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水源の過去エッセイまとめ  作者: 水源
2018年12月

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物語ではキャラクターの行動選択の理由としてキャラクターの持つ目的やそれを目的とする動機、そうなった過去の出来事などは重要なんでしょう。

 さて、物語は主人公が存在することによる、主人公自身や周囲の人物の変化が大事ナノではないかとこの前のエッセイで私は書いております。


 そして主人公の行動選択の理由が何らかの目的の達成とその目的をかかげるに至る動機があるほうが、恐らくキャラクターの人間臭さというリアリティや主人公の魅力として重要なのではないかなと思います。


 たとえば私にとってはバイブルである銀河英雄伝説の主人公ラインハルト、彼の作中の目的は主に最初はゴールデンバウム朝銀河帝国と門閥貴族の打倒で、キルヒアイスの遺言によりそれは銀河の統一となったわけですが、まず最初のゴルデンバウム朝銀河帝国と門閥貴族の打倒という動機は自分が母親のように慕っている姉がゴールデンバウム朝銀河帝国の皇帝という権力によって連れ去られたことで、自分がやらされたくないことをやらないで良い権力を欲しがったからと言えます。


 極端なことを言えばラインハルトは姉さんがずっと自分の面倒を見てくれて、お姉さんの作るケーキを食べ続けたかったから、それを奪った帝国皇帝を憎み、銀河帝国を滅ぼそうとしたとも言えますね。


 そしてそれを打倒したときに自らのミスでキルヒアイスを死なせてしまったことから、彼の遺言に従ってローエングラム朝銀河帝国での銀河の勢力統一に突き進んだわけですが、仮にキルヒアイスがあっさり死なないで門閥貴族を倒した後で、キルヒアイスがアンネローゼとの結婚をラインハルトへ打診したらラインハルトは一体どうしたでしょう?


 キルヒアイスとアンネローゼは両人とも憎からず思っていたようであるだけにラインハルトは相当葛藤しそうですし、自由惑星同盟に対しての攻撃などの意欲も原作よりは失いそうな気もします。

 キルヒアイスが死ぬまでのラインハルトは自由惑星同盟とは軍隊での階級という地位を手に入れるだけに戦っていたように思えますので、あちらが攻めてくれば反撃しただろうけど無理して攻め滅ぼそうとしなかった気もします。


 他の物語ですとロードス島戦記であればパーンは父親のような騎士を目標として手柄を立てて騎士になるために旅立ったはずですし、オーバーロードならば自分と同じように巻き込まれたかも知れないナザリックの仲間を探すことと、ナザリックと敵対していたギルドのプレイヤーによるナザリックへの攻撃の対処という目的がありますね。


 ゴブリンスレイヤーの過去を考えれば彼が最終的にああなったのもよく分かるというものでしょう。

 ちょっと極端すぎる気もしますけど。


 テンプレ的な作品であってもそういう動機がはっきりしたキャラクターのほうがキャラクターの行動や決断などの理由を理解しやすいでしょうし、主人公キャラクターだけでも過去の設定を決めておくのは結構大事なのかも知れません。


 そう言いつつ私は特にキャラクターの過去設定の掘り下げとかをしてから執筆してるわけではないですけどね、基本思いついたものをそのまま書くというのが私のやり方なのと自分自身が主人公のモデルてある場合が多いからですが。

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