人間ってこともバレて最悪ペット追放の危機もありえる。だから、とりあえず魔王は封印、その精神は人形に宿ってもう悪さはしないって言っておいた。


 ホントは人形うんぬんの話も説明が面倒だししたくなかったんだけど、人形が魔王と同じ言語をしゃべりだしたのは勇者くんとか銀髪ちゃんも見てたからね。素直にあの人形は魔王だとゲロっといた方が良いと思ったんだ。



 そんなことを考えてしばらく待っていると、お肌ぴちぴちお酒じゃないマンと緊張でカチカチの花嫁(しょう)さんが出てきた。

 みんな大歓声だ。なんてったって、去年はスタンピードから街を守って今年は魔王から世界を守ったカップルだもん。そりゃ盛り上がるってもんよ。


 でも今回の私は眺めてるだけだ。さすがにまた光の巨人を出したりなんてしない。だって王族より目立った結婚式になったらダメな気がするからね。王族とか貴族とかいるってことは身分とかうるさそうだもんなぁ。触らぬ神に祟りなしってね。


 ガキンチョたちも木の棒を振り回して大喜びしている。子どもが楽しそうなのは平和の証。なんでもない日々が1番尊いのだ。


 そういや数日後にまた収穫祭があるらしい。収穫祭と言えばあれだ。そう、お菓子コンテスト。去年の私は順位発表が逆順っていう痛恨のミスをした。ささいな勘違いで最下位スイーツが優勝してしまったんだよ。だけど今年はそんなミスなんてしないぞ。


 あのお菓子コンテストってば、1年限定の私公認スイーツを選定するって意味があったらしいんだ。あのコンテストで優勝すると妖精様お墨付きのお菓子だって大々的に宣伝できるらしいんだよね。


 待ってろよお魚パイ、おまえの時代はもう終わりってことを教えてあげるんだから!



 ……なにはともあれ、魔王問題はこれで解決だ。これでやっと不用意にした勇者発言から解放された。これでもう魔王がなんだとか魔女がどうしたとかで聞き取りされまくったり、ごまかしまくったりする日々ともおさらばなんだよ!

 今度からは不用意な発言はひかえようっと。だって、もうあれこれ思い悩むなんてことしたくないもんね。


 そうして私はこれからも怠惰に王族ペットライフを満喫するんだ!

 最高だね! わんわん!



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― 新着の感想 ―
さすよう!
(勇者君編の)完結お疲れ様でした! 次の伏線が張ってありましたね? そう、東の名物がない問題である!笑 そして >妖精様付補佐をしていた侍女の女の子、どうやら領地(東?)へ戻るらしい。 (…
完結まで執筆お疲れさまでした。 一度暫定的に完結されてから結構長くなりましたが、とりあえず完結回まで掲載ご苦労様です(汗) 作者様にも妖精様のご加護がありますように。
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