表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
南洋の決闘 〜日米海軍の一騎打ち〜  作者: 扶桑かつみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/25

第二章「停滞」(一)

一九四三年十月二十一日 ワシントン



 緑の絨毯の上に建つ白亜に彩られた瀟洒な洋館は、その清潔感あふれる外見とは違って、中は暗たんたる雰囲気で満ちていた。


 理由は単純で深刻だった。

 世界の物理的な地図と政治的な地図の上で、白亜の建物から命令を発する国家がメジャーからマイナーに転落してしまったからだ。


 しかも結果としての状況が、自らがまったく動かなかったこと、相手が異常なほどの熱意で動いた結果とあっては、気持ちが沈んでしまうのも致し方ないだろう。


 特にアクティブに動き回った勢力、アクシズを占めるドイツ、日本、イタリアのうち、日本帝国は政治的、経済的に追いつめつつあっただけに、喪失感、脱力感、失望感は大きかった。



「つまり国務省は、現状では強く動くべきでない、という見解なのだな」

「イエス、ミスター・プレジデント。明確に要約しますと、「冬宮殿講和宣言」によってアクシズの政治的勝利までもが確定したと判断します。欧州諸国だけでなく、我が国が強く後押ししたイギリス連合王国、中華民国共も、十年後はともかく今は我が国との強い政治的関係は望んでいません」


 白亜の建物の主人フランクリン・デラノ・ルーズベルト大統領に、国務長官のコーデル・ハルがよどみなく答えた。


「それほどアクシズの軍事力は強大に映るわけか。実際はどうなのだね、ノックス、スティムソン」


 海軍長官と陸軍長官が今度は矢面だ。

 二人はほんの一瞬、ルーズベルトが気付かないほど一瞬目配せをすると、先に名の出たノックス海軍長官が先陣を切り、陸軍長官のヘンリーが現状の要約を語った。


 だが二人の言葉を要約すれば、第二次世界大戦の終了によりルーズベルトが強力に推進していた軍備拡張計画は霧散しており、祖国の防衛で手一杯でアクティブに出ることは不可能という結論だった。


 海軍ではヴィンソン案はともかく、一九四〇年に成立した両洋艦隊法、通称スターク案は、ごく一部を除いてすべてが計画中止に追い込まれていた。

 陸軍は、選抜制徴兵制度こそ残されたが、連邦軍五〇万人を維持するのがやっとだった。

 また軍事予算も著しく削減され、兵器の数が五年前より大幅に増えたからと言って、素直に喜べる状況ではなかった。


 その上兵器の増産も、二年前から自国向けの分は乏しい予算分以外はすべて停止している。

 そして三ヶ月前からは、各国への輸出や援助によって維持されていた軍需生産も活動を大きく低下させていた。


 おかげで軍需工場の過半は、再び不景気の波に飲み込まれつつあった。

 未曾有の軍艦建造に沸きかけていた造船所のかなりが、すでに不渡りを出していた。

 ボーイングなどの航空機会社も、大型組み立て工場の建設中止を五本の指で数えられないほど決定していた。

 GMやフォードも軍用車ではなく、民生車の生産を進め輸出促進の努力を政府に求めていた。


 しかもアメリカ市民の過半は、軍需に依らない景気回復、もっと広い裾野に対する公共投資を求めている。


 だからこそ先年十一月の中間選挙で、景気回復を唱えた共和党が勝利し、今までの政策に沿ってファシズムへの脅威を訴えなければいけなかった民主党が大敗したのだ。


 そして大敗していなければ、今ほど民主党は落ち込まず、軍隊ももう少しまともな状況だっただろうと、二人の口は暗に語っていた。

 ルーズベルトも二人の長官の本音など知りすぎるほど知っていたが、市民が戦争と軍拡を望まず共和党を支持する以上どうにもならなかった。

 形式や実態がどうあれ、アメリカ合衆国は民意を強く反映する政治形態を持つ国家なのだ。

 ルーズベルトの内心の苛立ちを察したかのように、ハル国務長官が再び口を開いた。


「ミスター・プレジデント、国務省としては次の東京オリンピック終了から以後三ヶ月まで、動くべきではないとの意見に変化はありません。世界は共産主義との戦いですべての戦乱が終わったとは思ってはいないでしょうが、次のオリンピックぐらい平穏に開きたいと考えているでしょう……」

「わかっているのだ、国務長官。だが、日本でオリンピックが開催されてしまえば、欧州はさらにその四年の平和も求めるだろう。ロンドンは国威発揚と内需拡大のために、さらに次のオリンピック開催を求めるだろう。

 ヒトラーも、ロシア経営を軌道に乗せるまで何事もない事を望むだろう。だが、そうなっては遅いのだ。アクシズの次の攻撃目標は我がステイツであり、我が国が屈すれば世界は本当に暗黒に閉ざされてしまうのだぞ」


 ルーズベルトが最後に口にしたのは、安っぽいプロパガンダ演説の文句や、子供向けヒーローコミックスのような弁だった。

 だが、あえて露骨な言葉を使ったことで、会議に参加しているものの内心に訴えるものがあったのも確かだった。


 確かに赤色戦争がアクシズの勝利で終わったことで、ナチスドイツの高名な地政学者ハウスホーファーの言うような世界分割状態が出現したように見える。

 ドイツ、アメリカ、イギリス、日本による三極分立状態だ。


 だがナチスドイツも日本軍部も、ついでにムッソリーニも、アクシズのすべてが依然として膨脹指向を持っている。

 しかもアメリカの盟友と思っていたイギリスは、少なくとも現状ではアクシズに荷担している。

 一度ナチスの軍靴に踏みつけられたフランスなどすべての欧州諸国は、最初から自らもアクシズだったように振る舞っている。

 例外はチャイナの蒋介石ぐらいだが、彼は無償援助とステイツと日本との対立しか望んでいない。


 いずれ世界中の列強がアメリカに戦争をしかけてくるだろうと、誰もが心の奥底で思ってしまうのだ。

 幼稚な心理が生み出した最悪の想定なのは誰もが分かっているのだが、単純な構図が出現しているだけに、心理面での懸念も大きかった。


「大統領のおっしゃりたい事は皆良く理解しているものと思います。ですが今日は、方策を討議するためのブレン・ストーミングの一つで、今性急に答えを求めるべきではないのではありませんか」


 副大統領のヘンリー・A・ウォレスが珍しく口を開いた。

 彼としては、肩書きばかり先行する副大統領としての職務を少しでも果たそうという意図ぐらいしかなかったが、ルーズベルトに一つの切っ掛けを与えた。


「済まない副大統領、君の言う通りだ。

 皆も、年甲斐もなく声を荒げた事は謝罪する。

 だが、我が国は今の現状を何としても乗り切り次の世代へとつながねばならない。

 これは私の信念であり、政治生命を賭してやり遂げる決意だ。

 その事は心に留めて置いてほしい」


 ルーズベルトがあえて強い言葉を持ってきた事で、全員の気分を自分に持ってきたと確認すると、締めにはいった。


「さあ、次の会議までにもう一度すべての状況を洗い直し、最善の方策を練ろうじゃないか」


 世界史的にソ連による自暴自棄の戦争だったと結論されている「赤色戦争」後、世界は文字通りアクシズの天下となったと見られた。


 何しろアクシズは、四年という短い時間の間に二度の大規模な戦争に電撃的に勝利したのだ。

 外交選択、戦争行為が薄氷の勝利、かみそりの上のアクロバットであったとしても、結果はアクシズによる歴史上空前の大勝利だった。


 いっぽう、アクシズが暴れ回った四年間、結局ほとんど何もしなかったアメリカの国際的評価は下がるばかりだった。

 植民地列強と共産主義を打倒して、新たな時代を切り開いたと宣伝されるアクシズ主要国のドイツ、日本の国際的地位は、もはや不動のものとすら考えられるようになっていた。


 もちろん独日共に軍国主義でありファシズムであったが、もはや彼らこそが世界のスタンダードだった。

 戦争に敗北したフランス、ロシアも何かをする気力はなく、それ以外の列強もすべてアクシズ側に自らの身を置いていたのだ。


 ドイツ、日本の双方とも国家財政が傾いたままだったが世界中の国々が同じであり、当時は大きな問題とは考えられなかった。

 何しろ、ユーラシア大陸のすべてがアクシズの勢力圏へと組み込まれたのだ。

 これは、四一年暮れの講和会議以後、ドイツ追従を当面の外交方針としたイギリスがソ連戦に参戦した事でアクシズに参加したと見られ、アクシズを政治的に盤石と見させていた。


 新たな勢力圏の広大さと資源マップから考えれば、独日の傾いた財政も早期に回復すると見られていたのも大きいだろう。

 事実アクシズ各国の財政は、一九四二年より好転し経済も上向きだった。


 しかもヒトラーや日本軍部は勝利によって政治的絶頂を迎えた。

 腕力を振りかざすことを当然と思う国家が世界のトップに立った事実は、余計な事を言えば次は自分が殴られると世界が考えるようになり、そうした心理的要素もアクシズの隆盛を強めた。


 もっともソ連を打倒した後のアクシズは、文字通り毒気が抜けたように大人しくなっていた。

 ドイツ、日本ともに兵員の大幅動員解除をしたことが何より証拠だった。


 そして赤色戦争の終了により、欧州では本当の平和が訪れたという雰囲気が強くなり、戦争から復興に向かって歩き出していた。

 しかもドイツは旧ソ連地域の統治を自分一人で抱え込む姿勢を強く見せており、政治的に他に何かができる状況ではなかった。

 スラブ人の取り込みに成功したといっても、ドイツ人全般のスラブ軽視が簡単に直るはずもなく、戦争の終了と共にロシア統治の不安定さが増していたから尚更だ。


 いっぽうアジアでは、大日本帝國が事実上三度の大戦争を経て、財政と国内経済が大きく傾いていた。

 戦勝により得た賠償金や資源、領土、利権と様々なもので何とか持ちこたえていたが、依然として軍部独裁の色が強い政府が続き、軍人たちは経済のことは全く分かっていなかった。


 もっとも軍部の多くは、支那、大英帝国、ロシア共産主義に対する連続する勝利で面目を施して、気分的に大きく満足していた。

 当面は、自らの痛手の大きさ(合計三〇万人の戦死者、同数の重度負傷者)もあって、誰かが殴りかかってこない限り自分自身では大人しくするつもりだった。

 駒の少ない状態で自ら戦争をしかける馬鹿はいない。


 そして偶然と幸運の連続から二度の大戦争を乗り切ってしまった近衛文麿率いる日本政府も、国民の圧倒的支持もあって絶頂にあった。


 そして、有頂天の気分によって、わざわざ延期させた東京五輪を何としても一九四四年に開催しなければ、国としての体面が保てないと内外に訴え成功していた。

 さらに日本政府は、五輪に対する各種施設、インフラの建設という名目で、軍隊と軍事予算を大幅に削減して、浮いた国家予算を公共投資に向けて国を立て直す方向に動いていた。


 この裏には、五輪景気と五輪の華やかさと五輪による国際平和の雰囲気が、国内の軍事色も薄くなるだろうという期待があった。

 度重なる戦争に幸運にも勝利した日本としては、とりあえず十年ほどは戦争も身に過ぎた軍隊も不要だった。

 戦争が終わった事で、少なくとも軍部と国粋主義者、軍需産業以外はそう思うようになりつつあった。


 軍部も戦争が終わり五輪のためだと、軍備と軍事予算の削減はある程度受け入れた。

 念願のソ連戦勝利で気分の大きくなった陸軍などは、多数の兵士を無償で建設事業に投入するというような事まで自ら言い出すほどだった。

 一つの方向に向けて突き進む傾向の強い、実に日本らしい状況だった。


 しかも東京五輪開催には世界中も好意的で、特にドイツは全面的に支援するとして様々な技術支援すら行う用意があると発表した。


 そうアクシズは、しばしの間であったとしても戦勝に満足したのだ。

 それにさらなる敵を求めると言っても、あとはアメリカ合衆国しか存在しなかった。

 五年、一〇年先ならともかく、今は手が出せる相手でも場所でもなかった。


 もっとも、一九四三年秋に出現した現状を一番気に入らないのは、アクシズ唯一の仮想敵とされたアメリカ合衆国政府の方だった。



 アメリカ合衆国は、一九四一年一〇月のニュルンベルク講和会議以後孤立感を深めていた。


 同会議では、オブザーバーと言えば聞こえがいいが単なる見物客だったからだ。

 しかもイギリスの単独講和は、戦争協力を示したアメリカに対する裏切りと映った。

 会議場で武器貸与法廃案を提案したのもイギリスだった。

 しかもイギリスは、ソ連との戦いでアメリカにほとんど爾後通告で勝手に参戦していた。


 他方では、あれだけ支援した蒋介石が、イギリス敗北と共に日本と妥協した事も気に入らなかったし、ルーズベルト率いるチャイナ・ロビーにとっては打撃だった。


 また、ルーズベルトによる強引な徴兵制の施行や両用艦隊法、そして武器貸与法といった戦争準備計画は、イギリスの講和と共にほとんどが霧散していた。

 当然ながら、軍拡を推し進めたルーズベルト大統領と民主党の支持率は急落した。

 アメリカ市民は、とにかく対岸の戦争が終わったのだから、自分たちの戦争準備など不用と言い出したのだ。

 しかも行きすぎた軍備は、アクシズの暴発を促すようなものだとも言った。


 民主党の挫折は続き、四二年夏からの赤色戦争に際しても市民の戦争への関心はさらに薄く、むしろ景気回復のためアクシズの戦争特需に乗っかるべきだとの意見が大多数を占めた。

 おかげで、戦争反対と景気回復を旗印にした共和党が中間選挙で勝利し、それまでの政策上ファシズムの脅威を唱え続けなければいけなかったルーズベルト大統領と民主党はさらに追いつめられる。




「だから君は、アメリカの方から戦争を望む可能性があると言うのかアンダーソン君」


 机の前で直立するロバート・アンダーソン大佐に向かって、贅沢な造りの椅子に腰掛けた男が、興味深げな瞳を向けながら問いかけた。


「はい、スプルアンス参謀長。今の政権は、結果的に度重なる外交の選択ミスにより窮地に立っています。いっぽうで共和党は、一二年ぶりの政権奪回に意欲を燃やしています」

「仮にそうだとしても、君が今言っている事は一年近く先の内政問題だ。戦争や外征と結びつけるのは早計ではないかね」


 太平洋艦隊参謀長に就任したばかりの、レイモンド・スプルアンス中将が議論を楽しむかのごとく冷静に問いかける。

 いっぽうのアンダーソンは、冬宮殿での講和会議から戻ってくると定時昇進で大佐に昇進し、合わせて太平洋艦隊に配属、作戦参謀に就任していた。

 敵と味方双方の立場で日本海軍を見て、それをもとに提出した報告書が高く評価されたからだった。

 講和会議に参加したり今こうして話しているように、広い視野でも高い見識を持っている点も評価されていた。


 今、日本と直接向き合う第一線の太平洋艦隊は、様々なものが要求されていたのだ。


 なお、話されている場所は、常夏の楽園と表現されるハワイ諸島の中枢オワフ島、パール・ハーバー軍港内にあるアメリカ太平洋艦隊司令部だ。


 ワシントンDCのホワイトハウスで、今後の政策決定のための議論が行われているのと同じ頃、太平洋艦隊司令部の参謀長室でも、似たような議論が交わされていたのだ。


 議論を持ちかけたのはアンダーソン大佐だった。



「はい、もちろん即戦争には結びつかないかもしれません。しかし、今の政権は一年以内に大きな外交成果を求める可能性が極めて高いと判断します」

「一年以内……か。アンダーソン参謀は、大統領選挙前後に大きな外交的動きがあり、選択肢の一つとして戦争も含まれると言いたいのかな? 今までの話を好意的に解釈すればだが」

「はい、まさにその通りです。前回の選挙では大統領選挙後に現大統領は武器貸与法を通しましたが、今回は状況が違います。このまま情勢が推移すれば、共和党が選挙に勝利するでしょう。これを民主党が覆す方法は限られています」


 フム。

 スプルアンス参謀長は、あごを軽く手でなでると沈思した。

 そこでアンダーソンは、さらに言葉を足してみた。


「恐らく閣下は、ルーズベルト大統領が、合衆国史上前人未踏の大統領四選には挑まないだろうとお考えかもしれません。しかし常識的に考えれば、三度大統領になられた事ですら従来の慣例からは外れています。政治を求める者にとって、極めて魅力的な名誉でしょう。

 しかし現状では、ルーズベルト大統領が四選を果たすためには、もはやよほどの好景気到来か、巨大な外交的な成果が必要不可欠です。できれば、経済と外交の双方で大きな得点を稼ぐ必要があります。つまり勝利と新たな市場、できればフロンティアの確保が最良でしょう」

「一番安易な達成方法が、強引なショー・ザ・フラッグか砲艦外交、そして戦争というわけか。確かに君の言う通りかもしれない。しかし、思考停止するようで済まないが、我々軍人の考えるべき事ではないと考えるが。その点はどうかね」


 やはりそこに来るか。そう思ったアンダーソンは、よどみなく答えた。


「もちろん、シビリアンコントロールがある以上、軍人は己の任務にのみ精勤すべきです。しかし、今後起こりうる状況に対して、研究や事前準備をしておく事も必要不可欠だと判断します。お考えください、我々が数年前にただこのハワイに来ただけで、日本軍は立ち止まりましたか。

 逆に、我々が何も出来ないのを見透かして、積極的な行動に出たではありませんか。戦争を止めるためにも何かができる事を明確に示し、彼らに見えるように大規模な演習や、それが不可能でも即応体制の強化程度は最低限行うべきです」

「座して居ては、時に置いて行かれるか」


 スプルアンスは嘆息するように、アンダーソンの結びの言葉を先に口にした。そして悟ったような瞳をアンダーソンに向ける。


「いいだろう。ニミッツ長官には、私からも議題として話してみよう。それと君は、正式な命令が出てからで良いので、今後起こりうる事態に対する、太平洋艦隊の作戦案を素案で良いので想定できる限り考えておいてくれ。無駄になれば一番なんだがな」


 まったくです閣下。

 アンダーソンは心の底からの言葉で付け加えると、敬礼と共に参謀長室から出ようとした。

 すると、扉をくぐる際、スプルアンスが背中に問いかけた。


「アンダーソン君、きみの積極姿勢はどこから来るのかね。やはり観戦武官での経験故か?」

「はい、参謀長。経験というよりは、この数年間で出会った日本帝国海軍の人々を知っているからです」


 もう一度振り返ったアンダーソンは、それだけ言うと、再度敬礼をしてから扉を閉じた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ