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水源の過去エッセイまとめ  作者: 水源
2018年2月

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おそらく現在のネットコンテンツは売り手ではなく買い手が値段をきめる時代に移りつつあるのだろう

 さて、この前のエッセイの感想で、エロゲやコンシューマーゲームのソフトが高いのは開発や広告費等の経費で値段が決まってくるので販売される物の値段は、原価を割ることはないという感想を頂いた。


 だからコンシューマーゲームやエロゲは高くなってしまうのだと。


 確かに基本的に原価以下で商品を提供することは昔はなかっただろう。


 例えば食堂で出す定食が食材の原価より安くなればどう考えても赤字なわけだからほんらいなら原価以下で売るというのは当然ありえなかった。


 とは言え飲食業でも場合によっては原価以下になる事例はある。


 時間内固定料金での食べ放題や飲み放題サービスなどだ。


 最も普通は食べ放題飲み放題サービスを行っても原価を割るのは一部の客だけだろうけど。


 しかし、MMOやソシャゲもしくはスマホアプリのような”基本無料”という形態が状態化してしまった現在では原価を割った商品販売は行われないという原則は崩れてしまったといえる。


 スマアプリなどは基本は無料なのでそれだけだったら当然元は取れない。


 その代わりに様々な課金要素で金を回収するわけだ。


 アイドルマスターがダウンロードコンテンツ販売でブーブー言われていた期間などもあったが、そのアイマスコンテンツもグリマス・モバマス・デレステ・ミリシタときて全体的に今は衰退してるように思うがこれはユーザーから金をぶんどりすぎたのも原因だろう。


 とはいえそもそも古くはパソコンソフトのシェアウエアは一定の試用期間は無料で期限が来たらライセンスを買うためにカネを払うという形態が多かったように思う。


 またほかの古い事例で言えば携帯電話の本体無料販売と言うのは携帯電話本体ゼロ円という明らかな原価以下で売る時点で本体の販売では儲けられないが、電話回線の年度縛りなどで本体の性能代金も回収できるような仕組みになっていた。


 そしてソシャゲは開発費が高騰しているが売上は人気の一部のゲームに課金が偏ることで課金が得られず開発費や広告費・給料などを含めた損益分岐を下回ったままのままのゲームが続出して現状スタートから何ヶ月かで終了というゲームが多発する死屍累々という状態ではある。


 また電子書籍の場合は冒頭の何ページかは無料でそれ以上読む場合はデータを分轄して安価に購入できるようにされてる場合が多くなったように思う。


 これらを考えるに現在ではソシャゲなどはオークションに近い状態になってるように思う。


 購入者の側で金をかけると思えばありえないくらい多額の課金がされる場合もあるが、大抵は売り手が思うほどの値段はつかない。


 製造工程が異なるものを同じように論じるのはおかしいと言われるかも知れないがコンシューマーゲームもソシャゲもラノベも購入者から見れば購入するためにかかる費用に経費がかかるというのは関係ない。


 購入者にとっては購入するのにかかる価格や購入し利用して得ることのできた精神的利益のコストパフォーマンスが良いかどうかが問題だ。


 20年前から市場が四分の一以下で下手すると八分の一以下に縮小したらしい6000円するエロゲにそれだけの金を出す価値があると思うユーザーが現在でもどれだけいるか。


(個人的には昔、斬魔大聖デモンベインを定価で買ったことに私は十分な価値があったと思ってるし、その頃1万円以上した覚えがある初代三国志や信長の野望などを買ったのも十分精神的な元は取れてると思うけど今はそこまでするほど買いたいソフトはないですな)


 1400円する四六判ラノベにそれだけの金を出す価値があると思うユーザーがどれだけいるか。


(無料で読めるなろう作品をイラスト追加だけで金を出して買う人はかなり少ないようですから書籍化した場合、なろうで読んでいない人たちにどれだけ買ってもらえるかが重要になりつつあるようにみえます、なのでなろうのはやりに作品内容をあわせすぎるのはかえって書籍化した際に売れなくなる危険が高いように思います。)


 基本無料のソシャゲに継続した運営が可能な課金をする価値があると思うユーザーがどれだけいるか。


(別に自分が課金しなくても誰かが課金してくれるはずと大抵は思ってるような気が)


 結局はそれだけのことだと思う。


 導線などを無視した前提ではあるが”飲食店は料金相応に美味くて腹が膨れれば生き残り栄えるし、料金相応でない程度にまずければ潰れる”のでしょうから。


 そして特に最近のネットコンテンツは売り手ではなく買い手が値段をきめる方向になってしまってるのだろうとおもいます。

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