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第33話 ふむ。これは、また面倒だな

 西区を散歩した数日後。


 僕が開店準備をしていると。

 ゴンゴンっと激しく扉が叩かれた。

「何だ?」

「客人にしては随分と激しいノックね」

 今日は僕とビクインさんとティナが店番をする日であった。

 何時もの如くティナが寝坊したので、僕とビクインさんが開店準備をしていたのが。

「やれやれ、僕が応対するから、ビクインさんは開店準備をしていて」

「分かりました」

 僕が扉の所まで行く。

「どなたですか?」

『良いから開けんかっ』

 随分と気が立っているな。

 このままだと扉を壊して入りそうなので、扉を開けて外に出た。

 すると、口髭を生やした四十代ぐらいの肥満体型の男性が居た。その男性の後ろには武器や大槌を持った人達が居る。よく見ると、この前『ファンへ商会』の一人息子を護衛していた人達がいる。

 名前は確か……じゃ、ジャ〇アンじゃなくてジャイ〇でもなくて、う~ん。何て名前だっけ?

「おい。此処の店長を出せ。話があるっ」

 ふむ。どうやら、この店が僕の店だと知らない人の様だ。

 さて、何の用でこの店に来たのやら。

「店長は今、商品の収穫に行っています。なので、言付けがあれば伺いますよ」

「ふんっ。では仕方がない。儂は『ファンへ商会』の会頭のジャイダンだっ」

「はぁ、これはどうも。僕はリウイと申します。今日は何の用で来たのでしょうか?」

「うむ。この店の店員であるウラーという者がうちの店の従業員と息子を傷をつけたので、その事について話があってきたのだっ」

 そう言えば、ダイゴクから「若にちょっかい掛けた奴らを叩きのめしたとウラーが言っていましたよ」とか言っていたな。

「生憎、うちの店にウラーという者は居ません」

 正確に言えば、店員ではなく好意で店の警備をしてくれているだけだからな。

「嘘をつけっ。貴様と親しくしているようだと、怪我を負ったうちの従業員が言っていたぞっ。出さないのであれば、こちらも考えがあるぞっ」

 ジャイダンが手を挙げると、後ろにいる人達が得物を見せだした。

 と言われても、本当に店には居ないのだけどな。弱ったな。

 どう言えば大人しく引き下がってくれるかなと思って居ると。

「おいっ、手前ら、うちの若に何か用か?」

 大きな声を聞こえたので、そっちに顔を向けると、其処にはダイゴクとティナと件のウラーが居た。

 おっ、良い所に来た。

「ああ、丁度いい所に来た。ウラー。この人が話があるって」

「話? 俺に?」

 ウラーが自分を指差してきたので、僕は頷いた。

「どうぞ。話がしたければ好きなだけ話をしてください」

「う、うむ」

 ジャイダンは顔を青くしていた。

 まぁ、気持ちは分かる。明らかに自分が連れて来た護衛よりも強そうだからな。

 更にダイゴクが居るからな。

「そ、そこに居るのは『義死鬼八束脛』総長のダイゴクでは?」

「ああ、そうだが。それが何だ?」

 ダイゴクが頷くと、ジャイダンだけじゃなくて連れて来た護衛の人達も顔を青くさせた。

「あ、あはっはは、いえ、このたびはうちの者が迷惑を掛けたそうで、そのお詫びに参りました。何分、まだまだ、子供と言える年齢ですので、どうか寛大な御心でお許しを」

 先程の威圧的な態度から百八十度変わって、卑屈と言えそうな位に腰が低くなった。

「では、本日はこれで、わたしは失礼させてもらいますっ」

 そう言って、ペコペコと頭を下げながらその場を去るジャイダンと護衛の人達。

 ジャイダン達が見えなくなると、ティナが近づいて来た。

「あの人達、何の用で来たの?」

「さぁ」

 何となく、予想はつくけどね。

 ああ、そうだ。店が終ったら、バシドとハダに声を掛けておこう。

 何かありそうだから、一応備えておかないとな。

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