閑話 ???との談話
今回はユエ視点です。
「・・・という訳なんだ」
「へぇ、此処の所、会えないから何処に行ったのかと思ったら、魔国がある大陸に行っていたんだ」
わたしは公国の公都である『ザェクセールズ』で、久しぶりに長年の友人であるマイに会っていた。
勿論、ノブに会えた事は秘密にして。
「しかし、公都に来たのだから村松にも会いたかったが、居ないとはな」
友人の一人に会えない事に残念と思いながら、茶を飲む。
「ごめんねぇ。最近、北東の『八獣』が活発に動き出したから、調査に行ってもらっているんだ」
『八獣』か。ノブも驚くだろうな。東の龍以外は、全部自分と関係ある魔獣だと知ったら。
いや、エリゼヴィアは人間だから魔獣にカウントするのは違うか?
まあどうでも良いか。
「良いのか?あいつは、この傭兵部隊の副隊長なのだろう?」
「副団長よ。ユエ。それに、大丈夫よ。北東の『八獣』は、セナに懐いているから」
「そうか」
わたしは椅子から立ち上がり、窓の所まで来て外を見た。
窓の外は人々が行き交う大きな道が見えた。
その道には、商売をする者や、その商品を買う者、警備で歩いている兵士など色々な者が歩いている。
色々な職業の者は居るが、皆共通しているのが、暗い顔をしないで歩いている事だ。
「ふふ、もし、ノブがこの光景を見たらどう思うだろうな?」
「う~ん。ノッ君の事だから、嬉しい反面ショックかも知れないわね」
「ショックか。確かにな」
あいつも自分を模した銅像やら、自分が主演の演劇など見たらショックで気を失うだろうな。
正直、銅像に関してはかなり美化されていて、初めて見た時はわたしは「誰、これ?」と言ってしまった。一緒に居たマイは「何か、すっごいイケメンになってない?」と言い、村松は「う~ん。これはこれでありじゃない?」と言っていた。
「ねえ、どれくらいこっちに居るの?」
「そうだな。数日したら、また魔国に行く予定だ」
「ぶぅ、久しぶりにセナと三人で女子会したかったのに」
「はは、済まないな。それは、また今度にしよう」
その後は、わたし達は他愛の無い話をした。
話すネタが無くなったので、わたしはマイと別れて、自分の店に戻った。
店に戻ると、副店長がわたしの下にやって来た。
「会長。お帰りなさいませ」
「ああ、何か連絡事項などはあったか?」
「はい。魔国支店から、速報が」
「速報?」
わたしがそう訊くと、副店長が恭しく封に包まれた手紙を出した。
その手紙を受け取り、わたしは部屋に戻った。
部屋に入り、椅子に座ると、わたしは封を切り手紙を見た。
「……ふむ。成程な。これは、予定変更しなければな」
わたしは手紙を読み終えると、椅子から立ち上がり部屋を出た。
ノブが住むのだから、適当な所では駄目だな。かなり良い所にしなければな。




