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水源の過去エッセイまとめ  作者: 水源
2019年6月

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コンシューマーRPGは3Dダンジョン系のほうがフィールド系より生き残っているように見えるのはなぜか?

 さて、最近はゲームショップやブックオフなどのコンシューマーゲームソフトの売り場の縮小がかなり目につく様になりました。


 ゲームショップは半分がトレディングカードゲーム(以下TCG)売り場&対戦テーブルになっていたりしますが、TCGはコンシューマーのゲームソフトより全然原価も開発費もかからず作れるので、後発であるブシロードですらかなり儲けてるらしく、遊戯王を売ってるコナミの儲けはかなりのものらしいけども、対戦に勝つためには結局強いカードを手に入れないとだめで、そのためにカードの入ってるパックを買うため多額の金をつぎ込むしかないので、TCGはそれらを販売しているゲームメーカーの稼ぎ頭なようで、そのシステムを一部取り入れたのがソシャゲのカードガチャということでしょう。


 もともとTRPGがブームだった頃に現れたマジックザギャザリング(以下MTG)でしたが、TRPGが結局戦闘がメインであるが、ガープスリングドリームのような例外を除けばゲームマスター(以下GM)は戦闘を起こすためのシチュエーションとして毎回シナリオを考えないといけないうえに、TRPGは職業分担が明確なのである程度の人数が必要だったり、ルールの判定が曖昧な部分が多かったりしたのに対して、MTGはまずシナリオを考える必要がなく、二人いれば遊べてルールも明確であるという理由であっという間にTRPG人口を減少させました。


 尤もMTGが現れた頃にはTRPGのルールも粗製乱造されていた時期であった気もしますが。


 そして、もともとガラケー時代初期にあたる2009年頃までのグリーやモバゲーのソシャゲは怪盗ロワイヤルや探検ドリランドのようなボタンを押し続けるだけのいわゆるポチポチゲーで、行動力の即時回復やアイテム購入などでの課金はありましたが、課金要素はそこまでひどいものではなかったように思います。


 しかし、ドラゴンコレクションを皮切りにして、神撃のバハムート、アイドルマスターシンデレラガールズやアイドルマスターミリオンライブなどのような、カードをガチャで集めるタイプのソシャゲが増えるとコンプガチャが社会問題になったくらいでしたね。


 なのでソシャゲでRPGと言ってるものの多くは、実際はデジタルカードゲームといったほうが正しいと思います。


 あ、アイドルマスターはXBOXの据え置きハードのときから衣装のDLCによる搾取がひどすぎるとは言われてましたけど、衣装によって強さ弱さが変わるとかは特になかったですからね。


 コンシューマーゲームのハードはいろいろありましたが、ファミコンやセガマークⅢ、スーファミやメガドライブ、プレステやニンテンドー64にセガサターンくらいまでは様々なジャンルのソフト自体がたくさん作られていて、そのなかにはどうしようもない糞ゲーもあったけど名作も出まくって玉石混交でありましたが、結局母数が多いほど名作の実数は増えるというのはあるのでしょう。


 RPGもこのくらいまではなんだかんだで結構いろいろなタイトルがあったように思います。


 個人的にはファンタシースターシリーズとかMOTHERとかメタルマックスあたりが好きでしたが。


 しかしプレステ2くらいからグラフィック能力や3D描写能力がかなり上がったのは良いのですが、その結果ハード・ソフトの開発費も膨れ上がってセガはドリームキャストの販売成績不振もあってハード開発から撤退、64に続いてゲームキューブもイマイチな時代で、ゲームのグラフィックや、ムービーのバランスが良かったのはこのあたりがピークでしょう。


 デジタルテレビと4K・8Kの差が普通の大きさではわからないのと同じように、PS2・3・4のグラフィックの差がユーザーにはわからないレベルなんだけど、開発費用は爆発的に上がってるのはマイナスだと思うのですよね。


 そして、コレはユーザー側の傾向でもあるのだろうけど、めんどくさい要素が嫌われてるのかもしれず、初心者お断りになってしまった格ゲーが廃れて、爽快に雑魚を倒していける無双ゲーや狩りゲーに売れ筋は変わっていったり、ギャルゲーもときメモのようなパラメーター管理が面倒なSLGからノベルゲーになったりもしてますね。


 ただ、コンピュータRPGの衰退はまたちょっと話が違うような気もします。


 ドラゴンクエストやファイナルファンタジーのようなフィールド型RPGがあまり見かけなくなったのはどちらかといえば確かにグラフィックはきれいになっているのがすごいと言えるけど、どっちかというと戦闘はオマケで、キャラクターも世界観もストーリーも最初から決まってしまっていてそれを追うのが優先という形態なので、結果として戦闘がだるいだけでいらないんじゃん、になっていってしまったのと、これもなんかどっかで見たような話だよなという物語に対しての既視感の強さのがあるのではないかと思います。


 そして最大の問題は値段が高くクリアするまでの時間がかかりすぎることなのでしょう。


ゲーム一本が新作で7000円位でクリアするのに24時間かかるとして、それを文庫ラノベにすれば700円で2時間ぐらい済みますからね。


 仮にゲームソフト一本と文庫10冊が同じ分量だとしても月に一冊ずつ買っていくのとでは一度に出す金額の高さの差というのは精神的なハードルとして十分大きいとおもいますし、仮に買ったものが面白くなくても文庫なら700円だけの損失ですみますが、ゲームだと7000円の損失ですしね。


 一方の3Dダンジョン型はウィザードリィ、ダンジョンマスターなどが代表だと思いますがこれらははDQ・FFほどの知名度はないですけど、根強いファンがいて、現在でも世界樹の迷宮シリーズは延々と続いていますし、ザンキゼロ、百鬼城公儀隠密録のようなゲームも出ていますね。


 3Dダンジョン型はあまり壮大なストーリーは必要でなく、キャラクターも自分で名前をつけて作っていくタイプが多くて、初期は戦闘をするとハラハラするくらいプレイヤー側は弱くてそれが遊ぶ人間を選ぶ原因でもあると思いますが、戦闘そのもののハラハラと強くなってそれが楽になっていく過程を楽しむのがメインであるのが世界樹の迷宮などでの新作を出し続けやすい理由じゃないのではないかと思います。

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