薬草採取と予想外の遭遇
王都の門を抜けた一行は、丘陵地帯へと向かって歩き始めていた。
「空気がうまいな。森と違って視界が開けてるのは気分いいぜ」
ディルが深呼吸をしながら背伸びをする。
「だからって気を抜かないで。依頼は採取だけど、魔物が出る可能性はあるのよ」
ミーナが真剣に言う。
「へいへい、わかってるって。俺は用心深い男だぜ?」
ディルが軽口を叩くと、ルークが笑った。
「どの口が言うんだ。昨日、真っ先に突っ込んで肩をやられたのは誰だった?」
「うっ……そ、それは……勢いってやつだ!」
「勢いで怪我してどうするの」
ミーナが呆れたようにため息をつき、皆が笑った。
トリスはそんなやり取りを聞きながら、少しずつ仲間の中に自分が溶け込んでいくのを感じていた。
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昼前、丘陵地帯に着いた。
一面の草原が広がり、陽光を受けて草葉が揺れる。
「ここが採取場所か」
ルークが周囲を見渡す。
「目当ては〈青銀草〉。銀色の葉が特徴。根っこから傷をつけないように採って」
ミーナが説明し、しゃがみ込んで探し始める。
「じゃあ俺は西の斜面を見てくる」
ディルが軽く手を挙げて走っていく。
「坊主、お前はどうする?」
ルークがトリスに視線を向けた。
「僕も探してみます。観察なら得意だから」
トリスは胸を張って答えた。
しばらくすると、彼は小さな株を見つけた。
「……あった! これじゃないですか?」
ミーナが覗き込み、驚いた顔になる。
「本当だ……早いわね」
「すげぇな坊主。俺より役に立ってんじゃねぇか?」
戻ってきたディルが笑い、ルークも頷いた。
「確かに。採取でも強みを発揮できるのは大事だ」
トリスの胸に誇らしいものが芽生えた。
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小さな休憩を取りながら、皆で薬草を集めていった。
「この依頼は楽でいいな。討伐ばっかりだと身が持たねぇ」
ディルが寝転がりそうになり、ルークが首根っこを掴んだ。
「さぼるな。薬草は数が必要なんだぞ」
「へいへい、真面目だねぇ。将来はギルドの教官でもやれるんじゃね?」
「それは性に合わないな」
ルークは苦笑いし、トリスに目を向けた。
「どうだ、採取は向いてるか?」
「……はい。なんだか落ち着きます。孤児院のみんなで草むしりしてたのを思い出しました」
「そっか」
ルークは優しく頷いた。
「……草むしりで鍛えた目か。悪くないね」
アリアがぽつりと呟くと、トリスは耳まで赤くなった。
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平和な時間が流れていたが、不意にアリアが剣の柄に手をかけた。
「……静かすぎる」
「え?」
トリスが辺りを見回す。
ザザッ、と草をかき分ける音。
次の瞬間、灰色の毛並みをした獣が三体、丘の影から姿を現した。
「ラットウルフ……!」
ルークが顔を引き締める。
「やば……普通のラットじゃねぇ。牙が狼みたいに鋭い……!」
ディルが短剣を抜いた。
「昨日より少なめって油断しないで……」
ミーナが呟き、アリアは無言で剣を抜いた。
ラットウルフたちは低い唸り声を上げ、牙を剥き出してじりじりと近づいてくる。
「来るぞ!」
ルークが叫んだ。
トリスは木剣を握りしめ、心臓が跳ねるのを感じていた。
(また……戦うんだ! 今度は偶然じゃなくて、ちゃんと……!)
初投稿です!みなさんおてやわらかにお願いします。
AIをとーても使いながらの執筆となっております。




