ラットウルフ戦
「ギャウッ!」
先頭のラットウルフが飛びかかってきた。
「うおっ!」
ルークが剣で受け止め、火花が散る。
重さはゴブリン以上。押し負ければ即死の牙が迫る。
「おらぁっ!」
ディルが横から短剣で斬りつけるが、毛皮が厚く浅い傷しかつかない。
「硬っ……! 普通のラットと違ぇ!」
「こっちは行くぞ! ディル、下がるな!」
ルークが怒鳴る。
別のラットウルフが素早く背後を回り込み、ミーナに迫った。
「きゃっ……!」
「守る!」
トリスが咄嗟に前に出て木剣を振る。
牙を弾き返した衝撃で腕がしびれるが、なんとか踏みとどまった。
「……トリス!」
ミーナの瞳が驚きと感謝で揺れる。
⸻
「チッ……速ぇな!」
ディルは二体目の相手を取って必死に立ち回る。
ルークは正面から押され、剣を食い込ませながら歯を食いしばった。
「こいつら……力と速さを兼ねてやがる……!」
「〈ファイアボルト〉!」
ミーナが魔法を放つも、ラットウルフは身をひねってかわした。
「くっ……避けられた!」
「焦らないで。魔法は牽制で十分」
アリアが冷静に言い放ち、剣を閃かせた。
鋭い一撃が三体目の肩を裂く。
「グギャッ!」
悲鳴を上げるラットウルフ。だが怯まず、牙を剥いて突っ込んでくる。
⸻
トリスは必死に周囲を見渡していた。
(……速いけど、動きに規則がある……!)
ラットウルフは必ず大きく跳びかかる前に、後ろ足で地面を強く蹴り込んでいた。
その一瞬、体勢が崩れる。
「ルークさん! 跳ぶ前、足を狙ってください!」
「……なるほど!」
ルークが叫び返し、次の瞬間、ラットウルフの脚に剣を叩き込んだ。
「ギャウッ!」
巨体がぐらりと傾き、ディルがすかさず喉を突いた。
「よっしゃぁ!」
⸻
残る二体が同時に襲いかかる。
アリアが一歩前に出た。
「――退け」
低く呟き、剣を薙ぐ。
鋭い一閃が一体の首筋を断ち切った。
最後の一体が怒り狂ってトリスに飛びかかる。
「うわっ……!」
木剣で受け止めるが、力に押される。
「トリス!」
ミーナが悲鳴を上げたその瞬間、アリアが横から駆け抜けた。
「はっ!」
剣が閃き、ラットウルフの胴を深々と裂いた。
血飛沫を上げて、獣は絶命する。
⸻
「はぁ……っ、なんとかなったな……!」
ルークが剣を収め、額の汗を拭った。
「危なかったぜ……けど、いい動きだったな坊主!」
ディルが笑い、トリスの背を叩いた。
「僕……ただ、必死で……!」
息を切らせながら答えるトリス。
「でも、足を狙えって助言は的確だった。観察眼は武器になる」
ルークが真剣に言った。
アリアは剣を拭い、静かに鞘に収めた。
「……悪くない。次は恐れず、自分から仕掛けなさい」
トリスはその言葉に、大きく頷いた。
(必死でもいい……でも、次はもっと自分から動くんだ!)
丘陵地に静けさが戻る。
だがトリスの胸には、新しい熱が燃え始めていた。
初投稿です!みなさんおてやわらかにお願いします。
AIをとーても使いながらの執筆となっております。




