第62話 問題はないか
その夜。
ディアーネ達と少し話して帰ったのを見送ると、店を閉めたら談話室に集まる様に伝えた。
閉店後。談話室に集まってくれた。
まだ全員集まってないので雑談に興じていた。
「今日も疲れた~。祭りのお蔭か客がひっきりなしに来るから、てんてこ舞いよ」
「そうね。祭に参加しただけであれだけ人気が出るとは思わなかったわね」
ティナとカーミラが店の事に話をしていた。
「そう言えば、最近、店の前に水を撒く人が増えたけど、あれってうちの店の真似かしら?」
「そうでしょう。だって、うちの店がした後からする様になったのだから」
「あれって効果あるの?」
二人が話している所にアマルティアも加わった。
「知らないわ。ただ、やった人の話だと、店の前に埃が立たなくなったとか客が増えたとか色々と話しているのを聞いた事があるわ」
埃が立たなくなったのは分かるけど、客が増えたのは嘘だろう。
三人の話を聞いていると、ダイゴクとクレハがやって来た。
「お待たせしました。若」
僕に一礼する二人。
「来てくれてありがとう。好きな所に座って」
僕が着席を促すと、二人は少し離れた所に座る。
これで全員揃ったな。
「じゃあ、まずは。皆、今日はお疲れ様」
僕が皆を労うと、皆恐縮しだした。
「リウイ様。わたし共は当然の事をしただけですから、お気になさらずに」
「アルトリアの言う通りです。リウイ様」
「ありがとう。リッシュモンド」
まぁ、こうして形だけも労わないとその内、働いて労ないとは何という奴だとか思われかねないからな。
「それで、ボス。今日は何の用で俺達を呼んだのですか?」
良いタイミングで話を振るね。カブ―モス。
今度の給料査定を上げてあげよう。
「ああ、実はね」
僕はユエ達と話した事を皆に話し出した。
「という訳でこの都市を引き払って、公都で観光がてら調査する。今の内の店でもやっていけるかどうかを調べる。無理そうだったら、ディアーネ会長の推薦の副都で商売するけど良いかな?」
僕が皆に訊ねると、特に文句は無かった。
カブ―モスやダイゴク達は如何だろうと思い目を向けると。
「「「………………」」」
三人共ポカンとしていた。
「どうかしたの?」
「い、いや、その。ボス。その話を持ち掛けたのは本当に『鳳凰商会』の会長なんですか?」
「本人はそう言ってたよ」
「詐欺じゃあ無いですよね?」
「それは無いと思うな」
僕の前世の頃から変わった所は無かったのだから。
「だとしたら、とんでもない慶事ですよ。『鳳凰商会』の会長とは知り合いみたいな事は聞いていましたが、まさか副都に店を斡旋してくれるなんて、普通は有り得ないんですぜ」
「そうなの?」
「ええ、公国の副都って言えば、西は西方諸国に東はゾオン共和国に北はフェロウ連邦に南は八獄の郷に通じる交通の要衝。そんな所で店を開けるなんて、商人としちゃ名誉ですぜっ」
カブ―モスが凄い驚いている。
「あっしも同じ意見です。若」
ダイゴクも口を開いた。
「公都に比べても華やかさは負けていませんし、何より公都に比べたら新しいですから住みやすいですよ。公都は各国の要人が集まる所ですが、殆どの店が『鳳凰商会』の息が掛かった店ばかりです。そんな所で商売しても繁盛はしても大成はしません。それだったら、まだ発展途上の副都で店を開いた方が良いですぜ」
ダイゴクは賛成か。
「わたしも問題ないと思います」
クレハも賛成と。これなら良いか。
「じゃあ、明日から三日間閉店セールという事で商品は半額で販売するよ。それと並行して公国の公都に向かう準備を済ませるよ」
ええ~っという声が聞こえて来た。
「いきなり店を閉めたら、うちの店を贔屓にしている人達に迷惑が掛かるだろう。売切れたらそこで閉店して良いから」
皆、それでも不満そうな顔をしているが無視する。
「じゃあ、これで解散。明日も大変だろうから。早めに休むように。以上」
そう告げると、僕は一足先に自分の部屋へと向かい、そのままベッドで横になった。
明日から暫く大変だけど頑張ろう。




