日本の音楽産業を衰退させたのは長時間労働で、とどめを刺したのはスマホの普及だろうね
さて、題名通りなのですが幾度となく音楽は死んだといわれ続けてきました。
70年代前半までの演歌が80年代前半に正統派アイドル歌手によって駆逐され、80年代後半から90年代にグループアイドルとロックバンドが劉生して正統派アイドルが駆逐され、テレビドラマやテレビCMで歌がもてはやされたのもつかの間バブルが崩壊し、2000年代には会社での長時間労働とネットによってテレビが見られなくなって、音楽番組がバタバタと打ち切りとなって「テレビの衰退」が明確となった上に、ユーチューブなどでただで音楽が聴けるようになってしまい、AKBの握手券商法のようなことでもしない限り、聞かれるのはボカロやアニソンばかりという状況になったわけですね。
具体的に言えば2000年の年間シングル売上はトップテンがミリオンセラーでしたが2001年年間シングル売上上位4位だけになり、2002年、2003年のミリオンはトップだけになり2010年以降はAKBと嵐が独占という状況ですね。
まあそれでも日本の音楽市場規模は今でも米国に次ぐ2位であって音楽に使われているお金は決して少ないほうでもないのですがそれを支えてるのはドルオタなわけです。
で、CDなどの音楽業界にとどめを刺したのは間違いなくネットでしょう。
これは新聞雑誌や書籍の売り上げがずっと右肩下がりなのとも同様なのですが、持ち運びが容易な小型ラジオや携帯音楽プレーヤーというのは電車での移動時間の暇つぶしとして有効な手段の一つだったのですね。
しかしまずガラケーの着うたの普及によって移動時間の暇つぶしの手段として携帯音楽プレーヤー必要とせず着うたフルをダウンロードするだけでよくなったわけです。
そしてガラケーのソシャゲがヒットすることで歌を聞かなくても暇つぶしができるようになり、アップルがiPodをだして音楽を聴くのにCDを必要としなくしてしまいました。
音楽業界はそのころコピーガード必死になっていたわけでソニー・ミュージックなどはソニー製ウォークマンやパソコン用プレイヤーでしか再生が不可能なATRAC方式が主体であったり、音源が配信されているウェブサイトが、子会社のレーベルゲートが運営しているmoraとその提携先に限られていたりしたわけで、結局それは音楽が好きな人ほどCDから離れさせてしまった原因だったようにも思います。
そしてスマホの普及、簡単に言えば手軽に持ち歩けるネット端末の普及で「文字」「画像」「音」「映像」すべてを扱え、コピーも安価にできる時代になって、それまで独占的に扱っていた旧来の各産業、すなわち「音楽」「出版」「家庭用ゲーム」「テレビ」産業などは致命的ダメージを受けたわけですね。
自分たちが金が取れない=聞き手は盗人という業界の論法がまかり通ったが、それは業界が時代についていけていないだけであったとも言えるわけでしょう。
ちなみに音楽のライブ市場の売り上げはむしろ近年成長し続けているので、音楽そのものが死んだというわけではないようです。
むしろ録音されて死んだ音楽ではなく生の歌声を聞くという本来の音楽へ原点回帰したとも言えそうですね。




