第22話 ぼちぼちの売り上げだ
開店してから数日が経った。
店内が人で溢れ返っているという事や、行列が出来て並ぶと言うほど混んではいないが、ひっきりなしに客は来るという感じだ。
皆はもっと頑張らないとと思っているようだが、個人的にはこれぐらいの繁盛で良いと思う。
行列が出来れば皆が皆が並ぶとは限らない。並ぶのを嫌う人も居る。
なので、現状で問題は無い。
この世界は昼は昼の仕事、夜は夜の仕事と完全に分別されている。だから、僕の店みたいに昼も夜も仕事がある店と言うのは見た事が無いようだ。
勿論、そういうのには許可が居るらしいが、リアフォさんが許可証を取って来てくれたので問題ない。
客足が落ちたのなら、その時に考えて新商品を出せばいい。
今は儲かっているんだから現状を維持しつつ、損失が出ない売り上げを出すのが一番だ。
そう思いながら、僕は書類仕事を片付けている。
商会を立ち上げる際、僕が会頭になったのでそういう書類仕事の決済は僕がする事になった。
今日もその書類仕事を片付けていた。
「ふぅ、今日も今日とて書類の山か」
誰も居ないので寂しく一人ごちる。
何の反応は無いので問題は無い。しかし、これはこれで暇だ。
ああ、何か面白い事が起こらないかな~っなんてな。
「リウイ様!」
「すいません。何か起こって欲しいとか思ってすみません。平和が一番ですっ」
「? 何をいきなり謝っているのですか?」
部屋にノックも無しに入って来たリッシュモンドがいきなり謝りだした僕に目を丸くしている。
おっと、流石に腹心でも部屋に居た僕の心は読めないだろうに落ち着け、落ち着け。
「コホン。何でもない。ところで、何か用?」
「はっ。実は近くの商会でタイヤが売られております」
「へぇ、それって転売?」
「いえ。どうやら、その商会で製造しているようです」
「ほぅ~」
コピー商品か。ふむ。
「この事はクリストフには話した?」
「はい。本人は『製造方法は誰にも話していない』と言っておりました。どうしますか?」
「そうか。じゃあ、品質は落とさないでとクリストフに伝えて」
「はっ? コピー商品を売り出した商会に抗議しないのですか?」
「いや、そんな事をしてもどうせ名前は似たような商品だとか言ってうやむやにするのが目に見ているからいいよ。ちなみにそのタイヤに似た商品の名前は?」
「ホイルという品名です」
車輪だから間違いではないか。まぁ、品質の方はどうか分からないけど。
「とりあえず、品質を落とさなければ問題ないよ」
「はぁ。リウイ様がそう言うのであれば」
僕の言葉を聞いてリッシュモンドはしぶしぶ納得して部屋から出て行った。
しかし、コピー商品か。後で誰かにどんな物か買ってきてもらって見てみるか。




