アントダンジョン 安定運用開始
翌朝、まだ陽が昇りきらない時間。
俺は村の広場に立ち、集まった冒険者や村人たちを見渡していた。
今日からアントダンジョンの“正式な安定運用”が始まる。
「……こんなに来てくれるとは」
アリアが隣で驚いた声を漏らした。
広場には十数名の若い冒険者と、荷車や袋を持った村人たち。彼らは緊張しつつも期待に満ちた顔をしている。
「ギルドの依頼にして正解だったな」
カインが腕を組み、頷いた。
「これなら物資の回収も人手が足りる。俺たちだけじゃ、とても回せねえからな」
「支部設立の申請も、これで重みが増すわね」
ミーナは書類の束を抱えながら微笑む。「“実際に冒険者が動いている”実績があれば、本部も動かざるを得ないわ」
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「静粛に!」
クローヴェが一歩前に出て声を張った。
「本日から、ハルトン領におけるアントダンジョンの運用を開始する! 依頼内容は“素材の回収”および“巣の安定化”。領主、挨拶を」
「領主……」
まだその呼び方には慣れないが、俺は深く息を吸った。
「諸君。これからの作業は、この村の未来を形作るものだ。アントの外殻も体液も、街道整備や建築に使える。
だが、油断はするな!ダンジョンは“生きている”。必ず予期せぬことが起こる」
俺は仲間たちを振り返り、声を強める。
「だから、俺たち《風切りの羽》が先導する! 各自、気を抜かずに行動してくれ!」
「おおーっ!」
冒険者や村人から声が上がった。
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ダンジョン前。
湿った風が吹き出し、いつもより入り口がざわめいて見えた。
モルネルが鼻をひくひくさせ、「もるっ」と短く鳴く。
「緊張してるのかしら」
アリアが笑う。
「いや、たぶん……中の様子を嗅ぎ取ってる」
俺は刀の柄に手を添え、慎重に歩を進めた。
「配置はこの間と同じだ」
トリスが低い声で言う。「先頭組は俺とカイン、アリア、ミーナ、前衛は俺とカインで抑える。後衛支援はアリアとミーナ。冒険者組は第二列」
「任せて」
アリアが弓を背に、短剣の柄を軽く叩く。
「今日は矢を温存しつつ、支援に回るわ」
「了解」
俺は短く答え、深呼吸した。
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中に入ると、湿度の高さが肌にまとわりつく。
岩肌には蟻の行軍跡がびっしり残り、わずかに石英が光っていた。
「……見ろ」
トリスが顎で指し示す。
前方、複数のワーカーアントが土を運んでいる。人間を気にする様子もなく、せっせと巣を広げていた。
「今が好機ね」
ミーナが頷く。「討伐より“素材の確保”。回収優先で」
「了解。……全員、抜刀」
俺の号令で剣や槍が抜かれ、空気が一気に張り詰めた。
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「いくぞ!」
カインが先陣を切り、巨大な槍を振るった。
ワーカーアントの頭部を貫き、硬い殻が砕ける。
「アリア!」
「任せて!」
彼女の矢が素早く飛び、別のアントの関節を射抜いた。脚が折れ、土を抱えたまま倒れ込む。
「トリス、右だ!」
カインの声に反応し、俺は《王体術》を駆使して横へ跳ぶ。
迫ってきたアントの顎を刀で受け流し、刃を滑らせて首を断った。
「よし……!」
後方では冒険者たちが「うおおっ!」と声を上げ、アリアの指示で安全に殻や体液を回収していく。
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戦闘は短時間で終わった。
外殻は荷車に、体液は樽に詰められ、村人たちの手で広場へ運ばれていく。
「これが……村の未来を支える素材……」
若い冒険者の一人が呟き、感嘆のため息を漏らした。
「実感がわくな」
カインが槍を拭いながら笑う。「こうして形になれば、誰もが納得する」
「次は俺たちの番ね」
ミーナが帳面に記録を書き込みながら言った。
「これを“王家監察”への報告書にまとめる。……でも、その前に」
「前に?」
俺が首を傾げると、彼女は小さく口角を上げた。
「蒼晶の眠る洞についても“触れ方”を整えないと。……あなたの署名が重くなるわよ、領主」
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モルネルが荷車の横で「もるっ」と鳴き、子どもたちに撫でられている。
村の未来は、この素材から始まる。
だが同時に、蒼晶の眠る洞、未知のダンジョンが控えているのだ。
俺は夜空を仰ぎ、胸に熱を抱いた。
(これからだ。アントも、蒼晶の洞も、すべてを“都市の力”に変えてみせる)
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初投稿作です!みなさんおてやわらかにお願いします。
AIをとーても使いながらの執筆となっております。
あと、AI様にお絵描きをお願いするのにハマり中です。




