流行りだからとランキングが〇〇系ばかりになるのは受けやすい構成の話がある程度決まってるからだと思うよ
さてさて、なろうはテンプレばかりだーみたいな話もあるわけですけど、そもそもいわゆる異世界テンプレでない話も投稿される作品としては結構あるはずなのに、なぜかそう言われるのはそういった作品が高ポイントのランキングに多いからなのでしょう。
じゃあなんでそうなるんの? といえば多くの人間に面白いと思われる物語構成というのはある程度定石があるからだと思います。
ハリーポッターもそうだと思いますし、ハーレクインやレディコミ、なろうでは異世界転移転生やクラス召喚の外れスキル、外れ職業、生産職無双やパーティ追放って基本的には”シンデレラ”や”みにくいアヒルの子”と同じなんでしょうね。
醜いアヒルの子はアヒルの群の中で、他のアヒルと異なった醜い姿のひなが生まれ、其のひなは醜いといじめられながら過ごすが、白鳥の住む水地に行くと実は自分が美しい白鳥であったことに気付いて群れに迎えられその後は幸せに暮らすわけです。
自分の評価は実は今所属している集団の価値観がおかしいだけなのではないか? 実はもっと評価されるべきではないか? と思う人はきっと古今東西多いのでしょう。
異世界転生も単純に生まれたときから順風満帆ではなくて、生まれ変わる前は悲惨だったからこそ生まれ変わった後は主人公が幸せでも多くの読者は受け入れられるわけで、そういった要素がないのに最初から幸福だったりすると、単に生まれや才能を持っている幸せ自慢をする嫌な奴になるので、最初は苦労してたり不幸なところを見せる必要があるのでしょう。
だからこそなぜそういった話が受けるのかということを考えて、その上でそういった構成でテンプレっぽい話を書くのは多くの人に受けやすい作品を書きたいというのであれば手法として正しいと思います。
別に一部の人に刺さればいいと言う作品を書いてもいいと個人的には思うんですけどね。
そして人間は悪役に対して嫌いとか主人公が辛いなどのほうが現実の自分の嗜好とそれが重なると、このヒロインが好きとかより共感性を持ちやすいらしいのですね。
問題は”いちいち説明はいらないだろ”ということでナデポニコポになって人間関係の構築の途中経過をすっ飛ばすことで違和感が大きくなったり、人気のある話の縮小再生産や劣化コピーになりやすいことなんだとは思いますけど、この辺はバランスの問題なのでしょう。
とはいえドラゴンボールやワンピースのような主人公は強くて敵をぶっ飛ばすのが爽快なだけの”バトルが日常系”というのもヒットする作品の構成要素に最近はなってる気がします。
なろうだと転生したらスライムだった件がそれに近いかな?
なので主人公が最初は不幸でなければならないというのも必ずしも受けるために必要ではないのかもしれません。
ただし”バトルが日常系”は恋愛要素が絡むとダメになる可能性は高い気がしますけどね。
でまあテンプレ展開を書くのが好きな人はそのまま細部を工夫してバランスを考えて書けば楽しいでしょうし、テンプレ展開が好きでない人は無理して書こうとしてもおそらく楽しくないでしょうから、自分の好きなように書くのが一番だと思います。
そもそもテンプレ展開だからと言っても必ずしも読まれるわけでもないですしね。




