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水源の過去エッセイまとめ  作者: 水源
2020年3月

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人は基本的に人を殺したがらないし、人間に近い動物の殺害にも忌避感を持ちやすい

 さて、基本的に多くの人間は妄想ではともかく、実際に人間を殺したいとは思ったりしません。


 第2次世界対戦で徴兵されたアメリカ兵の発砲率は20%程度でしかも、敵へ向かって発砲できた数は更に少なかったと言われています。


 その後ブートキャンプによる殺人への危機感の排除が色々考察されて朝鮮戦争では55%に、ベトナム戦争では90%に上昇したといわれていますが発砲率はともかく命中率は低いままでした。


 そしてベトナム帰還兵の多くがPTSDに苦しめられたり、逆に条件反射的に人を殺すことなどに心身がなれてしまって殺人、強姦、強盗、傷害などの暴力犯罪が増えたりしています。


 そしてそれは現代でも変わらず軍用ドローン操縦者に現れていて、アメリカ空軍は年間約180人のドローンパイロットを訓練しているが、一方で年間230人が職場を去っているそうです。


 間接的であっても殺人はパイロットの精神を蝕むのですね。


 これは何も現代戦争だけでなく、ナポレオン戦争や南北戦争のような近代のものほかもっと古い古今東西の戦いを通じて同様なことが起こっていたようです。


 そういった殺人を忌避する人間の行動をもたらしているのは理性ではなく本能です。


 殺人は多くの人間の脳にとっては非常に不快なのですね。


 なんでかといえば他人を殺すことで直接的に自分も死を認識するからでしょう。


 そして、個人差はありますが多くの場合殺しい対する忌避感は哺乳類にも適用されます。


 哺乳類や一部の鳥類は感情を持っていますし、哺乳類は表情や行動でそれを表現できますからね。


 一応、爬虫類や両生類魚類などの脊椎動物は人間同様に感情と言って良いものはあるようですし、昆虫や無脊椎動物、植物にも知性や意識、感情のようなもの自体はあると考える科学者は増えているようです。


 ただそこまで行くとどういう感情を持っているかを察することすら難しくなってしまうわけですが。


 でまあ、だからこそ害獣である猪や鹿、危険である熊などに対しても殺すのは可愛そうという感情を持つ人も出てくるわけですし、クジラやイルカ、犬を食べるのはありえないと言うことになったりもします。


 これは感情の問題なので理性的に対応しても意味がないものです。


 猿は地球上の広範囲に生息していますが、それを食べるのは東アジアから東南アジアの基本的には猿以外に食用に適した哺乳類などが少なく、その他の動物性たんぱく質の供給源が昆虫に限られるところに限られますが、そうなるのは猿の肉が基本的にあまり美味しくなことと人間に姿や行動、表情などが近い猿を殺すことは他の哺乳類よりもさらに忌避感が高いからですね。


 人間が行動を行なう行わないという判断する時にはまず、恐怖や快感といった不快、快すなわち生命活動を意思していく上での個体として不利益・利益の情動の判断部分の脳が優先して活動し、手段として活動する上での不利益・利益の論理的・理性的判断はその後に行われますが、感情が強く反応している時には理性もほぼそれに従います。


 しかし、一晩おいて判断すると感情ではなく理性で判断できるになったりしますが。


 ただまあサイコパス・ソシオパスの場合はその恐怖にたいする不快の情動を感じ取る能力が非常に弱いことで、通常と異なっていたりするわけですが、人間に近い哺乳類を殺してはいけないという判断をする人のほうが本来はおそらく正しいのだと思います。


 屠殺を行う人が差別隔離されやすい傾向があるのは、炭そ病にかかることが多いということもあるのですが、屠殺行為を行えるということ自体に忌避感を覚える人が多かったというのもあるのでしょうね。

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