これから先は出版業界は紙から電子書籍への切り替えが重要になってきそうです
さて、2019年の紙+電子出版市場はプラスで1兆5432億円、前年比0.2%増だったそうで、電子出版市場推計を始めた2014年以降、紙+電子出版市場がプラスに転じるのは初めてだそうですが、これまでは出版市場は縮小の一途だっただけに良いことですね。
しかしながら、紙の出版物の推定販売金額は1兆2360億円の前年比4.3%減でやはり減少しつずけていて、書籍が6723億円の前年比3.8%減、雑誌が5637億円で前年比同4.9%減だそうです。
電子出版市場では、電子コミックが2593億円の29.5%増と急増しており、電子書籍は349億円の前年比8.7%増、電子雑誌は130億円の前年比16.7%減だったようです。
2019年のコミック市場は推計4980億円で、うち電子は2593億円、紙の単行本は1665億円、紙の雑誌は722億円で、電子が紙を抜いたようです。
なおシリーズの売り上げに関して漫画は
1位『鬼滅の刃』吾峠呼世晴 1205万7628部
2位『ONE PIECE』尾田栄一郎 1013万4232部
3位『キングダム』原泰久 766万1361部
4位『約束のネバーランド』出水ぽすか 745万4745部
5位『五等分の花嫁』589万5000部
6位『僕のヒーローアカデミア』堀越耕平 504万7574部
7位『進撃の巨人』諫山創 470万4234部
8位『ハイキュー!!』古舘春一 451万4838部
9位『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』赤坂アカ 409万6492部
10位『転生したらスライムだった件』川上泰樹 341万4482部
にたいしてラノベは
1位『転生したらスライムだった件』伏瀬 87万9734部
2位『小説 天気の子』新海誠 63万4151部
3位『ソードアート・オンライン』川原礫 61万5363部
4位『Re:ゼロから始める異世界生活』長月達平 55万202部
5位『「青春ブタ野郎」シリーズ』鴨志田一 53万6494部
6位『薬屋のひとりごと』日向夏 46万1024部
7位『ダンジョンに出会いを』大森藤ノ 43万4034部
8位『魔法科高校の劣等生』佐島勤 42万9217部
9位『ようこそ実力至上主義の教室へ』衣笠彰梧 42万573部
10位『鬼滅の刃』矢島綾 40万7640部
と売れている部数では話にならないですけどね。
電子コミックは2018年4月の海賊版サイト「漫画村」の閉鎖以降かなり伸びていて、冒頭の何話かを無料にして試しよみさせたり、話の一区切り当たりを50円程度で読めるようにしてみたりと、いろいろな工夫を凝らしていることも売り上げの大幅な増加につながったのでしょう。
そして電子コミックスであれば場所を取りませんので本棚も不要ですし、読み終わったら売りに行く手間もありません。
電子コミックはガラケーの2004年ごろからいろいろなことを試行錯誤してきましたが、その成果がはっきり出てきたといえるでしょう。
電子書籍では、ライトノベル、ビジネス書、写真集が特に伸びているそうですが、ラノベも10万文字を10に分けて5話まで無料、そのあとは1万文字当たり100円とかで、500円で読め、シリーズの二冊目以降は1万文字当たり100円とかで、1000円で読めるとかにしていったほうがよいのではないかなと思います。
いっぺんに1000円つぎ込むのと100円を10回つぎ込むというのはハードルの高さがかなり違いますからね。
そして現状の売れなければシリーズが完結しなくても打ち切って、別の新しいタイトルを出版すればいいや路線ではどんどん売れなくなっていくでしょう。
文庫の1995年の刊行点数は4,739に対して売り上げ部数は26,847売上金額が1,396に対して2018年は刊行点数が7,919なのに販売部数は14,206売上金額は946となっています。
出版点数は大幅に増えているのに販売部数や売り上げが大幅に落ちているのは売れなきゃ打ち切って新しいタイトルを売ればいいし、書店の棚が足りなければ最新刊だけおけばいい、本屋の棚に2週間くらいおけばいいという出版社の態度に対して見切りをつけた読者が増えてるからではないかと思うんですよね。
まあ電車の中の暇つぶしなら文庫本がなくてもソシャゲできますし?
FGOの売り上げは一日2億とかですし、出版社はそういうほかの暇つぶしの手段もライバルであるという危機感をもっと強めるべきなのでしょう。
しかしながら電子書籍の普及が進みすぎると取次や書店、印刷所は困ることにもなりそうですからそこらへんも足を引っ張っているのでしょうね。




