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転生したら孤児院育ち!? 鑑定と悪人限定チートでいきなり貴族に任命され、気付けば最強領主として国を揺るがしてました  作者: 甘い蜜蝋
火と鉄に魅入られる青春-鍛治修行-

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最初の鉄槌

とんでもないスピードで投稿を続けております。甘い蜜蝋です。みなさんよろしくお願いします。ランキング情報が日々出てきてワクワクしてます。ただ、投稿スピードが異常なのでこっそり修正もしております!ごめんなさい。

炉の中で赤く光る鉄を火箸で持ち上げた瞬間、全身を包む熱気に喉がひくりと鳴った。

鉄はまるで呼吸しているように、赤から橙へ、そして黄色へと色を変えていく。


「よし、打ってみろ」

ガルドの低い声が響く。


俺は両手で槌を握りしめ、肩に担ぐ。

――重い。腕が震え、背中にずしりとのしかかる。


「はぁっ!」

気合を込めて振り下ろす。


ガンッ!


火花が散る。だが鉄はびくともせず、槌の角度がずれて床を叩いてしまった。

熱で頬が焼けるように熱く、手のひらはびりびりと痺れる。


「……あれ?」

「ははっ、言ったろ? 腕が折れるって!」

背後からカインの大笑いが飛ぶ。


「折れてません!」

必死に言い返し、再び槌を振り上げる。


だが打つたびに音は鈍く、鉄は思うように伸びない。

十数回叩いた時にはもう腕が棒のように重く、肩が悲鳴をあげていた。


「どうした。もう終わりか?」

ガルドの冷ややかな声。


「……まだです!」


汗が滝のように流れる中、俺は必死に槌を振り続けた。



「トリス!」

アリアの声が飛ぶ。駆け寄ろうとした彼女を、ガルドが手で制した。


「口を出すな。こいつが決めたことだ」


火花が散る中、俺は鉄を凝視する。

色が赤から暗くなり、炎の音も静まっていく。


「……待て。打つな」

ガルドが火箸で鉄を持ち上げ、問いかける。


「今の鉄はどうだ。熱は足りてるか?」

「……赤が暗くなって、火の音も小さい。熱が落ちてます」


短く頷いたガルドは鉄を炉へ戻す。

「観察の目は悪くない。槌はめちゃくちゃだがな」


「へへっ、見た目は必死なのに意外と冷静だな」

カインが肩を揺らして笑う。


胸が熱くなる。

(俺は……ちゃんと見えてる。少しは役に立てる!)



それからも失敗続きだった。

槌の角度は狂い、火から出すのが遅れ、鉄は黒く冷めてしまう。

何度もやり直し、何度も叩き直す。


手のひらに豆ができ、潰れて血がにじむ。

それでも腕を止める気はなかった。


「……しぶといな」

いつしかガルドの口から、感嘆に似た言葉が漏れる。


「へへっ、俺よりもしぶといかもな」

カインがにやりと笑う。


「しぶとさなら負けません」

俺は汗に濡れた顔を上げ、にやりと笑い返した。


火と鉄を前に、負けるわけにはいかない。



日が傾く頃、ようやく槌の音が少しだけ鉄に響いた。

表面がほんのわずかだが平らに伸びていたのだ。


「……できた」

思わず声が震える。


「ふん、形にはなってきたな」

ガルドの口元がわずかに緩む。


「おお、初仕事だな!」

カインが大げさに肩を叩いて笑った。


「まだまだこれからよ」

アリアは呆れたように笑いながらも、どこか誇らしげに俺を見ていた。



孤児院に戻った夜。

両手は真っ赤に腫れ、体は鉛のように重い。

けれど、不思議と心は軽かった。


火の色。鉄の匂い。火花が散る音。

すべてが鮮明に焼きついて離れない。


俺は、やれる。失敗ばかりでも、続ければ必ず。


十一歳の夏。

俺の鍛冶修行は、始まったばかりだ。

初投稿です!みなさんおてやわらかにお願いします。

AIをとーても使いながらの執筆となっております。

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