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第61話 これは何かあるな?

「リウ君もどう思うのかな?」

「は、はあ。そうですね」

 リウ君か。相も変わらず渾名をつけるのが好きな人だな。

 とまぁ、今はそんな事よりも、村松さんが持ちかけた話を考えるのが先か。

「……そうですね。自分はまだこの大陸に来たばかりなので、正直に言って何処で商売をするべきかも分かりません。なので、此処は商売の先輩にあたるディアーネ会長の言葉に従った方が良いと思います」

 此処は無難かつ角が立ちずらい事を言う。

 こう言えば、商売事に門外漢の村松さんもローチュウスも口は出せないだろう。

「ええ、でも。リウ君が公都に居たら顔出しやすいのにっ」

「別に副都に店を構えても来れると思いますが?」

「そっちの方がサボりたい時に入り浸れるでしょう」

 いや、仕事しなよ。

「セナ。そんな理由で公都を勧めるのはどうかと思うぞ」

「でもさ、公都と副都のどっちが栄えているって言われたら、公都じゃない。そっちで商売させたらもっと成長すると思うのだけど」

「全くこれだから素人は。良いか、まだ商売に慣れているとは言えない者をいきなり都で商売でもしたらあっという間に破産するに決まっているだろう」

「そうなの?」

「そうだ。お前のやり方は例えで言えば、少し商売が上手くいったからと言って調子に乗って色々な事に手を出してあげく、それで失敗する者と同じだぞ」

「う~ん。そうかな~」

 村松さんは納得いかない様な顔をする。

「それに副都も公都には多少負けるかもしれないが、交通の要衝だ。商売するにしても問題ない。此処で人気が出てから、公都に出店を考えても良いだろう」

 確かに、ユエの意見も間違ってはいない。

 地道にコツコツと足場を固めてから商圏を広げる。

 これが商売の基本だな。

「でも。公都だよ。それにディアネンが後ろ盾になるのだったら問題ないでしょう。最初は失敗してもその内巻き返せばいいのだし」

 村松さんの意見も間違いではない。

 ユエも僕をバックアップしてくれるだろうから、最初から失敗はする様な事はしないだろう。仮に失敗しても、ユエに借金をするなりして何とか挽回すれば良い。

 それに公都だからな、都だったらローチュウスみたいな外交官が居る筈だ。そういう人達と親しくなって、商売を上手くいかせる事も出来るだろう。

 むぅ、どっちも悪い手てでは無いな。

 そう思うと同時に、僕はユエが何か隠している気がしている。

 見た感じ普段通りのクールな表情を浮かべている様に見えるが、僕からすると動揺しているのを何とか表に出さない様に頑張っている様に見える。

 これでも前世の幼馴染だからね。顔を見たら何を考えているか何となくだけど分かる。

「もし、リウ君の店が公都にあったらマイも来れるよ。この前、偶にはユエの店以外で買い物したいって愚痴っていたよ」

「それだったら、公都にある適当な店に入れば良いだろう。別に公都にはわたしの店以外もあるのだから」

「そういう店って、イマイチな物しか売ってないんだって。だから、ユエが気に入った子の店だったら気に入ると思うんだ」

「いや、しかしな」

 村松さんとユエが言い合っている中。ローチュウスは我関せずと茶を飲んでいた。

 いい加減、二人の話を聞いているのもな。此処は口を出すか。

「公都に出店という話も悪くないと思います」

「でしょうっ」

「でも、まずはどんな所なのか見てからでも良いですか? それから決めても良いと思います」

「ううむ。そうか」

 ユエは何とも言えない顔をしだした。

 いったい公都に何があるのやら。

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