遠くない未来、唐突に地球の文明は近世に逆戻りするかもしれない
さて、タイトルのようなことが起こるはずがないと多くの方々は思うでしょう。
ただ、現在の文明はありとあらゆるものに対して電気に頼りすぎているのです。
ですが、地球が超巨大太陽嵐のコロナ質量放出の直撃を受ければ、大気高層に巨大な電流が生まれ、地面を伝わって発電所に大量の電流が拾われ、それが送電網にフィードされ、発電や配電システムの重要な心臓に当たる変圧器や発電機などの巻銅線を焼損させて、大型停電をもたらします。
安政6年(1859年)の太陽嵐ではまだ電気がほとんど普及していなかったので、世界中の電報システムが異常をきたし、電報技師が感電したり、電報用紙が発火したりして、広い範囲で電報による通信網が遮断されたくらいですんでいますし、昭和64年/平成元年(1989年)3月の磁気嵐は威力は1859年の太陽嵐と比較して半分程度のものでしたので、カナダのケベック州一帯で停電が発生し完全復旧に数ヶ月かかっただけですみました。
しかしながら実は平成24年(2012年)7月23日に地球のそばをかすめた強力な太陽風は、安政6年(1859年)のものに匹敵する強さで、地球を直撃していれば「現代文明を18世紀に後退させる」ほどの威力があるものだったと、米航空宇宙局が発表しています。
更には775年に太陽嵐があった場合、1859年に発生した太陽嵐の約10倍の規模であったことが推定されています。
また明和7年(1770年)9月17日には京都でオーロラが観測されていますが、このときの太陽嵐は安政6年(1859年)よりも1割ほど大きいものだったと推測もされています。
つまり強力な太陽嵐の直撃というのは100年に1度位で起こる可能性が十分にあるのですね。
で、そうなった場合は送電網があちこちで焼ききれるので、広範囲に停電し、水道もガスも止まります。
でこの時原発が現状と同様な方式であれば福島第一原発と同様に爆発するでしょう。
そして送電線を復旧させるための銅線コイルを作るための工場を動かすための電気がないという笑えないことに成るわけですね。
当然ですがネットも遮断されるので情報も手に入らず、充電する電子機器は充電が切れたら使えません。
パソコンに蓄積してあるデータは当然取り出せなくなりますし、下手すればメモリーが損傷してそのまま失われます。
水道が止まれば風呂も入れずトイレも流せなくなり、エアコンも冷蔵庫も動かないので食料も保管できません。
ATMも使えず電子決済もできなくなるので、その時点で持っている現金の量でその後の買い物ができるかどうかが決まるでしょう。
下手すれば物々交換に逆戻りです。
ガソリンスタンドでの給油もできないので車やバイクもあっという間に使えなくなります。
更にGPSもやられますので、GPS登場前の昔の航空着陸をしないといけませんが、その前にその時点で飛んでいる航空機は空港まできちんと戻れるかどうかも定かではありません。
そして巨大台風や巨大地震、破局的火山噴火よりも遥かに広い地域で送電線の断絶が起こる可能性が高いのですね。
地下に埋設されているパイプラインに誘導電流が流れると腐食が進んで、ガスなどの場合はかなり危険なことが起きる可能性も高いようです。
なので唐突に地球の文明が近世、日本で江戸時代に逆戻りするかもしれない可能性は、あるのです。
まあ、それに対しての備えはなるべく電気に頼らない生活をするくらいしか無いので、”それ”が起こってしまったら、ああ電気に頼りすぎた人類はなんとも愚かだったのだなあと、思うことしかできないでしょうけど。




