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転生したら孤児院育ち!? 鑑定と悪人限定チートでいきなり貴族に任命され、気付けば最強領主として国を揺るがしてました  作者: 甘い蜜蝋
蒼き都、動き出す

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紅晶操手《クリムアーキスト》開戦

このまま、1日2話更新で年内走り抜けますが、更新の時刻はまちまちになります。すみません。

読んでくださる方々ありがとうございます。どうか顔文字の評価ボタンか★マークを押してもらえるとありがたいです。

紅晶の仮面が、ゆっくりと俺たちへ向いた。


 その“顔”は表情を持たないはずなのに――

 ほんの瞬きほどの揺らぎが、はっきりと見えた。


 嘲笑。


 俺たちを“客”として歓迎すらしていない。

 ただ淡々と、処理対象として見ている視線。


 背筋がざわりと逆立つ。


「来るわよ……!」

 ミーナが声を震わせながら警告する。


 次の瞬間。


 パチン。


 クリムアーキストが指を鳴らした。


 その音を合図に、

 部屋中の紅晶脈が一斉に吠えた。


 バキバキバキッ!!

 床・壁・天井から紅晶の柱、槍、刃が生え、

 まるで“結晶の森”が一瞬で立ち上がったみたいに成長する。


「全員散開!!」

 俺の叫びと同時に、地面から刃が噴き出す。


 アリアが飛び、

 ミーナが魔力障壁を瞬時に張り、

 ノクスは影へ跳び込み、

 アージェが身体をぶつけてミーナを守った。


 紅晶の刃が背後で弾ける。


「ひとつの指示で、この範囲……!」

 アリアが信じられない顔で天井を見上げた。


 そこには

 クリムアーキストの周囲を取り巻く三つの“紅晶の目”。


 赤い縦線がゆっくり開き、俺たちを写し取る。


「標的を……記録してる?」

 ミーナが小さく呟く。


「いや、もっとタチが悪い」

 俺は刀《繋》を握り直す。


「行動予測をしてる……!」


 魔族や深層の知性体が使う、

 “未来行動を読み取る”特有の視線。


 クリムアーキストの紅晶の目は、

 完全にそれだ。


 ゆっくりと、奴が手を挙げる。


 指が横に払われた。


 その一動作だけで、


 紅晶の刃が横一線に弧を描いた。


「くっ……!!」

 アリアが矢を連射し、刃の軌道をわずかに逸らす。


 しかし。


 逸らした刃の断片が空中に残り、

 バラバラだった破片が、“再結晶化”して姿を変えた。


 獣の頭蓋。

 刃のような前脚。

 そして紅晶の尾。


「……紅晶獣!?」

 アリアが目を見開く。


「違う! さっきのとは別物だ!」

 ミーナが叫ぶ。


 その通り。


 これは狼でも虎でもない。


 人の頭ほどの紅晶核を中心に、武器の破片が獣の形に組み上がった異形。


 紅晶合成獣クリムギアビースト


 ギギギギ……と金属のような音を立て、

 そいつらがクリムアーキストの背後から十体――いや十五体。


「増えてるじゃねぇか……!!」

 アリアが息を呑む。


「結晶の破片を再利用して……自動生成してるんだ!」

 ミーナが震える声で言う。


 その間にも、群れがゆっくりとこちらを囲み始める。


 紅晶の瞳が、赤い光の線を俺たちへ向けている。


 完全に、

 “逃がす気ゼロ”の包囲。


「……トリス」

 アリアが小さく俺を見る。


「やるしかないわね」


「ああ」


 ノクスが影に沈み、

 アージェが低く唸り、牙を剥く。


 ミーナは息を整え、

 魔導具を展開しながら後衛の準備に入る。


 そして


 クリムアーキストが、またひとつ“指を鳴らした”。


 パチン。


 その瞬間、

 クリムギアビースト15体が一斉に跳んだ。


 天井から落ちる紅い影。

 床から突き上がる紅晶の槍。

 そして中央では、

 クリムアーキストが指揮者のように腕を広げる。


「来いよ……!!」

 俺は刀《繋》を擦り上げた。


 雷光が刃を走る。


「ここで絶対に突破する!!」

応援ありがとうございます!

皆さんのブクマや評価が更新の大きな力になっています!٩( 'ω' )و

「次話も楽しみ!」と思っていただけたら、ポチっとお星★様を押してもらえると嬉しいです!

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