第20話 店名を改めて開店だ
翌日。
店が開店する日になった。
看板を見て、皆はこれは賠償できるのでは?と言ったが、ユエの心遣いも無下にするのもなと思い、此処は『翔鵬商会』という名前にする事にした。
店名を変えると告げると、皆は僕が文句ないのなら良いかみたいな事を言って納得してくれた。
その言葉が少し引っ掛かり、僕はそういうのに詳しい人に聞くと。
「異世界の言葉の店名よりも、こちらの世界で成功している商会の会長が考えた店名の方が、商売が上手くいくと思うからじゃあないですか」
そう言われて内心、ショックを受けた。
別に変な名前ではないと思ったのだけど、こちらの世界では受け入れられなかった様だ。
……受け入れられないのなら仕方がない気持ちを切り替えていくとしよう。
幸い店のロゴマークや店名を付けた商品はまだ開発してないので問題はない。
「いよいよ開店か。どうなるかな」
二階の窓から外を見下ろした。
既に店の前には行列が出来ていた。チラシ配りが功を成したようだ。
これはその内、店の外の行列を整備する人達も必要だな。
ええっと、警備を担当するのは……誰だっけ?
「今度、ちゃんと部門に分けた責任者を選んでおかないとな」
じゃないと誰が何をしているか分からなくなるからな。
「リウイ様。そろそろ開店時間です」
「ああ、じゃあ開店してくれ」
「はっ」
僕がそう伝え、少しすると。行列を作っていた人達が徐々に店の中に入って行った。
さて、僕も仕事をするか。と言っても店長に会いたいという人が来たら僕に顔を見せるだけどね。
行列で並んでいた人達は買いたい物を買い終えるか二階の喫茶スペースで休憩している中、僕は三階の休憩スペースに居た。
「まずは上々の売り出しかな?」
「はっ。タイヤだけでもかなりの売り上げを出しております。クリストフが作った『動力交換しないで何でも冷凍冷蔵できる箱』改め『コールド・ボックス』もかなり売れています。土木仕事をしている者達にはタールポモールに注目されていると、店員をしている者達から報告が上がっております」
「ふむ。他には?」
「後はアラクネの生糸や副都に着くまでに倒した魔物から採取した物が売れているとの事です」
リッシュモンドからの報告を聞きながら午前中にどれだけ稼いだか聞いた。
「二階の売り上げについては午後からの集客率を考えて、閉店後に計算するとの事」
「そうか。ところで、クリストフの娘さん達はどう?」
クリストフの娘さん達は二階の店員として働いてもらっている。
次女の二コラは警備員として常駐している。
「夜の方の準備は?」
「ただいま行っている所です」
良し。じゃあ。
「取り付けたアレも問題なく動くと報告は受けているから大丈夫だろう」
「はい。午後の方はそれで客を運ぶことになっています」
「分かった」
休憩も此処までにして下に行くとするか。




