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水源の過去エッセイまとめ  作者: 水源
2020年3月

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キャラとキャラクター なろうではキャラ立ちが先行するのは構造的なものなのでしょうがない

 さて、小説・漫画・アニメ・ドラマ・映画などの創作された物語では登場人物はキャラ立ちとともにキャラクター性も大事です。


 キャラ立ちというのは能力値や外見、性格、地位、属性とか特徴などで、男・女、力持ち・虚弱、俊足・鈍足、派手・地味、美人・ブサイク、善人・悪人、熱血・冷血、インテリ・おバカ、ボケ・ツッコミ、癒やしキャラ・毒舌キャラ、貴族・奴隷、一人称の種類の俺・僕、私・わたくしと言ったものですね。


 これは絵などの外見描写と記号的属性を用意することで。おおよそ作ることが出来ます。


 ボーカロイドやソシャゲのキャラクターになろう小説の場合も多くは基本的にほとんどこれだけで成り立っています


 そして、余計な説明を省いて暗黙の了解でキャラクターを出しても、いちいちどんなキャラか詳しい説明が必要ないので便利です。


 それに対してのキャラクターというのは登場人物が置かれている状況でどのような行動を取るか、という行動原理、バックボーン、人格などですね。


 フルメタル・パニックの相良宗介がなぜ日常的な高校生活でギャグのような行動を取るかと言えば日本での常識を教わっていないから、とか、なぜバットマンのジョーカーは悪に身を落としたのか、過去の社会的な差別などによるもの、など過去の人間関係とか環境とかで生まれるものです。


 そのキャラクターの今までの過去の集大成によるキャラクターというものが記号ではない生きたキャラというものを作り出すと思うのですが、なろうだとキャラクターのバックボーンを自然に入れるというのは結構難しいのだと思います。


 これは10万文字で一冊の本になっている本と3000文字くらいでちまちま投稿するWEB小説の差でもあると思いますが、これで過去を語るのはなかなか難しくキャラクターが何らかの大きな目的のためにストーリーを作るのではなく読者の欲求を満たすための無双シーンやザマアが延々と続くだけになりがちだからです。


 そもそもなろう自体がストーリーをなぞった二次創作的作品が多いので、キャラクターの背景とかまで考えられていない可能性も高そうですが、俗に言うザマアや無双をしたら後は惰性で続くだけの残り滓になってしまいがちというわけですね。


 ただしWEB小説の場合は読者の気を引くための何らかのイベントやアクシデントがこまめに起きないと読み続けてもらうのは難しいので仕方ないとも思いますが。


 だからこそ魅力的なヒロインというものではなく、王女とか聖女とか奴隷とかの肩書だけのヒロインになってしまうし、だからなろうアニメはヒロインは中身がないとか言われてしまうのでしょう。


 なので、できるだけメインキャラクターがなぜそういう行動を取るのかということがわかるバックボーンを考えておくのが大事かもしれません。


 もっとも私の場合登場人物は名前と口調と役割ぐらいしか決めてないことが多かったりしますけど。

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