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水源の過去エッセイまとめ  作者: 水源
2019年1月

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ハレとケ、誰だってたまには現実逃避をしたくなるものさ

 いろいろ、エッセイで書いてきましたけど、基本的に生きていて苦痛(ストレス)がまったくないと言う人はいないと思います。


 そのためにたまには現実逃避をしたい、そういったことは日本ではハレとケと言う言葉で表されていますね。


 ハレは儀礼や祭、年中行事などの「非日常」、ケは普段の生活である「日常」ですけど、例えば辛い毎日の農作業の中で正月、お盆を始めとして花見やひな祭り、盆踊り、収穫祭といった行事では特別に普段は食べられないごちそうである餅、赤飯、尾頭つきの鯛などの高級魚、酒などが飲食できそれは、平凡で退屈な日常からの一時的な逃避でもあったのですね。


 西洋のパンとサーカスというのもサーカスという娯楽を見て退屈をしのげるのは平凡で退屈な日常からの一時的な逃避だと思います。


 そして現代でもそれはあまり変わりません。


 例えば東京ディズニーワールドやUSJなどはその雰囲気によって退屈な日常から離れ非日常な世界に入るというのが重要なのでしょう。


 きぐるみの中の人などいないというのは常識で中に入ってるのはおっちゃんやおばちゃんである可能性があってもそれを追求したりしてはいけないのも夢の世界を壊さないためですね。


 無論常に飽きさせないようなっ子ロミをしているのがリピーターを確保できる理由でもあるはずですが。


 口でいうほど娯楽でリピーターにあきさせないというのは簡単ではないのですよね。


 まあ、長蛇の列に並んで長時間待つのが大嫌いな、私はいまいち夢の世界に入り込めなかったりしますけど。


 一般文芸からドラマ化されている半沢直樹や下町ロケットが受けているのも、現実はひどい上司が多かったり、大企業からの下請けの扱いがひどすぎたりすることに関しての不満の解消と言う現実逃避でしょう。


 娯楽的映画やお芝居などに対しても多くの観客が求めているのは大変な現実ではなくスカッとする展開のはずです。


 しかし、あまりにも荒唐無稽だと”それはおかしくないか?”と感じることも多いわけで、ある程度のリアリティーというのも大事だったりします。


 例えばきぐるみはなぜ人形なのかといえばリアルな動物では癒やされないからではないかと。


 きぐるみのネズミとかがあんまりにもリアルなネズミだったら逆に逃げ出す人のほうが多いでしょうしね。


 同じように艦これなどの擬人化が受けたのもそうなったほうが親しみやすく感じるからでしょう。


 ここで混同してはいけないのはリアルさは現実性そのものだけど、リアリティは現実っぽさで、これはにているようだけど違うものです。


 あくまでも現実性にこだわりすぎると娯楽は一種の現実逃避と言う根幹に反してしまいますが、ある程度有り得そうというリアリティが全くなければその娯楽の世界に浸りにくくなります。


 現状現代異能バトルが姿を消して異世界ファンタジーが主流になったのは、現実世界だとリアルの制約が大きくなったからだと思いますが、現状の異世界は権力者に頭を下げさせたりタメ口をきいたりするのでリアリズムからもかけ離れすぎてそれはそ入れで受け入れがたくなりつつあるのでしょう。


 最終的に現代社会でも異世界でもないその中間くらいの法制度や物理法則は現代と異なるけど、政治や生活や教育に関しては現代っぽいローファンタジーに主流が移っていきそうな気もするのですけど、ローファンタジーって売れないのですよね。


 最もちょっと前までは主流だったらしいハイファンタジーや異世界は売れないと言う認識が現在はガラッと変わったので今後はわかりませんけど。

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