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水源の過去エッセイまとめ  作者: 水源
2019年9月

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279/482

”なろう系小説”は現実から意識を切り離せる一種のテーマパークなのだと思う。

 さて、なろうの読者は自分が現実世界でうまくいかないのは運や才能だと思いたいやつという意見があるようですけど、実際はそこまではっきりした理由があるわけでもないと思います。


 とは言えなろうは舞浜のテーマパークやメイド喫茶などと同じ用に、面倒くさい現実につかれた大人が現代社会の煩わしさから逃避するための場所だとは思いますね。


 舞浜のテーマパークはテーマパーク内からは鉄道やホテル、近くにある観覧車などが一切見えないように土を持ってそこに木を植えることで対処していますし、テーマパーク内でも隣合っているけど雰囲気が違うテーマの境目にも木を植えたり、道を曲げたりして、隣の違うテーマの場所が見えないようになっていて、それぞれの雰囲気を壊さないようにしていたりします。


 そういったことを徹底しているからこそから、いい年の人間がネズミの耳の頭飾りをして、気持ちよさげに歩いても恥ずかしいと思わない工夫がされてるわけですね。


 無論そこには広告会社による誘導もあるわけですけど。


 そして初期の優良なメイド喫茶と同じ様に現実から隔離して客を徹底して楽しませるということも受ける理由なのでしょう。


 実際舞浜のテーマパークは女性の看護師さんとか保育士さんとかのストレスの多い職種の人が多いらしいですし。


 なのでいわゆるなろう系といわれる、男性向けのハイファンタジーの無双物や現実世界恋愛の唐突にもてる恋愛もの、女性向けの悪役令嬢物が、おおよそ非現実的であっても読者はそれを楽しむために現実性というものを求めていないのでしょう。


 世界設定やでてくる登場人物の能力や性格に対しての地位などが非現実的であっても読者として楽しめればそれで問題ないのではないかと思います。


 まあ、ハリウッド映画ではアメリカの大統領が戦闘機にのってエイリアンの巨大母艦へ突撃したりしますしね。


 無論小説家になろうという小説投稿サイトでは、非現実的でない小説を書くのも自由にできるわけですが、なろうの中でなろう系に文句をつけるのは舞浜のテーマパークで”きぐるみの中に人間が入ってないなんて言うのは馬鹿じゃないか?ちょっと考えれば分かんだろ”とか”いい年した大人がそんな頭につけるものつけて歩いて恥ずかしくないの?”と言うようなものなんじゃないかなと。


 無論、舞浜最高信者の言葉がそうでない人間には痛いのも事実だったりしますが。


 じゃあなんでなろう系というかオタクがここまで叩かれるのかと言えば、実は広告屋さんが買わせたいものを買わないので広告やさんがほとんど儲からないからじゃないかなと思いますよ。

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