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転生したら孤児院育ち!? 鑑定と悪人限定チートでいきなり貴族に任命され、気付けば最強領主として国を揺るがしてました  作者: 甘い蜜蝋
蒼き都、動き出す

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紅晶操手《クリムアーキスト》顕現

このまま、1日2話更新で年内走り抜けますが、更新の時刻はまちまちになります。すみません。

読んでくださる方々ありがとうございます。どうか顔文字の評価ボタンか★マークを押してもらえるとありがたいです。

45層へ足を踏み入れた瞬間、

 空気の色が変わった。


 蒼晶の青はほとんど消え、

 壁一面を赤い光脈が這い……部屋全体が“心臓”のように明滅している。


 ドクン……ドクン……


 洞窟の奥深くから響く、低い脈動音。


「……嫌な圧だね」

 アリアが眉を寄せる。


 それは魔力ではない。

 “殺意”が空気を通して形になっているような圧力。


 ゆっくり一歩踏み出すと


 足元の蒼晶が、赤に染まった。


 ジュッ……!


「蒼晶が……焼けてる!?」

 ミーナの声が震えた。


 蒼晶が燃える?

 そんな現象、このダンジョンでは一度もなかった。


「違う、これは……“侵食”だ。

 紅晶が蒼晶を無理やり書き換えてる」


 俺が言った瞬間、


 ――カン、カン、カン……。


 何かを叩くような、小さく乾いた音が洞窟に響いた。


 トン……トン……。


 リズムを刻むように、一定の間隔で鳴り続ける。


「……足音、じゃない?」

 アリアが身構えた。


「違う。これ、紅晶の……“生成音”」

 ミーナが呟いた。


「誰かが紅晶を 造ってる のよ。

 まるで細工物みたいに、精密に……」


 その言葉の直後、

 洞窟奥の赤い光がふっと明滅を止めた。


 静寂。


 そして


 コツ……。


 人の靴音。


「……っ!」


 アリアの弓が瞬時に引かれる。


 赤い霧の向こう、

 影のような“細い腕”がゆっくり動き、

 床に突き立つ紅晶を指で弾く。


 キィン……。


 紅の音が洞窟全体に響き、

 床・壁・天井の紅晶が“共鳴”して揺れた。


 霧が割れ

 黒いローブを纏った“人影”が姿を現した。


 骸骨のように細い腕。

 紅晶を模した仮面。

 そして、周囲を漂う赤い浮遊結晶……。


「……魔物じゃない、これ……!」

 ミーナが息を飲む。


 そいつはゆっくり仮面をこちらへ向け、


 指を鳴らした。


 パァン!


 瞬間、床の紅晶脈が一斉に跳ね上がり、

 俺たちの足元に紅晶の牙が生えた。


「跳べっ!」

 俺の声より早く、アージェが障壁を展開し仲間全員を弾き飛ばす。


 直後、紅晶の牙が“地面から数十本”突き上がり、

 床を完全に飲み込んだ。


「攻撃が速い! 範囲も広い!」

 アリアが体勢を整え叫ぶ。


 仮面の男

 紅晶操手クリムアーキスト


 そいつは赤い浮遊結晶を自在に回転させ、

 まるで指揮者のように腕を振った。


 紅晶の牙、槍、盾

 赤い光をまとった構造物が次々と生成される。


 ミーナが息を呑む。


「……これ、魔族の魔術とは系統が違う。

 でも、“魔力の癖”が近い……!」


 クリムアーキストが指を鳴らした。


 二回、三回、四回。


 そのたびに紅晶の武器が出現し、

 周囲に突き立ったり、空中に浮かんだりする。


「ちょ、ちょっと待って!

 これ、ひとりで軍隊分の攻撃を操作してるの!?」


「たぶん、あの紅晶の核で全部制御してる」

 俺は奴の仮面の中央に光る“紅い一点”を見た。


「あれが本体だ。」


「じゃあ壊せば」

 アリアが弓を引く。


 だが。


 撃つより早く、奴の周囲に“紅晶の目”のような球体が三つ浮かんだ。


 その“目”が、ピタリとアリアへ向く。


「……っヤバい!」


 アリアが横へ跳ねた瞬間、

 三つの紅晶目から赤い斬撃が一直線に走る。


 ズバァッ!!


 床が裂け、蒼晶の欠片が弾け飛ぶ。


「反応速度……速すぎっ……!」


 アリアが目を見開く。


 その間にも、クリムアーキストは歩み寄ってきた。

 ゆっくり、しかし音もなく。


 紅晶の靴音だけが響く。


 コツ……コツ……。


「……トリス」


 ミーナが震える声で言う。


「こいつ……

 この階層の紅晶化の“中心そのもの”だよ……!」


 ならば。


 ここで壊すしかない。


「全力でいくぞ!!」


 俺が刀《繋》を構えた瞬間、


 クリムアーキストが初めて“顔を上げた”。


 紅晶の仮面が、ほんのわずかに歪む。


 まるで笑ったように。

応援ありがとうございます!

皆さんのブクマや評価が更新の大きな力になっています!٩( 'ω' )و

「次話も楽しみ!」と思っていただけたら、ポチっとお星★様を押してもらえると嬉しいです!

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