出版だけでなく日本のものの売り方は時代の変化がわかってないのかも?
さて。出版不況で本が売れない原因はいろいろありそうですが、娯楽の数が少なく本を読むという習慣を多くの人が持っていた団塊の世代の高齢化により、彼らの退職による金銭的な余裕の喪失や、通勤時間の暇つぶしの必要性の喪失、老眼で小さい字を読むのが難しくなったというのもあるのでしょう。
また電通の戦略十訓は
1.もっと使わせろ
2.捨てさせろ
3.無駄使いさせろ
4.季節を忘れさせろ
5.贈り物をさせろ
6.組み合わせで買わせろ
7.きっかけを投じろ
8.流行遅れにさせろ
9.気安く買わせろ
10.混乱をつくり出せ"
といったもので雑誌の情報により衣服、靴、時計などの流行を作り出した上で、それらを買わせるといいう手法はネットがなく、消費者の懐にもまだ余裕があるうちはよかったのでしょうが、ネットが普及するとネットの情報よりも雑誌の情報は遅くなり、雑誌を購買する必要性が薄れ、それによって流行を生み出せるだけの読者が居なくなりその存在の意味自体が失われたのもあるのでしょう。
単純に懐に余裕のない人が増えて、服はユニクロやしまむらでいいやと無駄な買い物をしなくなったというのもあるような気はしますけど。
また、本の奇抜だったり過激だったりするタイトルで読者を釣ったのはいいがその本の中身が面白くなかったり、どこかで見たことがある内容だったりすることが多すぎるので、本に対する期待がなくなり、本を買わなくなるというのもありそうです。
なろうの作品を読んでる人は”タイトルだけで中身は……”というのはなんとなくわかるのではないかなと思います。
これは雑誌も一般文芸もラノベもそうなんですが、とにかく本そのものをを目立たせるせることだけが目的になってしまって、タイトルで売ったはいいけど面白くなかったりどこかで見たような中身ばかりであるからリピーターを獲得できないという最悪のパターンですね。
風俗業界で言うなら外見はいい女の子の写真をさらに修正して客をつけたはいいけど、女の子のサービスが最悪でお客さんが戻ってこなくて、そのままお客さん自体が風俗そのものから離れられれてしまうようなものでしょうか。
本来本を読まない人に新たに金を出して本を読ませようとするよりも元から読む人にリピートを期待したほうがいいはずなのですがなかなかそれも難しいとは思いますけどね。
また、風俗ではピンクローター無料とかパンティ持ち帰り無料としてイベントをやったりしますけど、持ち帰らされても迷惑な人のほうが多いのですよね。
日本のメーカー製のパソコンは不燃ゴミと揶揄されることが多いですが、素人にもコアなマニアにもいらないプリインストールソフトが入っているだけで大した性能でもないパソコンが馬鹿みたいに高くなるのですからそう言われても仕方なく、そういったソフトがあまり入っていないDELやレノボのような外国パソコンやドスパラなどの組み立てパソコンで、最低限OSが入ってるだけのパソコンを買う人が増えるのも仕方ないかなと思います。
昔と違ってOSがはいっていてブラウザソフトが有れば大抵のソフトなどはユーザーが自分で手に入れられますからね。
昔はデバイスドライバーなどを手に入れるのが大変だったりもしましたが、時代が変わってることがわからないのでしょうか。
しかし書籍の場合はむしろ紙の本を買ったら電子版もDLできる権利を一緒にして売ったほうが良いのではないかと思います。
無論その場合は電子書籍からの作者への印税は入ってこなくなったりするわけですが、現状では漫画以外の電子書籍の認知度は低すぎますからね。
ブラックジャックによろしくの佐藤秀峰さんなどは電子書籍について古い作品は無料で販売して最新刊を有料で売るという方式でかなり電子の売上を確保しているようです。
紙の本は記念品として持っておきたいけど普段から持ち歩くのは特に大判だとやりたくないと言う人もそれなりにいそうですし。
また新規読者を増やすために読書層を広げようとして元々は読書に無関心な人間に売り込むかを考えすぎた結果、マニアにはうけず、素人にはそもそも関心のえられない物になってしまい、結果としてどっちにも相手にされず全く売れないというのもありそうです。
これは朝の連ドラや大河ドラマなどにも同じようなことが起きている気がします。
真田丸は奇跡的に大ヒットしたけど、昔の大河はもっとマニアックだった気がするのですよね。
いずれにせよ売り手が買い手の望むものをきちんと考えずに自分たちに都合のよい想定で、少しでも損じないような考え方でものを売ろうとする限り本に限らず日本製の商品そのものが日本でどんどん売れなくなっていく可能性が高そうですし、企業はマーケティングというものを考え直した方はいいような気がします。




