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水源の過去エッセイまとめ  作者: 水源
2019年3月

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萌えと媚びは違うけどその境界が曖昧なのが難しいところ、そしてなろうヒロインの特徴はハーレムじゃなくて主人公に対しての従順さ

 さて、ラノベやアニメは萌え豚相手の商売というのが10年ほど前は出版社やアニメ業界の認識であったように思います。


 ラノベはオタク向けの綺麗でチョットエロいイラストや挿絵さえついてれば売れるといわれていましたが、これはパソコンゲームもいわゆる美少女ゲームであればある程度は安定して売れるという認識であったのとにているような気がします。


 萌えって言うのは一体何かは明確ではないのですが、個人的には異性の登場人物に惹かれる要素があって好ましく思うことを言うのだと思います。


 それにたいして媚びは「とりあえず人気のある要素を入れりゃ受ける」という製作者側の魂胆が見え見えで押し付けがましく、登場人物の中身が無いように見えるものだと私は思います。


 なのでツンデレなんかはツンデレの何が魅力的に思えるのかというものを深く考えないで、口が悪いキャラ、暴力的なキャラに時たまデレさせればいいんだろうみたいなキャラばかりになって現在では殆ど見なくなった気がします。


 本来ツンデレと言う状態にキャラクターがなるにも明確な理由があって、そういった性格になってしまった理由や内面などがきちんと描けていればキャラクターの言動などにも納得するはずなのですけど、キャラがそれまで生きてきた経験や環境がわからないと嫌なヤツにしか感じなくなるのではないかなと。


 それはともかくチート・オレツエー・ハーレムと言うとなろう系の特徴だと思われている感じですが、実のところなろうのハーレムはキャラ萌えよりも記号的に人気がある美少女が主人公に盲目的に従順な女性であること自体が大事でハーレムのキャラに対して萌えと言うヒロインに惹かれる要素はあまり重視してない気がします。


 そのかわり肉体的だけではなく精神的非処女もなろう読者には受けないわけですが。


 なろうのテンプレが好きな男性読者が例えば”私がモテてどうすんだ”を読んだらなんでこの男どもはこんな女を必死に追いかけてるんだ? と思う人が多いでしょうね。


 そして盾の勇者のラフタリアは可愛いとかなり絶讃されていますが、主人公が精神的に苦境にあるところで明確に支えているところが良いのでしょうね。


 だからそもそも主人公が苦境に陥らない俺つえーだとヒロインの存在が主人公を支える存在として必要とされないので魅力も希薄になるのではないかという気もしますが。


 個人的にはジャンプ漫画のハーレム物でもぼくたちは勉強ができないは面白いしヒロインに魅力を感じますが、終末のハーレムはいまいちですしほとんどの女性キャラに魅力を感じません。


 なろうのハーレムは恋愛要素そのものが重要ではないから飛ばされるのでしょうけど、恋愛は相手に好意を抱いてそれが強まっていくまでの過程や関係の変化の描写が大事だと思うのですよね。


 ラノベでも”生徒会の一存”とか”お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよね”なんかはハーレムでも面白いのですけど、主人公は大したことをしていないように思えるのにすぐさま複数のヒロインが主人工にベタぼれみたいなのはなんだかなと思うんですよね、私は。


 逆に言えば主人公がヒロインにモテる理由がよくわからんというか、読者の共感を受けない主人公がモテるのは違和感しか感じないとも言えますけど。


 ISの一夏やイセスマの冬夜なんかは私にはそう感じましたね。


 あと主人公が自己中心的でなんでも暴力で解決する男にしか見えないのに、ヒロインがなんて優しくてすばらしい人みたいに言っていると違和感しか生まれないよねと。


 劣等生の雫がバス女と言われて笑いの種にされてるのはそんな感じがするからじゃないかなと。


 最も男やモブ女性には塩対応だけど美少女には優しいのがそういった話の主人公だから美少女から見れば主人公はそう見えるのかもねという気はしますけどね。

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