第46話 意外に有能だ。あの人
「って、しまったっ」
今更だが、大事な事を思い出した。
「どうかしたのですか?」
「軍団を貸してくれるのは良いけど直ぐに必要な時もあるから、此処に『門』の装置を置きたいのだけど」
あの装置、姉上が作ったから作り方知らないんだよな。
これから『カオンジ』に戻って姉上にこの事を告げに行って、姉上が此処に来るとか二度手間だな。
どうしたら良いかな?
「問題ありません。イザドラ様が『今後、国がこの領地の者達で軍団を編成して使う時が来るかも知れないので、此処と『カオンジ』とは連絡できる様にしてください』と言われましたので、用意しております」
おお、流石は姉上だ。
普段の言動から、どうもこの人、仕事できるのかと思うがやるべき事はしているんだな。
「で、その連絡手段とは?」
「これです」
そう言ってケニギンが見せたのは鳩の形をしたロボットであった。
僕は思わずずっこけた。
「其処は普通、モールス通信とか魔石を用いた通信じゃないのかな?」
何で伝書鳩?
「これが一番適切でして」
ケニギンは伝書鳩の形をしたロボットを空へと羽ばたかせた。
そのロボットは本物の鳥のように動きながら、外へと出ていた。
「どうして、あれが一番適切なの?」
「モールス信号の場合は電波塔が必要です。それを建設するのに良い場所が見つからず、魔石を用いた通信は、どうも我らと相性が悪いようでして」
「相性が悪い? どういう意味?」
「わたし達の心臓には魔石が埋め込まれていますが、その魔石が発する波動が通信に使う魔石の波長を乱してしまうのです」
それって、あれか。ペースメーカーと言った医療機器が携帯の電波で誤作動や悪影響を及ぼすと似たような事か。
そんな理由があるんじゃあ、仕方がないか。
「で、あの伝書鳩は何時頃『カオンジ』に着くの?」
「今日の夕方には『カオンジ』に到着します」
「早いね」
「ええ、わたし達の部族の技術を詰め込んでいますので、これぐらいは出来ます」
「そうか。じゃあ、姉上が此処に来るまで待つ事にしようか」
姉上の事だから伝書鳩の内容を見るなり、すっ飛んできそうだからな。
それこそ、龍になって来るかもな。
・・・・・・其処まで考えて本当にそんな感じで着そうで心配であった。
そう不安に思っていると、袖を引っ張られた。
「・・・・・・」
プリアが僕の袖を引っ張って来た。
「どうかしたのかな?」
僕がそう尋ねるとプリアは何処かに僕を連れて行こうと引っ張りだした。
何がしたいんだ?
「ふふふ、どうやらプリンツスエンアーヌルは貴方に遊んでもらいたいようです」
「遊ぶ? 僕と?」
ケニギンがそう言うので、確認の為に僕は自分を指差しながら訊ねた。
すると、プリアは頷いた。
もう話はだいたい終わったが良いのかな。
「どうぞ。構いませんよ。プリンツスエンアーヌルの遊びに付き合ってあげてください」
「まぁ、良いけど」
ケニギンの許可を貰ったので、僕はプリアに連れられて行った。




