戯れに奪われた港
とんでもないスピードで投稿を続けております。甘い蜜蝋です。みなさんよろしくお願いします。ランキング情報が日々出てきてワクワクしてます。ただ、投稿スピードが異常なのでこっそり修正もしております!ごめんなさい。
行軍は静かに、しかし確実に進んでいた。
潮の匂いが混じる風を受け、隊列は南東――リヴェールを目指してひた走る。兵たちの表情は疲れているが、士気は保たれている。誰もがあそこが本戦場だと考えていた。
だが、土煙の向こうから駆け込んできた伝令は、予想をあざ笑うような事実を告げた。
「急報! 急報ーっ! 報告します! 南西の――オルディア港が、落ちました!」
ざわめきが起きる。だが、ざわめきの先にあったのは怒りでもなく、ただの嫌悪だった。
兵の一人が蓮のように吐き捨てるように呟いた。
「あのオルディアか……美女の街ってやつだろう。侯国の連中、女と酒に目が眩んで手を出したのか」
若き将レオン・ハーヴィスが声を荒げる。
「許せん! 計画的に拠点を奪ったのではない。戯れのつもりで襲ったんだ。民が、女が、どうなっているか――!」
それを制したのは、老将グラハム・ローデンの冷たい声だった。
「王命はリヴェール防衛だ。軽率な行動を咎めるのは当然だが、我らが感情で動けば陣形は崩れる。軍律を忘れるな」
表面的には軍律の論理が通る。しかし、列の端々で囁かれるのは侯国側の軽薄さへの怒りだ。
(リヴェールを狙うのは当然。そこを押さえれば海路も制する――だが、行きがけの“戯れ”でオルディアを蹂躙するとは。やり方が卑しい)
トリスは馬の鞍の中で顔を上げる。
「リヴェールは本命だ。だが、あいつらがオルディアを襲ったのは狙いというより欲望だ。利権でも権威でもない、下心だ」
聞けば聞くほど、怒りが燃え上がる。兵も無口に拳を握る。だが問題は、感情だけでは解決しない――軍は命令系統で動く。指揮系統を乱せば、もっと多くの民が危険に晒される。
レオンが割って入る。
「なら俺たちが奪還に行く。王命と矛盾するなら、殿下に一任を願い出る!」
グラハムは長い間を取ってから言った。
「若いうちは血気に流されやすい。だが民情を守るのは我らの務めでもある。……よかろう。貴様が先陣を取るのなら、我も部を分けて支援しよう。ただし、全軍を抜くわけにはいかぬ。指揮系統は乱すな」
短い沈黙の後、トリスは頷き、仲間へと視線を送る。アリアは黙って二刀の柄を握り、ミーナは厳しい顔で作戦図を頭に描いた。従魔たちも、小さな鼻息で応じる。
「急襲をかけてきたのは侯国の1部隊とのことです」
急報を告げた伝令の彼から更なる情報が与えられた。
「俺が先陣を取る。オルディアを奪還し、あいつらの“戯れ”を終わらせる。俺と、アリア!アージェ!ノクス!俺達だけで十分だ!奪い返してくる!リヴェールは任せた取り戻してから向かう!我々は南西へ急行する」
兵たちの表情が変わる。怒りは期待へと変わり、緊張は凛とした静けさに置き換わった。
夕陽が海面を赤く染める中、我々は蹄を揃えて進んだ。
侯国の輩は「ついでに」奪ったつもりでいるだろう。だが、我々には民を守るという理由がある。戯れを、略奪を、ここで終わらせる――それだけの覚悟で隊列は進む。
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初投稿作です!みなさんおてやわらかにお願いします。
AIをとーても使いながらの執筆となっております。
あと、AI様にお絵描きをお願いするのにハマり中です。




