第23話 親子みたいだよな
「じゃあ、ちょっと出るね。後は任せるよ」
「お任せを」
「若様。ゆっくりと羽根を伸ばしてください」
「店の事はあっしらにお任せを」
リッシュモンドとクレハとダイゴクに見送られ、僕達は都市の回る事にした。
正直、この都市に来て、この都市の中を回っていないので、どんなものがあるか知らない。
アオイさんに連れられて色々な所を回ったティナから聞いた所。
『何か、凄い建物が凄くあったよ。凄い美味しい物とか、凄い細工物とか沢山あったっ』
という語彙力が無い感想を聞いた。何が凄いのか分からない。ので、都市を回る理由には良いだろう。
「じゃあ、行こうか」
「はい」
まずは、中央区だ。
此処はこの都市の中枢で、議会を行う議事場がある上に商店が沢山あるので、商業地域でもあるようだ。ちなみに、僕の店がある所は、北区だ。
僕達は中央区に向かう。
店を出て、歩く事三十分。
僕達は中央区に着いた。
北区は閑静であったのに、商業地区だからか色々な声が飛び交っていた。
見た所、露店も沢山あるようだ。
どんな商品があるか見て回るか。
「あの、リウイ様」
「なに?」
「お供がわたしで良かったのですか?」
「丁度休みだったのが、ソフィーだったから」
まぁ、本当は他にも居たけど、ティナに連れて行けと言われたので、僕と二人にした。
「そうですか。わたしの様なオバサンを連れても何も面白い事はないと思いますよ」
頬に手を当てて溜め息をはくソフィー。
そんな憂いを含めた顔で溜め息を吐かれると、色っぽいのだけど。
それに。
ボヨン。ボヨン。
呼吸しているだけで、その豊満な胸が上下する。
周りにいる男性たちはその動きを目で追う。
これは仕方がない。男だから。
かく言う僕もその動きを目で追っていた。
ゾッ!
何か、とんでもない強い冷たい視線を感じた。
何処からだと思い、周りを見た。
だが、何処にもそんな人は居ない。
気のせいにしても、あの視線は冷たすぎる。
「どうかしました?」
僕を不思議そうな顔を見るソフィー。
「いや、何でもない」
額に浮かんだ汗を手の甲で拭い、僕は近くにある露店が目に入った。
「あの店に入ろう」
「いえ、わたしが入ります」
「良いよ。別にそんな事しなくて」
僕は手を横に振りながら、露店の中に入る。
「いらっしゃい」
此処はどうやら果物を砕いて飲み物にする店のようだ。
見本の果物を置いて、それを組み合わせて飲むという感じか。
「おススメを二つ」
「はいよ。銅貨三枚だよ」
僕は銅貨を三枚渡した。
「じゃあ、ちょっと待ってな。坊ちゃん」
露店のおっちゃんが事前に作った果物の果汁をコップに入れて混ぜていた。
素焼きのコップの用だ。飲み終わったらそこら辺に捨てればいいのかな?
「ほい。お待ち。サービスで大きいのにしといたぜ。母ちゃんと一緒に飲みな」
そう言って、おっちゃんは大きなコップに並々を注いでくれた。
このコップのサイズ、前世で良く行ったカフェと同じサイズだな。
「うん? 母ちゃん?」
もしかして、ソフィーの事を母親と勘違いしているのか?
店を離れ、両手にコップを持ちながら思った。
「はい」
「ありがとうございます」
ソフィーにコップを渡しながら、ジッと見た。
親子に見えるかな?
「どうかしました?」
「何でもない」
僕はコップの中身を喉に流しながら、中央区を歩き回った。
リウイがソフィーと一緒に歩いている後ろでは。
物陰から密かに二人の後をつける者達が居た。
「こうして見ると、主従というよりも親子ね」
アルティナが物陰から、二人が並んで歩く姿を見て思った。
「そうね。あれじゃあ、仲の良い親子ね」
カーミラも物陰から見て思った事を話した。
「あの、いいのですか?」
ランシュエが躊躇いがちに訊ねた。
「「何が?」」
「リウイ様の後を追いかけて」
「あたし達は護衛なんだから問題なしよ」
「はぁ」
「ほら、行くわよ。あまり離れると、追跡が難しいわ」
「そうね。行くわよ。ランシュエ」
「は、はい」
三人はリウイ達の後を追い駆けた。




