なろうテンプレというのは料理のカレーに近いのじゃなかろうか
なろうテンプレに関して、いろいろなエッセイが在るけど、私が思うところ、ファンタジーだけでなくVRやゾンビ物、転移転生の歴史物なども含めて主人公が能力や知識でチートな存在であるものをなろうテンプレとするとして、これは料理であれば素人でもそれなりに美味しく作れるカレーのようなものではないかと思う。
ついでに言えば小説や漫画でもギャンブル物、デスゲーム物、頭脳戦物、バトル物、スポーツ物など競争したり生死がかかっているものはだいたい主人公はちょっともしくは相当チートなのが普通だ。
まあ、なろうテンプレの場合、それまでダメダメだった主人公が突然何らかの理由、例えば転移や転生、特定の年令になると行われる儀式、マジックアイテムの入手などで後天的にチート能力付与されて、それまでとは立場が一変することが多いが。
最近は元々強かったが封印されていた間に周りが弱くなっていて周りも覚えていないというパターンも増えてるかな。
さて、素人が家庭でカレーを作ると言っても基本的にカレーのルーはメーカーが販売しているものを使うし、具材も豚肉・ジャガイモ・人参・玉ねぎなどオードソックスな物をもちいて、レシピどおりに作ればまずくて食えないものというのは普通出来上がらない。
手作りカレーと言ってもスパイスの調合から始めたり、スパイスや米の育成から始めそうなのは鉄腕ダッシュのTOKIOくらいな気がするしね。
個人的にはレシピ通りのカレーは水気が多すぎると感じることもあるが。
なろうテンプレもある程度受けを取れそうでいちいち説明しなくても理解してもらえるよう決まった素材を用いて決まった手順で物語を構築していくという点では似ているように思う。
そして日本人でカレーが嫌いという人間はあまり居ないと思う。
激辛だと食えない人間は多いと思うが、事実私がそうだ。
カレーの他にラーメン・寿司・天麩羅なども人気の食べ物だが素人が作ってもそれなりに美味しいとか家庭の味が好まれるというのはカレーがダントツだと思う。
勿論本格的にスパイスカレー作る人はガラムマサラ・クミン・カルダモン・コリアンダー・ターメリック・パプリカパウダー・チリパウダーにヨーグルトやホールトマト、バターをを加えてチキンバターカレーなどを作ったりもするだろうが、そういうのを作り始める前にカレー・ルーを使ったカレーを作ったことがないという人は稀ではないかなとも思う。
で、なろうというのは基本的にはプロの商用作家が書くところではない。
最近はなろうで書いてるプロの先生も結構存在する気もするけど例外とさせていた
だきたい。
だから、ある程度決まった素材を使ってテンプレで書くこと自体が悪いとは思わない。
ただ、カレー大好きキレンジャーだろうとカレーは飲み物という人だろうと、毎日全く同じカレーばかり食べていたら飽きるし、前食べたものよりまずいと思ったら文句も言うだろう。
多分それだけのことなのだ。
でも、もしなろう作品がエドワード・ゴーリーの不幸な子供のような救いのない作品ばかりだったら大多数の読者は読まなくなるのではなかろうか。
アニメだってダンバイン・イデオン・Zガンダム・Vガンダムみたいな全滅エンド作品は最近はあまり受けないと思うのだよね。
まあ、問題なのは書籍市場にもなろう読者にもなろうテンプレはバリエーションがつきて飽きたと思われつつ在ることのような気はするのだけど。




