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水源の過去エッセイまとめ  作者: 水源
2020年3月

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人間は菜食も穀物食も本来は向いていないのでバランス良くフルーツと動物性タンパク質を食べるのが大事

 さて、ここ最近の菜食主義(ヴィーガン)の増加理由は、肉や卵などの動物性食品の摂取により心疾患や脳疾患のリスクが高まることや、糖尿病などの慢性疾患に動物性食品の摂取が深く関係していることとされているようなのですが、栄養学的にはこれはまったくもっておかしなことです。


 80年代くらいまでは動物性食品の摂取により心疾患や脳疾患のリスクが高まるといわれていましたが、現在ではそれが誤りであったことはすでに証明されていますし、肥満の原因は炭水化物の過剰摂取が主な要因でタンパク質や動物性脂肪などはあまり関係ありません。


 むろん明らかに過剰摂取すれば悪影響は出ますけどね。


 最低限身体機能を維持するために、少なくとも体重1kgあたり0.65gのタンパク質を1日のうちに摂る必要があり、通常は体重1kgあたり0.8gを基準にしている。


 しかし運動をして健康な身体をつくりたい場合は、1日で1kgあたり1.4~2.0gの摂取が奨励されていて、この場合は体重70kgの人の約98~140gになります。


 タンパク質の摂取量の目標上限は、1日の推定エネルギー必要量の20%までにしないと糖尿病や結石などの危険性が上がるというわけでタンパクをとり過ぎるといけないというのは量自体よりも割合のようです。


 1日に3050kcalのエネルギーを摂取する場合、タンパク質で摂るエネルギーは610kcalでタンパク質は1gあたり4kcalなので152.5gまでが目標となるわけです。


 なのでフルーツなどもちゃんととってバランスの良い食事にしたうえで健康的な運動をして過ごす場合は体重の2倍グラム程度までは問題はないはずです。


 アメリカ人の場合20歳以上の男性は1日平均98.9グラムのたんぱく質をとっているようですがこれもきちんと運動していれば問題ない数値のはずなんですけどね。


 いずれにせよたんぱく質を全くとらないようなヴィーガン食もよくないし、炭水化物をまったくたべないアトキンスダイエットのようなものもよくないということですね。


 人間の食性は6500万年前から4000万年前までの間に、齧歯目に地上を追われるようにして、樹上逃避を試みた原猿からゴリラやチンパンジー、ボノボと別れた700万年ほど前のサヘラントロプスの頃までは樹上で生活していた可能性が高く、歯や消化器官もその頃からそう大きくは変わっていません。


 そしてゴリラやチンパンジー、ボノボなどの類人猿は果実を中心に植物の若葉、新芽、蜂蜜、昆虫、ミミズ、トカゲなどの小型爬虫類、リス類などの小型哺乳類などを食べることからフルーツ中心の雑食であり、樹上を追われた後は肉食獣の食べ残しの頭蓋骨の中の脳や骨髄を食べて飢えをしのぎ、やがて石槍などの道具を用いて狩猟生活を営むようになっていくわけで、動物性のタンパク質を全く摂取しないという行為はかえって不健康になる可能性が高いです。


 実際にヴィーガン食を厳格に実践するとほぼ例外なく筋肉や軟骨が大幅に減るので、『腰が痛い』『膝が痛い』『首が痛い』といった整形外科系の体のトラブルが頻繁に起きるようになりますし、筋肉が減れば体温も低くなり免疫も落ちて、体の水分が減ってしわが増え、見た目も老化してしまうことが多いようです。


 マクロビオティックなどもそうですが食事療法の多くは、やり過ぎると体に悪くなることが多く、結局食事はバランスを大事にするべきです。


 もっとも今の人間の食生活の中心となっている穀物や芋ですが、これらはせいぜい2万年前くらいから食べるようになったにすぎず、これらを多量に摂取するようになったことで糖尿病などが起きるようになったと考えられますので、これらの摂取を控えるのも大事だとおもいますが。


 なので健康的であろうとするのであるならば肉や魚、乳製品や卵、イカやタコ、貝などの動物性タンパク質はきちんと食べて、フルーツも食べてビタミンやミネラルを補い、穀物や芋は最低限に留め、砂糖や果糖ぶどう糖液糖が含まれているものはなるべく口にしない方が良いはずです。


 健康的であろうとするのが理由であるならば完全なヴィーガン食はすぐにやめるべきでしょう。


 仏教的な不殺生(アヒンサー)が大事であるというのであれば虫一匹殺さないように生活をすることを心がけたほうが良いでしょう。


 たとえばそれがネズミやゴキブリなどであっても命を持つものですし、植物だって茸だって細菌だって生きています。


 肉1kg生産するのに牛は11kg、豚なら7kg、鶏なら4kgの穀物が必要だといわれているようですが、これは少し誇大で実際は牛は7kg、豚は3kg、鶏は2kgぐらいのようです。


 そもそも家畜用飼料となるトウモロコシや麦は人間が食べるものと品種が一緒ではありませんので、家畜に食べさせなければそれだけ人間が食べられる量が増えると単純には言えません。


 また気候や天候、地質などの関係もあっておいしくない飼料用の麦やトウモロコシ、雑穀の畑をおいしい食糧用の麦やトウモロコシ品種の畑にすればいいというのはいうほど簡単ではないのです。


 そういったことまで考えてないから家畜の飼料を人間が食べられるようにすればいいと簡単に言われてしまうのですけどね。


 もちろん動物の肉や牛乳などを体が受け付けないんだと言う人でも、肉や牛乳を無理してでも食うべきだというわけではないですし、徹底した菜食主義でもやりたい人はやればいいと思いますけどね。


 ただそれが正義だとかなんとか言うのは私は受け入れられませんよというだけの話で。


 あと狼を絶滅させてしまった結果として鹿や猪などが増えすぎて山の中の食べ物が足りなくなって畑の食害が増えていたり、クジラを保護した結果、小魚が食われて魚の漁獲高が減ったりしていることなどもまた考えたほうが良いのではないかと思います、

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