芸術と娯楽との境界は明確ではない
とはいえ、芸術のほうが、その作品などに対して、少数の価値に対する前提知識とか作法とか微妙な違いの差を理解できる目や耳などと金を持った人間がいればいいのに対して、娯楽はそういった前提知識とか作法とかに細かい違いにこだわらない代わりに多くの人間に受ける必要があるのかなと思います。
浮世絵のように江戸時代では安価な娯楽として安く広く売られていたものが、明治以降はその技術が西洋人に評価されて芸術作品として高額な値段がつくようになったりもしますし、音楽は娯楽でもあるが芸術でもあるというかなり合間内な分野なのではないかと思います。
音楽だとなんとなくクラシックやオペラは芸術で、その他は娯楽みたいな感じですね。
絵画とイラストの差も芸術と娯楽の差ではあるけど芸術的なイラストというものもあれば似顔絵のような娯楽的な絵画もあると思います。
では小説とか文芸はどうなのかといえば芸術にはいるのか娯楽にはいるのかですけど、基本的には和歌・俳句・詩・戯曲・随筆と言った伝統のあると思われているもの以外は芸術として認められにくい感じではあります。
しかし源氏物語なんかは本来は同人リレー小説のようなものであったものが現代では日本を代表する文芸作品とされているわけでもあるので、最終的には芸術と娯楽の区別は権力者とか権威を持ってる人の考え方次第なのかも知れませんが。
ただ、娯楽は買い手にとって楽しめるかという意向が収容な感じがするのに対して芸術は作りてのこだわりとか独創性のほうが重視されるような気はしますけど。




