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水源の過去エッセイまとめ  作者: 水源
2020年3月

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模倣が容易でユーザーから支持されやすい定石(テンプレ)というのは楽しさを簡単に押さえられるコンテンツとして優秀な証

 さて、最近のなろう作品のテンプレ多用にはそれが良くないことではないかと思う人も多いですね。


 しかしながら定石(テンプレ)として多用され、それがユーザーに支持されやすいというのはコンテンツとしては優れているのです。


 逆にオリジナリティ溢れているからと言って、それが多くの人には楽しいということにはなりませんしね。


 例えばテレビゲームですが最初はポンやテーブルテニスがそのままコピーされまくり、ソレがブロック崩しになって、スペースインベーダーに発展してギャラガやギャラクシアンからスクロールシューティングのゼビウスになって弾幕シューティングになっていったわけですが、アクションゲームもドンキーコングやマリオブラザーズ、パックマンからスーパーマリオブラザーズやパックランドのようなスクロールゲームに発展していきました。


 そして模倣コンテンツでありながら多くのユーザーの支持を得ていたストリートファイター2から始まった2D対戦格闘は見た目は対して変わらないけど色々と独自性を出そうとして様々な作品が出ました。


 実際にきっちり独自性が出せたかどうかやそれが実際に面白くなる要素であったかとかはまた別の話ですけどね。


 RPGもRPGクルールのもとになったのはドラゴンクエストでしょうが、JRPGが同じようなシステムをになってっていったのもそれが模倣しやすくて楽しくしやすいテンプレだからです。


 ソシャゲも結局ガチャでキャラを集めてそれを育てて戦いシナリオを進めるものが圧倒的に多いですね。


 多くの利益を出しつつ長く生き残ってるゲームはパスドラやモンストやツムツムみたいに同じようなゲームがあまりない物のほうが多いですが。


 テレビでの勧善懲悪な時代劇コンテンツが60年代から70年代に人気だったのも同様に模倣しやすく原作となる捕物小説が多く書かれ、それがユーザーの支持を受けやすかったからでしょう。


 ハーレクインやレディコミではごく普通だったりちょっとできの悪い女性が、イケメンな大富豪や有能上司に何故か見初められるパターンが多いですし、ラノベでもごく普通の男子が女だらけの状態になってハーレムっぽい正体になる、戦闘学園ハーレム物や謎部活物は模倣し、ちょっと独自性を付け加えていけば多く読まれる優秀なコンテンツでした。


 ただし、有料コンテンツの場合はゲームだと難易度が上がりすぎてユーザー離れを起こしたり、たいていは似たようなものが増えすぎて飽きられればそこで終わりだったりしますが。


 なろうの無双物・追放物・悪役令嬢・地味キャラモテもある程度の定石を押さえておけばユーザーの”楽しい”を獲得しやすいテンプレとして優秀と言えます。


 ただしただのテンプレでは”面白い”を獲得はしづらいですから、どのくらい未知な独自性を出せるかが問題になってくるでしょう。。


 そして楽しいは既知から、面白いは未知から得られるものだと私は思いますが、楽しいというのは過去の経験からそれを選ぶと成功しやすいもの、面白いは過去に経験したことがないからこそ興味を惹かれるものだと思います。


 ゲームコンテンツで言えばシステムが一定でない感じが強いゼルダシリーズやファイナルファンタジーシリースなどがそれに当たるかと思います。


 そしてなろうでは商業商品のように制作するために何百万何千万何億という金がかかったりもしないのでコンテンツとしても継続しやすくなるわけですね。


 ぶっちゃけて言えば有料であろうが無料であろうがユーザーを獲得しやすいというのは製作者にはとても大事なのですよね。


 まあ、現状のなろうランキングは”大喜利”や”三題噺”に近い感じはたしかにしますけど”テンプレ”が料理において最低限の美味しい味を作り出せる”レシピ”のようなものだとすればそれは悪いものではないと思います。


 料理をする時にレシピなしだったり、レシピを思いつきでアレンジすれば多くはまずくなるしレシピ道理に味だとだんだん物足りなくなったりするのと同様に、小説を書く時にテンプレを使わなかったり、使ってもアレンジが下手だと面白くなくなったり、飽きやすくなったりするわけですけどね。


 クックパッドのレシピはレシポ本と違っていちいち下ごしらえなどまで書かないのでレシポのママ調理すると味が悲惨になったりするように、なろうテンプレも暗黙の了解として描写を抜きすぎるとつまらなくなりやすい気がしますが。

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