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転生したら孤児院育ち!? 鑑定と悪人限定チートでいきなり貴族に任命され、気付けば最強領主として国を揺るがしてました  作者: 甘い蜜蝋
戦火の港湾

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潮騒に轟く刃と稲妻

とんでもないスピードで投稿を続けております。甘い蜜蝋です。みなさんよろしくお願いします。ランキング情報が日々出てきてワクワクしてます。ただ、投稿スピードが異常なのでこっそり修正もしております!ごめんなさい。

蒼い海風が吹き抜けるリヴェール港。

王国の南端、大河リヴェールが海へと注ぎ込む河口に築かれた港町、それがこの街だ。


西には長大な海岸線が続き、東は豊かな平野を流れる大河が王都や内陸の穀倉地帯へと繋がっている。

まさに「海と大地を結ぶ玄関口」。

ここを押さえられれば、海からの補給路も、川を利用した内陸物流も、一気に断たれる。

王国にとって、絶対に落とせぬ生命線だった。


その街が、今まさに戦の影に覆われていた。


桟橋では大工たちが杭を打ち直し、船乗りは破れた帆を必死に繕う。

市場の女たちは干し肉や塩を布袋に詰め、子供たちですら桶に水を汲んで兵士へ走る。

笑顔はなく、街全体が軍営へと変貌していた。

民も兵も皆が分かっていた――この港を失えば、王国全体が干上がるのだ。


その緊張を切り裂くように――


ドォン! ドォン!


見張り台の大太鼓が鳴り響いた。

乾いた轟音が海と空を揺らし、兵も民も息を呑む。


「南方に船影! 侯国の軍船だ! 十、二十……いや、数え切れん!」

叫ぶ声が波音を押し流した。


ざわめきが走る。

「まさか……本当に来たのか……」

「こんな数、どうすれば……」

恐怖が広がる中、さらに報が続いた。


「敵船、湾を塞ぐように展開中! 河口を完全に封鎖する気だ!」


絶句が広がる。

河口を封じられれば、川を遡った先の穀倉地帯や王都への補給路が全て絶たれる。

ただの一港ではない。リヴェールを失えば、王国の心臓が止まるのと同じことだった。


俺、トリスは刀《繋》の柄に手を添え、仲間へ視線を送った。

アリアは既に双剣を抜き、狼アージェが低く唸り、ノクスは影の中で尾を揺らしている。


「……来たな」

俺の声に、アリアが短く頷く。

「ええ。この街を守れなければ、王国は海から切り裂かれる」


鐘が鳴り響き、兵たちが門前に盾を構え、民は避難の列を作る。

だがその中で、人々の視線は確かに俺たちを追っていた。


「トリス様なら……」

「ダンジョンを突破した子爵様なら……」


不安と恐怖に押し潰されそうな声が、同時に希望として耳に届く。


胸の奥に熱が灯った。

この街も、この海も、必ず守る。

それが俺に託された使命であり、仲間と共に歩んできた証だった。


リヴェール港開戦


蒼い潮風が一層重くなった。

沖合の黒い影が動き、侯国の艦列が扇状に湾口を塞いだ瞬間、海は戦場に変わった。


「上陸用舟、接岸だァ!」

「突撃ぃぃっ!」


掛け声と怒号が海鳴りに混じる。鉄爪が桟橋を噛み、渡し板がギギと伸びていく。

小舟が次々と浜へ突っ込み、鎧の列が朝陽を鈍く反射した。


「矢、放てぇぇ!」

リヴェールの防壁から矢雨が降り注ぎ、先頭の兵が海に倒れ込む。だが、後ろから押すように次の兵が突き進む。人の波、鉄の波。


「トリス殿、右舷が危うい!」

レオンの叫び。

俺は息を詰め、掌に青い光を走らせた。


《電磁誘導》


火花が弾け、渡し板の金具がきしむ。

「うおっ!」兵が叫び、数人が海に転げ落ちた。

揺れで崩れた列に、アリアが飛び込み二刀を閃かせる。

「退けぇっ!」鋼が弾け、血が飛んだ。


アージェの咆哮。銀の障壁が村人を包み、飛んできた矢を弾く。

ノクスは影の縁から滑り出て、敵将の背を裂いた。


「何だあの子供は!」

「鎧が……勝手に弾かれた!?」


恐怖の声が混じる。俺はさらに掌を突き出し、今度は斥力で鎧同士を弾いた。

ガンッ!と爆ぜる音。列が乱れ、槍先が空を切る。


「押し返せ!」

「ここで止めろ!」


リシャールが避難を叫び、グラハムが槍隊を叱咤し、レオンが石を投げさせる。

防壁の上では油壺が炎を上げ、敵の悲鳴が波に消えた。


だが――黒甲冑の将校が現れる。

一喝で兵たちの士気が蘇り、重盾の列が再び迫った。渡し板が次々とかかり、岸に鉄の波が押し寄せる。


「来るぞ!」

俺は鉄砂を舞い上げ、渦にして敵列へ叩き込む。脚を裂かれ、兵が崩れる。だが力が強すぎ、渦が暴れ――瓦礫がパラパラと味方の頭上にも降った。

「きゃっ!」

民の悲鳴。

「すまない……!」


敵からの攻勢が激しく防壁が破られ、黒煙が舞い上がった。

焦げた匂い、鉄の味。海風はもう血で塩辛い。


「退避路を確保しろ! 鐘を鳴らせ!」

リシャールの声が響き、町の鐘が低く唸った。

避難する人々の列を背に、仲間たちは必死に剣を振るう。


俺は膝をつき、掌の青白い残光を睨んだ。

(まだ未熟だ……でも、この力があれば――)


立ち上がり、刀を掲げる。

「全員、ここで踏み止まれッ!」


仲間の視線が集まる。海はまだ、敵の艦で黒く埋め尽くされていた。

評価してくれると、とってもとっても嬉しいです!

初投稿作です!みなさんおてやわらかにお願いします。

AIをとーても使いながらの執筆となっております。

あと、AI様にお絵描きをお願いするのにハマり中です。

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