最初期のファンタジーラノベはTRPGやドラクエ型のストーリーRPG、今の異世界ファンタジーはソシャゲやMMORPG的なのは理由があるのでしょう
さて、”最初期のファンタジーはTRPGリプレイ、ラノベの学園恋愛は美少女ゲームやそのアニメ、異世界ファンタジーはファンタジー系ゲームのゲーム実況動画やスポーツ観戦に近いかも”で書いたようにそれらを読むのは自分でプレイするのではなく上手な人が面白おかしくまとめたりプレイや実況動画を見るような感覚に近いのではないかと書いたのですが、では最初期のファンタジーはTRPGルールの制作に近かったのかというとそういう側面はあったと思います。
TRPGルールは世界観と通常判定、戦闘判定のシステムから成り立ってますが、基本的に世界観は作品ごとに個別のものが作られていたように思いますし、強さを表すにも歴戦の強者と駆け出し戦士という描写はあってもステータスでいくらだから強いみたいな書き方はなかったと思います。
スレイヤーズのリナやガウリィは登場したときからかなり強いですが、人間としては最強クラスでもあの世界ではぜんぜん最強クラスというわけではないですしね。
あと昔のTRPGは例えばD&Dのデミヒューマンやモンスターとルーンクエストのデミヒューマンやモンスターでは明らかに違うように、元ネタは同じでもその中身は全く違うということも多かった気がしますし、ファンタジー小説でも他の作品との差別化は図られていた気がします。
RPGツクールで作るオリジナルRPGにも近い感じがしますが。
そして昔のファンタジー系のゲームのほうがドラクエのように、主人公は徐々に成長しつつ、世界の危機を救ったりしましたし、立ちはだかる敵も結構敵国で重要な位置にいたりして、ちゃんと敵味方の双方に人生的な目的や意思があったし、モブでもちゃんと生活感があったり、国などの歴史がちゃんと納得できたように思います。
チーレム主人公が黒髪没個性主人公で多数ヒロインだったりするのはエロゲギャルゲの影響の学園ラノベの学園戦闘ハーレムからの流入でしょう。
そして最近のなろうテンプレは延々とイベントだけが続く、あまりストーリー的な終着点のないソシャゲやMMORPG的、もしくはダンジョンRPG的なゲームのようなイメージに感じます。
最もこれはある意味当然でファンタジーとは、現実の世界とは異なる「法則」で成り立っている世界ではあるが、実際に描かれる世界はそのときの社会情勢の置き換えであるからでもあるのでしょう。
なので昔のラノベファンタジーはドラクエ的、TRPG的であったの対して、現代の異世界ファンタジーではMMORPG的、ソシャゲ的な世界になるのは当然なのでしょうね。
WEB投稿型小説では登場人物の成長や人格形成の描写を長期間に渡って書くということに面白みを感じず、漫画などに比べると努力して成長したとしても、数値を用いたものでないと成長を読者が実感しにくいので、最初から無敵で派手な戦闘やイベントに終止するというのも仕方ない面もあるとは思いますし、昔のTRPGと違って例えばモンスターの他の作品との違いの背景設定を作品内で説明するためのタイミングがないためありがちな設定を使わざるを得ないというのもあるようです。




