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閑話 姉達の謀議

 今回は第三者視点です

 魔都『ニヴルヘイム』にあるギャラブル魔宮殿。

 

 その宮殿の一室で、泣き声が聞こえて来る。

「ぐす、うう、ぐすぐす、ううううう・・・・・・・」

 部屋の中には何かを抱き締めている女性が涙を浮かべていた。

 その周りには、女性が四人程いたが、その四人は泣いている女性を慰める事はしない。

 むしろ、泣いている女性を見て溜め息をついていた。

「・・・・・・いい加減、泣き止むのを止めぬか。イザドラ」

 何時までも泣いているので、四人の中で一番年上のロゼティータがイザドラに叱る。

「ぐじゅ、でも、ろぜね゛え゛ざん゛・・・・・・」

「何時まで泣いても、リィンは帰って来んぞ」

「それはわかっているのですが、でも、でも」

 イザドラはまた泣きだした。顔を抱き締めている物に押し付けながら。イザドラが自分の顔を押し付けている物は、どうやら人と同じサイズの枕のようだ。

 その枕には、リウイが可愛く描かれていた。

 また泣きだしたイザドラを見て、ロゼティータは溜め息を吐いた。

 今から三週間前。

 ロゼティータ達の末の弟のリウイがこの国から出て行った。

 向こうの大陸に行くと言っていたので、今頃は渡海する為に何時の間にか用意した亀型の魔獣の背に乗り海の上だ。

 イザドラはその報告を聞くなり気を失った。

 そして、気を取り戻した時には、三日経っていた。

 それだけ日が経っているので、イザドラも流石に探し出す事などはしなかった。

 代わりに『オウエ』の領地を完全自治領にすると、役人達に通達して、その手続きの為に魔都に帰っていった。

 そんな姉を心配になり、妹達も一緒に魔都に帰って来た。

 イザドラは『オウエ』の手続きして、その手続きを終えると、自室に籠り泣き始めた。

 それが三週間も続いた。

 最初、ロゼティータ達も慰めたりしたのだが、全く効果が無かった。

 今も何時までも部屋にいるので、気晴らしに姉妹で茶会しようとロゼティータが言ったので、イザドラを無理矢理部屋から出したが、それでも泣くのは止めなかった。

 そして、今に至る。

「まったく、リィンが居ないだけで、こんな面倒な奴になるとは」

「仕方がない。イザドラ姉さんはリウイを特に可愛がっていた」

「ほんとよね。正直、その内、結婚するんじゃないと思えるくらいだったわね」

 ロゼティータの言葉に、ヘルミーネとフェルも同意とばかりに頷く。

「まぁ、イザ姉らしいんじゃない」

 ミリアリアは音を立てながら、茶を飲む。

「ぷはっ、お代わりっ」

「何処の酔っ払い親父だ。貴様はっ」

 女性としてどうかと思い、怒るロゼティータ。

「まったく、これが妹だと思うと、わらわは頭痛がするぞ」

 そう言いながらも、ちゃんとお代わりを淹れるロゼティータ。

 そんな姉を見て笑みを浮かべるミリアリア。

 ミリアリアの前に茶を置くと、ロゼティータは座ると襟首を正した。

「さて、お主らを集めたのは他でもない。リィンの事じゃが」

「うん?」

「ウ~ちゃんがどうかしたの?」

「実はな。あ奴のメイドの一人のソフィーディアがいるじゃろう」

「居るわね。わたしがウ~ちゃんの乳母に推薦した人よ」

「その者にリィンが落ち着いたら、連絡する様に密かに指示しておいたぞ」

「何時の間に」

「ほっほほ、可愛い弟が遠くに行くのだから。これぐらい当然じゃ」

 くちを手で隠しながら笑うロゼティータ。

「・・・・・・姉さん!」

 イザドラはいきなり、ロゼティータの手を掴んだ。

「な、なんじゃっ⁉」

「初めて、貴女の妹で良かったと思いますっ」

「どうい意味じゃあああぁぁ!」

 そして、二人は口論を始めた。

 ヘルミーネとフェルはその口論を見ながら話をしていた。

「ねぇ、ヘルミーネ」

「何だ。フェル」

「イザドラ姉さんも過保護だと思ったけど、ロゼ姉さんも意外と過保護じゃない?」 

「・・・・・・そうだな」

 ヘルミーネもそれについては何も言えなかった。

「ずずっ、ああ、美味しい」

 ミリアリアだけは我関せずと茶を飲んでいた。









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